この記事の作品:
謝って、落ち込んで、もう何もかもダメになったと思っていた——それでも日々は終わっていなかった第6話。あられが前を向き直し、峰月律がついに夢限大みゅーたいぷへ加入する。炎上を越える「ライブ」構想が動き出す一方、あられは憧れの漫画家矢子先生と出会う。そして静かにズレ始める歯車——ビオラの新たな標的は、キーボードの都子先生だった。中盤戦の要となる回を振り返る。




謝罪のあとに残ったもの、それでも続く日々
停学も退学もなし、それでも晴れない後味
第6話は、前回の一件の後始末から始まる。よそのグループのイベント中に律(りっちゃん)を連れ出してしまったあられは、マネージャーから「よそ様のイベントでメンバーを連れ去るなんて前代未聞」と叱られる。もっとも、事実確認の結果、停学も退学もないと告げられ、最悪の事態は避けられた。
そもそも問題の発端は、未成年であるあられの顔をネットにさらしたビオラ側にある。「そっちのほうが犯罪だよね、訴えられるんじゃない?」と気遣うゆのに、あられは首を振るばかり。謝って、落ち込んで、もう何もかもダメになったと思っていた——それでも、日々は終わっていなかった。
「前だけを見る」——律に支えられて
立ち直りの背中を押したのは、律(りっちゃん)自身だった。「あられちゃんが連れ出してくれたのに、後戻りする気なんかない」。その言葉に、あられも「私は前だけを見る」と静かに顔を上げる。
「叱られて、人生がもう終わったと思ったのに、終わらなかった」——引きこもっていた自分を外へ連れ出してくれた世界を、あられはもう手放したくない。ゆのの「元気が一番」という一言にも救われながら、歩みを止めない主人公の姿が、この回の芯を通している。
峰月律、夢限大みゅーたいぷへ——炎上を越える「ライブ」
「引き抜き」に見せかけたリスクヘッジと、律の覚悟
大きな動きが、律の加入だ。峰月律が正式に夢限大みゅーたいぷへ——担当は宮永ののかと同じギター。相手グループが非を認めて詫びを入れたことで実現した。マネージャーは、これを「こちらが引き抜いたように見せかける」形で発表しようとする。契約違反や不仲の噂を先回りするリスクヘッジだ。
迎えられた律は深く頭を下げ、「助けていただいたご恩を、どんなことがあってもお返しする覚悟です」と誓う。実は律とユノは旧知の仲で、本当にダメになったときユノが律にお肉を分けた縁があった。ぎこちなくも温かい再会が、新体制の船出を支えている。
あられが提案する「ライブ」、慎重なマネージャーとユノ
律の加入をどう発表すれば炎上を避けられるか。その答えとして律とあられが挙げたのが「ライブ」だった。「輝いているところを見せれば、加入の意味も二人の仲の良さも、憶測でひどいことを言う人たちに伝わる」。あられは「ピンチはチャンス、思い切って頑張れば絶対変わる」と前のめりだ。
一方でマネージャーは「今じゃないでしょ、火に油よ」と慎重。情報の出し入れは重要で、今回の件は律だけでなくメンバー全員の将来に関わる、と諭す。ユノも「早すぎる」と反対に回る。前へ進みたい気持ちと立ち止まる理由がせめぎ合ったまま、答えは次回へ持ち越される。
あられと、憧れの漫画家・矢子先生
炎上を、大好きな音楽に持ち込みたくない
加入騒動の裏で、あられはもう一つの悩みを抱えていた。自分の炎上のせいで、大好きな音楽に「変な雑音」を持ち込みたくない——次の曲、弱いサムネ、どうすれば炎上は消えるのか。心の声がだだ漏れになるほど、思い詰めていた。
そんなあられが憧れるのが、漫画家の矢子先生だ。「サムネを矢子先生に描いてもらえたらいいな」とこぼすほど、その作品世界に惹かれている。落ち込む人にかける気の利いた言葉が見つからない自分を悔やみながらも、あられは前へ進むために動き出す。
矢子先生との出会いと、その下積み
あられは、コミックス発売に先駆けて設けられた矢子先生の特設コーナーを訪ね、ついに本人と対面する。「一番最初に投稿された絵に一目惚れして、どんな人が描いたんだろうと探してたどり着いた」——ネット越しに憧れていた相手との、初めての会話だった。
矢子先生は、祖母が開いていた絵の教室で絵の具を好きに使わせてもらった幼い日や、試行錯誤の末に賞をもらえたときの喜びを語る。バンド練習の合間にも毎週作品を届ける創作者の努力に、あられは静かに励まされる。「先生とお話できて嬉しかった」——その出会いが、迷えるあられの背中をそっと押した。
静かにズレ始める歯車——ビオラの誘惑
都子先生に伸びる、ねっとりとした手
そして、遠くでひとつの歯車が静かにズレ始める。ヴィランのビオラが次の標的に選んだのは、キーボードの都子先生だった。話題性とコンテンツ論を振りかざす彼女が、今度は都子先生へねっとりと絡んでいく。
「クレマチスを引き抜かれて、あちらの皆は不安よな。ビオラ、動きます」——動揺につけ込み、内側から関係を揺さぶろうとする離間の計。百合っぽく見えてもおかしくない距離感が、ビオラが相手だとホラー映画のように見えてしまう。慎重なマネージャーやユノとは対照的に、都子先生は少しずつ前のめりになっていく。
「私のものになってくれたら」——キラキラを喰らう者
ビオラの誘惑は、都子先生も憧れる矢子先生の作品世界を巧みに利用する。「持たざる者は輝きを憎み、それでも目が離せない」——その痛みに寄り添うふりをしながら、「キラキラして綺麗だから」「私のものになってくれたら」と、輝きを喰らうように都子先生を絡め取っていく。
律の加入で一波乱、その裏でビオラが都子先生を狙う二段構え。中盤に入ってもまったく話が落ち着かない緊張感こそ、この作品の持ち味だ。物語がビオラ中心に回り始めたという声も上がるほど、その存在感は増している。気をしっかり持て、都子先生——そんな祈りを残して、物語は次回へと続く。




関連作品:






















コメント