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現代日本の少女・鈴木夕梨は、ひむろとの初々しい恋に浮かれる日々を送っていた。ところが入浴中、水の中から伸びた謎の手に引きずり込まれ、溺れかける。翌日のデート中、今度は噴水から――。水面から顔を上げた先に広がっていたのは、言葉も通じない見知らぬ古代の街だった。ヒッタイト帝国の皇子カイル・ムルシリに匿われ、皇妃ナキアの「神事」という名の処刑台へ立たされるまでを描いた第1話「別れと出会いのキス」を、ネットの反応とあわせて振り返っていく。




別れと出会いのキス――水に引きずり込まれた日
ひむろとの浮かれた日々、そして浴室に伸びた手
物語は現代日本、鈴木夕梨の何気ない日常から幕を開ける。自宅で語られるのは、ひむろとの甘酸っぱいのろけ話。恋する少女そのものの、浮かれた時間だ。
ところが入浴中、その平穏は唐突に断ち切られる。湯の中から突然、謎の手が伸びて彼女を引きずり込むんだ。必死にもがき、溺れかけながらどうにか逃れるものの、何が起きたのかはまるで分からない。
そして翌日、ひむろとのデートの最中。噴水のほとりで、あの手がふたたび夕梨を掴む。今度は、逃れることができなかった。
水からあがると、そこは見たことのない景色
水面から顔を出した夕梨が見たのは、見慣れた日本の風景ではなかった。乾いた空気、土の匂い、そして異国の建造物。混乱したまま街へ飛び出すものの、行き交う人々の言葉はまるで理解できない。
叫んでも、すがっても、誰にも届かない。ただひたすら見知らぬ街を駆け抜ける夕梨に、やがて住民たちが気づき、騒ぎは大きくなっていく。異世界ものにありがちな「歓待」など、ここには一切ないんだ。
この容赦のなさこそが、本作の第一の魅力と言っていい。
言葉も通じぬ街を駆け、カイルに匿われる
追われる夕梨、騒然となる街
何が起きたのかも分からないまま、言葉の通じない街を必死に逃げ回る夕梨。その姿を追っていると、こちらまで息が上がってきます。
ネットの反応にも「捕まえた? この娘だ? 今度こそ逃がさぬ?」と、断片的な台詞を追いかけるだけで精一杯だったという声が並んでいました。実際、丁寧な説明はほとんど与えられません。
分からないまま追われ、分からないまま捕まりかける。視聴者を夕梨と同じ混乱の中に放り込んでくる作りが、実にうまいんですよね。
「めっちゃ出崎演出かましてくる」という感想も見かけましたが、この畳みかけるような緊迫感は確かに独特でした。
そして騒ぎが大きくなったところで、彼女に手を差し伸べる人物が現れます。
キスで通じた言葉――カイル・ムルシリとの出会い
夕梨を人目から匿ったのは、ヒッタイト帝国の皇子カイル・ムルシリでした。そして彼が取った行動が、いきなりのキス。驚く間もなく――なんと、それを境に現地の言葉が理解できるようになるのです。
第1話のサブタイトル「別れと出会いのキス」は、まさにこの場面に掛かっているわけですね。ネットでも「キス画が神ってる」と、ここの作画を絶賛する声が上がっていました。
とはいえ、言葉が通じたところで夕梨の恐怖が消えるわけではありません。彼女は隙を見てふたたび逃走。しかし今度こそ捕らえられ、拘束されてしまいます。
帰りたい、ただそれだけを願う少女が、まったく望まない場所へ引きずり出されていく――この救いのなさが、逆に物語を強く引き締めています。
ナキアの神事、振り下ろされる斧
血を欲する皇妃ナキア
拘束された夕梨の前に現れたのが、皇妃ナキア。彼女こそが、水を通じて夕梨をこの世界へ呼び寄せた張本人なんだよね。そして求めているのは、夕梨の血だ。
ナキアはそれを「神事」と称する。つまり、体裁だけを整えた処刑だ。ネットでも「皇妃が自分の息子に皇位を継がせたいために夕梨を生贄にする?」と、その企みを読み取る声が上がっていた。
現代の女子高生が、理由も分からないまま生贄にされようとしている。冷静に考えれば、これほど理不尽な話もない。ただ怖い、ただ帰りたい――夕梨の叫びが痛いほど刺さってくるんだよな。
斧を弾いた一杯の杯、そしてカイルの腕の中へ
そして訪れる、第1話最大の山場。夕梨の首めがけて、斧が振り下ろされる。もう駄目だ――誰もがそう思った瞬間、飛んできた一つの杯が、その刃を弾き飛ばすんだ。
投げたのは、カイル・ムルシリ。刃を止めたのが剣でも魔法でもなく、たかが一杯の杯だったというのが最高に痺れる。そのまま彼は夕梨をかばい、ナキアの前から連れ去っていく。
「王子にキスされ処刑を免れる」というネットの要約が言い得て妙で、たった1話でここまで詰め込んでくるのかと驚かされた。原作を知る人からは「あの子が黒王号に乗るまでを楽しみにしている」という声もあって、これがまだ入り口に過ぎないというのだから恐ろしい。
ツタンカーメンの時代――紀元前14世紀への到達
自分より若いツタンカーメンが、エジプトにいる
連れ去られた先でのカイルとの会話から、夕梨はようやく自分が「いつ」に来てしまったのかを知ることになる。手がかりになったのは、ツタンカーメンの名前だった。
しかも、その王は自分より年下だという。教科書の中の人物が、今まさにエジプトで生きている――紀元前14世紀。夕梨に突きつけられた事実は、あまりに途方もない。
帰る手段どころか、帰るべき時代までが遥か彼方。ここで初めて、彼女が置かれた状況の絶望的な広さが浮かび上がってくる。この一点をラストに置く構成が、実に見事だった。
鈴木夕梨が「ユーリ」として生きていく物語は、ここから始まるんだ。
第1話の評判と、これからへの期待
ネットの反応は、おおむね好意的。「異世界って無理やり連れてこられて帰りたいところだよね。それでも偶然か必然かの出会いで生き延びていく」「夕梨からユーリへと変わっていく彼女を追っていきたい」と、主人公への共感を語る声が目立った。
「原作読んでたからめっちゃ懐かしい」「今ではよくある異世界ものだけど、それとはまた違っていい」という原作ファンからの歓迎も多い。一方で「急に古めかしくなったりと緩急が激しい」と戸惑う声もあって、独特の演出は好みが分かれそうだ。
紀元前14世紀のヒッタイト帝国を舞台に、時を超えて運命を切り開いていく少女の物語。命を狙うナキア、そして命を救ったカイル――夕梨を取り巻く関係がこれからどう転がっていくのか。第1話を見終えた今、続きが気になって仕方がない。




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