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ケリドウェンの型破りな特訓で、ウィルが自らの“原点”と向き合う第21話「めくられる頁(ページ)」。魔女の魔法に導かれ、彼は幼き日のエルファリアと過ごした記憶の中へ潜っていく。そこで蘇るのは、魔剣が生まれた本当の瞬間だった。ウィルの始まりに触れる、静かで大切な一話を振り返る。




魔女の、型破りな特訓
背中の傷跡が、語るもの
「なんで僕、裸になってるんですかー!」——ケリドウェンの特訓は、いきなりの珍事から始まる。変態魔女かと疑うユリウスをよそに、ケリドウェンがあらためたのはウィルの背中の傷跡だった。
「この傷は、いつ、なぜ負ったの?」「エルフィーをかばった、小さい頃に…」。無茶を繰り返して塔を目指してきたウィルの身体に刻まれた痕が、彼の“原点”への入り口となる。
ウィル、“貯蔵”という才能
ケリドウェンは、ユリウスの「定着」という着眼点を高く評価する。実はウィルは、魔力を溜め込むこと自体はとうにクリアしていた。彼の体は特殊で、魔力を外に吐き出せない代わりに、内へ内へと貪欲に貯蔵するのだ。
課題は、その貯蔵した魔力を自ら引き出すこと——つまり、一人で装填できるようになること。他者の魔法に頼らない次のステージへ、ウィルの挑戦が始まる。
記憶を遡る、装填の応用
血と記憶に紐づく、思いの力
新たな装填の鍵は、「血と記憶に紐づいた魔法の物語を思い起こすこと」。他者に依存しない、いわば“思いの力”による装填だ。
「あなたの体には、交わり続けた杖と剣の軌跡が埋まっている。それを遡りなさい、原点まで」——ケリドウェンは剣を管轄するフィンとは別のアプローチで、ウィルを導こうとする。
原点へと導く、魔女の鍵
ケリドウェンは鍵に魔力を流し込み、ウィルを過去の記憶の中へと潜らせる。「思い出して、あなたの原点を。そして体に刻み込みなさい」。
夢の中で追憶を辿るウィル。ユリウスが「本当に力を習得できるのか」と気を揉む傍らで、ウィルは10年前の、かけがえのない日々へと還っていく。
追憶――幼き日の、エルファリア
守られていた、泣き虫の僕
記憶の中のエルフィーは、今よりずっとわがままで——そして誰よりウィルを守ってくれていた。「私がウィルを守ってあげる!」。怖がりで泣き虫だった幼いウィルを、彼女はいつも引っ張ってくれた。
かつてはエルフィーに守られる自分が、ウィルは何より嫌いだった。その悔しさこそが、彼を努力へと駆り立ててきた原動力だったと、追憶の中で見えてくる。
氷飴と、デムナの冒険
エルフィーが創り出した二つ目の秘宝は、氷飴(こおりあめ)を生むだけの優しい魔法。孤児院のみんなに自分の食事を分けてしまうウィルのために、「ウィルの中が私でいっぱいになるように」と、彼女はたくさんの氷飴を贈っていた。
字の読めないウィルに、エルフィーが読み聞かせた本『デムナの冒険』。勇者が剣を抜くと灰色の空が割れ、この世で最も美しいアカネ(夕日)が現れる——その挿絵がどこかフィンに似ていたことが、さりげない伏線として置かれる。
剣の、始まり
森で出会った、怪物
追憶はやがて、10年前の“あの日”へと至る。孤児院の裏の森で、二人は怪物に出くわす。それは戦火から逃れた魔物ではなく、メイジが生み出した魔法反射のクリーチャーだった。
エルフィーをかばい、ウィルは気を失う。曖昧だったその先の記憶——「この後、誰がエルフィーを助けたのか」に、ついに手が届く。
魔剣が生まれた、その瞬間
気を失ったウィルの前で、続きは起きていた。エルフィーの魔法が、ウィル自身を——いや、一振りの魔剣を生み出したのだ。「装填完了。ティアリスリース!」——これこそが、剣の始まりだった。
「これだ。僕の始まり、大切な思い。エルフィーとのこの絆をずっと」——ウィルの力の源が、二人の絆そのものだったと明かされる、胸を打つクライマックスだ。
まとめ――めくられる頁
掴んだ、自分の源
6日間の眠りから目覚めたウィル。ケリドウェンの「宿す源は掴めた?」の問いに、「掴めました」と迷いなく答える。ページをめくるように、彼は自分の物語の始まりを取り戻した。
只者ではない魔女ケリドウェンと、そばで見守るユリウス。ウィルの原点を丁寧に描いた第21話は、シリーズの根っこに触れる、静かで大切な一話となった。
想い、花開き、轟くへ
自分の源を掴んだウィルは、いよいよセカンドブルームの会場へ向かう。「新たな物語を紡ぎに行きなさい」——ケリドウェンの言葉が、彼の背中を押す。
次回・第22話のタイトルは「想い、花開き、轟く」。取り戻した想いを胸に、ウィルの本当の“花開き”が、いよいよ描かれる。




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