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口裂け女のメインターゲットは小学生。その習性を逆手に取ろうと、シヅカはなぜか小学生の衣装で囮に立たされる。「私、綺麗?」と問う怪異をかわしつつ、付喪神のお市や霊能力者カムイの奇天烈な除霊で切り抜けていく。だが放課後の街では、新たな怪異「ろくろ首」がシヅカと親友のキョーコを狙っていた。第4話を振り返る。




口裂け女、現る
小学生コスプレの、囮作戦
カムイの作戦説明で幕を開ける第4話。標的は、大きなマスクで口元を隠し「私、綺麗?」と小学生に問いかける怪異・口裂け女。綺麗と答えればマスクの下の裂けた口で襲い、否定すれば刃物で切り殺す。しかも100メートルを3秒で走る神速の持ち主だ。
そのメインターゲットが小学生であるため、シヅカはなぜか小学生の衣装を着せられ、囮に立たされてしまう。「質問されても答えるなよ」というカムイの忠告もむなしく、シヅカは思わず反応し、猛然と追いかけられる羽目に。
冒頭からシヅカを容赦なくコスプレさせて囮に使う、いつもの理不尽な導入が笑える。怪異のルールを丁寧に解説してくれるので、ホラーというより“怪異バラエティ”として安心して楽しめるのが、この作品の心地よさだ。
弱点はポマード、そしてお市の受難
窮地のシヅカを救うべく、付喪神のお市が「うちが足止めする」と髪を固めて飛び出す。ポマードは口裂け女の弱点とされ、匂いを嗅がせるどころか、髪を整えて見せるだけで逃げ出すという。
見事な作戦だったが、報われないのがお市の宿命。弱点を突いて役目を終えたお市は、あろうことかゴミ捨て場に打ち捨てられてしまう。第3話に続き、今回もその扱いは容赦がない。
満を持して弱点で応戦した途端に用済みでポイ、というお市の不憫さに、思わず同情してしまう。これでまた怨念が溜まるのでは…と心配になるが、そのやられ役っぷりも含めて憎めないのが、お市の魅力だと思う。
保健室の、除霊
布団の中の、全裸の先生
追走劇の果て、口裂け女が誘い込まれたのは放課後の無人の保健室。「わざわざ保健室まで誘導したのは」というシヅカの問いに、カムイは「ピロートークはベッドの上でないとな」としれっと答える。
保健室のベッドの布団をめくると、そこには手ぐすねを引いて待つ、一糸まとわぬ姿のカムイが。相変わらずの奇行に場は騒然。だがこれも、怪異のコンプレックスを受け入れ解きほぐすという、彼なりの“除霊”の準備なのだ。
布団をめくったら全裸の先生、という字面だけで最高にバカバカしくて笑ってしまう。杉田智和さんの真面目な熱演が、この変態的な所業に妙な説得力を与えているのがずるい。
コンプレックスを、解きほぐす
口裂け女が抱える、自らの姿へのコンプレックス。カムイはそれを否定するどころか丸ごと受け入れ、その大きな口を「とても魅力的だ」と讃えてみせる。
怪異を恐怖の対象としてではなく、一人の存在として肯定する。奇天烈な方法の裏に一貫したこの理屈があるからこそ、彼の除霊は成立する。口裂け女もまた、静かに浄化されていった。
下ネタと紙一重の除霊法だが、根っこにあるのが「コンプレックスの肯定」という優しさなのが、この作品の一筋縄ではいかないところ。ベテラン声優陣が演じる怪異たちの哀愁も相まって、笑いの奥にほろりとさせられる。
ろくろ首と、隠しごと
街に出た二人と、ろくろ首
後半、シヅカは親友のキョーコと街へ繰り出す。だがカムイのもとには、二人で撮った写真から妙な気配が。狙っていたのは、新たな怪異「ろくろ首」だった。
このろくろ首、正体は画像加工アプリで勝手に姿を歪められた者たちの怨念。それが「ろくろ首」というミームを利用して具現化し、撮影者を狙うという、いかにも現代的な化け物だ。そしてその標的こそ、シヅカとキョーコだった。
古典的な口裂け女と、SNS時代のミームから生まれるろくろ首。新旧の怪異を一話に詰め込み、しかも今どきの成り立ちを与える語り口が達者で、怪異考証の遊び心にニヤリとさせられる。
除霊は、見せられない
危機に駆けつけたカムイだが、問題は除霊の“やり方”。カムイに強い憧れを抱くキョーコの前で、あの奇天烈な除霊を見せるわけにはいかない。
シヅカは必死にキョーコの目を塞ぎ、カムイの助手であることも、その常軌を逸した除霊の実態も、なんとか隠し通そうと奮闘する。はたして親友に、秘密は守り切れるのか。
憧れの霊能力者の正体が“あんな人”だと知ったら、キョーコはどう思うのか。ハラハラしつつ、そのギャップを想像するだけで可笑しい。シヅカのツッコミ役としての苦労が、回を追うごとに増していくのも見どころだ。
「怪異×煩悩」まとめと考察
今週も冴える、二枚看板
第4話も、丁寧な怪異考証と振り切った下ネタギャグという二枚看板が絶好調だった。口裂け女もろくろ首も、その成り立ちをきちんと語ったうえで、カムイの煩悩全開の除霊でオトす。この緩急がとにかく心地よい。
杉田智和さん演じるカムイの飄々とした変態ぶりに、大ベテランが揃う怪異役の演技が加わり、一話の情報量と満足度は相当なもの。安心して笑える“怪異バラエティ”として、今期屈指の安定感だ。
お市の明日は、どっちだ
一方で気がかりなのは、やはりお市の処遇。毎回体を張っては雑に扱われる彼女に、そろそろ報いがあってほしいと願うファンの声も多い。
そして、少しずつカムイの世界に足を踏み入れていくキョーコとの関係も気になるところ。日常と怪異のあわいで、シヅカの“普通の学生生活”はますます遠ざかっていきそうだ。次回も楽しみに待ちたい。




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