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調理実習のお弁当を屋上で分け合う前半は、これ以上ないくらい平和。ところが放課後のダンジョンデートは迷子経由でカテゴリー3の巨大イーター戦になだれ込み、ミーティアの拳と流星の上級死魔法による勇者と魔王の共闘が実現してしまう。学校には前世の世界の魔物トマスまで襲来し、ラストには「やっと、やっと繋がった。私の魔王様」とつぶやく謎の美少女。公式サブタイトル「ミッドナイトラン」の第3話は、ラブコメとバトルと新章の気配が全部盛りの回だったんだ。




調理実習と屋上ランチ、平和すぎる前半戦
野菜嫌いの完璧勇者、調理実習で意外な腕前
「私の名前は花織ミーティア。元異世界の勇者だ」という名乗りから始まる第3話。現代の最強無敵モテモテ美少女勇者(自称)にも弱点はある。それが野菜嫌いだ。調理実習の朝、クラスメイトから「野菜嫌いってティラノサウルスかよ」といじられ、「リスよ。木の実しか食べないコリスよ」と謎の主張で応戦するミーティア。「その性格絶対リスじゃないから」「野菜に謝れコリスちゃん」と、冒頭からツッコミが止まらない。
さらに「そもそもあんたWi-Fiないと何もできないでしょ」「パケット切れたからって学校休むのあんたくらいよ」と現代っ子な弱点も暴露される。「ひどい!現代人全員の弱点よ!」という反論が、もう完璧勇者ではない。ここで挟まる図鑑風のトマス紹介(いたずら好きの魔物・空を飛び集団で襲ってくる・戦うと汁まみれ)が、後半への完璧な前フリになっているのも見事だ。
調理実習本番では一転、「ほら意外に上手ね」と株を上げるミーティア。「これでも自炊やキャンプは好きなのよ。ちゃんと包丁も使えるわよ」。班のわちゃわちゃ(「食べるのだけは自信がある」「祭りか!」)も含めて、教室の空気の良さが伝わってくる。
ネットでも「クラスメイトのやり取りがいっちゃん好き」という声があったけれど、分かる。ポンコツと有能を行ったり来たりするミーティアの振れ幅こそ、この作品の心地よさなんだよね。
「聖なる弁当は魔王を確実に殺すわ」屋上ランチ
一方の流星は、前回のオズの一件が頭から離れない。「魔女たちと地球外生命体か。何もかも回りくどいな」「何より彼女たちの魔法が気になるな。呪文の詠唱と魔法の杖、古代語魔法と酷似してるな」。考え事の最中に、ミーティアが弁当を届けに来る。「フフフ。聖なる弁当は魔王を確実に殺すわ」「真顔で怖いこと言うな」。
屋上での昼食は、この二人には珍しくずっと穏やかだ。「うん、美味しいな」「この卵焼き、好みの味付けだ」と素直に褒める流星に、「この世界の食べ物美味しいわよね」「死ぬまでに全部食べきれるかしら」と目を輝かせるミーティア。嫌いな食べ物の話からはピーマス図鑑(植物に擬態する魔物・外皮の中の内臓部分に本当の顔がある・邪悪なる緑)へ脱線し、魔王の主食は瘴気、勇者の主食は「まずくて固いパン」だったという前世の食糧事情まで飛び出す。
「平和な空の下で美味しいものを食べる日が来るなんて、まるで夢みたいだわ」「昨日、化け物出たけどな」「あれは魔女たちに任せるわ」「他力本願」。教室に戻れば「何を一番褒めてた?」「秘密」と、卵焼きの件だけ独り占めするミーティアである。
元勇者と元魔王が主食の格差で盛り上がる昼休み、最高に平和で最高に面白い。「秘密」のひと言に、この子の気持ちが全部詰まってるんだよね。
ダンジョンデート、中身はほぼ迷子
中断された地下鉄工事現場へ、そして即迷子
「流星。良い情報を手に入れたわ」と放課後のミーティアは上機嫌。「ミーティアが上機嫌だ。嫌な予感がする。危険のサインだ」という流星の予感は当たる。行き先は駅近くの地下街と、何かがあって中断されたままの地下鉄工事現場。「まるでダンジョンよねー」というわけで、イーターが潜んでいる可能性を探る放課後探索が始まる。
だが携帯は圏外、帰り道は分からず、「もしかしたら私たち迷子?」「もしかしなくても迷子だな」。「やば、タヌキ出たらどうしよう」「タヌキは許してやれよ」「さっきまでの威勢の良さはどうした?」。挙げ句「疲れちゃった、おんぶして」と言い出し、気が緩みすぎて落書きみたいな作画になる始末。「女の子はね、見られて綺麗になるの」「寝言は寝て言え」。
それでも「普通のダンジョンなら5、6人で組むわ。下手すると数日戻れないこともあるしね」と元冒険者の顔をのぞかせたり、仲間集めの人選で互いに「誰?」となる謎の候補を挙げ合ったり、雑談のテンポは終始軽快だ。
へちょ絵と書き文字の畳みかけはネットでも大好評。シリアス一歩手前で必ず力が抜けるこの塩梅、癖になるんだ。
「勇者ミーティアは世界で一番かっこいい」不意打ちの言葉
「男女が放課後に二人でフラフラ…まるでデートね。これってダンジョンデートね!」と一人で盛り上がり、吊り橋効果まで期待して、すぐ「うわ…飽きてきちゃった…」となるミーティア。「何がしたかったんだお前は?」。
しかしその直後、ぽろりと本音がこぼれる。「勇者として魔物と戦うべきなのか? 高校生として平和を満喫するべきなのか?」「私が何者なのか? 勇者って何だったのか? 分かるわけないじゃない」。茶化すように「思春期ってやつだな」と受けた流星が、続けて口にしたのはこうだ。「知ってるよ。お前はいつだって強くて綺麗だった。勇者ミーティアは世界で一番かっこいいって、俺だけは知っているよ」。
宿敵からの不意打ちに「知らない!知らない!知らない!」と真っ赤になってオーバーヒートするミーティア。第2話の「お前はすごい勇者だったよ。胸を張れ」に続いて、この魔王は無自覚に口説くのが上手すぎる。
ネットの「無自覚男前ムーブが…罪な奴よ」という評がすべてだね。褒められた瞬間のへちょ顔と赤面の落差、何回でも見られるよ。
カテゴリー3のイーター、勇者と魔王の共闘
「ぶん殴って大口を開かせてくれ」デススティンガー
そこへ「目的の奴が出たぞ」。現れたのは巨大なイーターだ。オズの司令室でも「未確認生物の反応を検知」「カテゴリー3。強力なモンスターです」と警報が走り、「どうするドロシー」と問われた魔女が「まずいわね。カテゴリー3だとマナとミントだけじゃ厳しい。せめて5人」と顔をしかめる。第3話にはゲストとして上原蓮(CV神谷浩史)と城ヶ崎ドロシー(CV斎藤千和)の登場が公式発表されており、この司令室の「ドロシー」がその一人だ。
そこへ届く報告が「待ってください。何者かが交戦中。カテゴリー3と互角…いえ、それ以上」。当の現場では、流星が「奴を思いっきりぶん殴って、大口を開かせてくれ」と注文し、「了解」とミーティアの拳が炸裂。開いた大口へ流星が放った死魔法が、分厚いゴムみたいな表皮を内側から貫いた。
「デススティンガー。確か上級死魔法だったはず。この殺傷能力、魔王時代と寸分変わらないじゃない」とミーティアも目を見張る、これが魔王の力。そして、どこかで「やはり魔王の力。魔王は人類の脅威」とつぶやく不穏な声も拾われている。
拳で突破口を開けて中から魔法で仕留める連携は、公式あらすじの言う通りまさに最強の共闘。コメディからのギアの入り方が本当に気持ちいいんだ。
翌日の塩対応、「昨日のあれは何だったのよ」
戦いのあと、流星がこぼした「やっぱり勇者はかっこいいな」。ところが当のミーティアの内心は「やだ。せっかく魔王がクソ雑魚化したチャンスだったのに。勇者の余裕と器のでかいとこ見せつけたかったのに」。「この勇者めんどくせえ」「うるさい」。この噛み合わなさが二人らしい。
翌日は翌日で、「目覚めたのよ。私の中の勇者の心が」と朝からハイテンション。ところがレポートを届けて「何か私に言うことは?」「何もないけど」の塩対応を食らい、「何あの態度? 昨日のあれは何だったのよ」「まさか私を騙して世界征服を?」と一人で百面相することになる。
褒められたいのに、褒められると爆発する。この面倒くささが愛おしい。ネットの「覆い隠せてない恋心」という表現がぴったりだね。
「ミッドナイトラン」まとめと考察
学校にトマス襲来、「気になることは全部やれよ」
平和は続かず、今度は学校に「トマトの化け物」が出現する。ミーティアは一目で見抜いた。「トマトの魔物トマスだわ。私の世界の魔物。なぜ?」。イーターは別の星の生物のはずで、トマスはミーティアの前世の世界の魔物。出どころの違う異物が続けて現れていることになる。幸い「トマスは最弱なもの。殺傷能力はないし」ということで、多岐川に聖剣まで手渡され、みんなでトマトと戦う騒ぎに。茉莉花はトマスの汁まみれの餌食になった。
騒ぎの合間に、ミーティアは昨日から引っかかっていたことを流星にぶつける。「流星は、私が勇者をやった方がいいと思う?」。答えは「確かにお前の戦う姿はかっこよかったよ。でもそうじゃなくて。お前の戦う姿も、友達と笑い合う姿も、楽しそうに飯食う姿も全部」、そして「いいから全部やれ。悩むことないだろう。気になることは全部やれよ」「知らなかったか? 魔王はわがままなんだ」。勇者か高校生かで揺れていた悩みを、二択ごと吹き飛ばす回答だ。
さらに戦いのあと、流星は小さく打ち明ける。「魔王の存在が勇者を生んだって言ってたな。俺の都合でお前の人生を奪ってしまったかもしれない。本当にすまないと思っている。でも、俺はお前が勇者でよかったと思ってるよ」。届いていないつもりの独白は、地獄耳の勇者にしっかり聞かれていた。ちなみに「内緒にしていたけど私勇者なんだ」と明かしても、「調子にのんな。お前が勇者ならわしは聖女じゃ」と本気にされないオチつきである。
「全部やれ」は、この作品のテーマ宣言みたいな台詞だと思う。魔王のわがまま理論で背中を押すのが、宿敵ならではで良いんだよね。
考察: 帰還勇者リターナーと、ミーティアに瓜二つの少女
最後に物語は大きく動く。オズ側から勇者へ共有されたのは、「正体不明の魔物の発生の件なら、我々の調査では別世界への扉を開けている奴がいる」という情報。その名は「帰還勇者、リターナーだ」。「マジかよ」。
そしてラストカット、「やっと、やっと繋がった。私の魔王様」とつぶやく謎の美少女。ネットの反応によれば、その姿はミーティアと瓜二つだという。魔王への執着、別世界への扉、イーターとトマスという出どころの違う魔物たち。ここまで散らばっていた謎が、一気に一本の線で結ばれ始めた。
屋上ランチのラブコメ、へちょ絵ギャグ、カテゴリー3戦のバトル、そして新章の引きまで、公式サブタイトル「ミッドナイトラン」の一本に全部入り。「原作1巻分がアニメ3話」という心地よいテンポの指摘や、「詰め込み具合が絶妙」「今季かなり上位」という声にも頷ける。リターナーの正体と目的、そして「魔王は人類の脅威」とつぶやいた声の主。次回も見逃せない。




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