この記事の作品:
鬼龍院邸に迎えられた柚子。使用人総出の大歓迎、護衛として贈られた子鬼のソウとアオ、蘇った誕生日のワンピース、そして祖父母との養子縁組の提案。甘やかしの裏で「ドロドロに甘やかして、俺なしではいられなくさせる」と呟く玲夜の危うさも覗く、第2話を振り返る。




「俺の花嫁だ」鬼龍院邸は大騒ぎ
使用人たちの世話係争奪戦
連れて来られたのは、想像をはるかに超える大邸宅。「ここって…」「俺の家だ」。玲夜が「俺の花嫁だ。俺だと思って丁重にもてなせ」と告げた瞬間、屋敷は大騒ぎになる。「花嫁様!」「大旦那様にもお伝えしなければ」「花嫁様のお世話は私が!」「私よ!」。後に柚子の着替えを手伝う使用人が「争奪戦に勝った甲斐があります」と漏らすほどの熱狂ぶりだ。ちなみにこの屋敷の使用人は皆、鬼のあやかし。鬼にはいくつかの家系があり、鬼龍院はそれらを取りまとめる本家筋なのだという。
柚子を部屋へ運ぶのは、玲夜のお姫様抱っこ。「黙って抱かれていろ」「自分の花嫁を見つけて、これでも浮かれているんだ」。初対面の夜からこの糖度である。
破れたワンピースを「預かってもいいか」
玲夜は柚子に静かに尋ねる。「話してくれないか。どうしてあんなひどい火傷を負っていたのか。全ての苦しみからお前を守りたい」。柚子は、妹が妖狐の花嫁に選ばれてから家の全てが花梨中心になったことを打ち明けた。「どうして、あの家に生まれちゃったのかな。ずっと寂しかった」。
そして玲夜は、花梨に破られたあのワンピースに目を留める。「このワンピース、預かってもいいか」「大丈夫だ。悪いようにはしない」。この預かりの意味は、翌朝明かされることになる。「おやすみ、俺の柚子」と送り出された柚子は、「私を選ぶあやかしがいるなんて。信じていいのかな。信じたい。あの赤い瞳に嘘はないって」と揺れながら眠りにつく。
「運命の花嫁」の重みと、白紙になった婚約
政略結婚が使命だと思っていた
回想で、玲夜側の事情も描かれる。パーティーが嫌いな玲夜。「浅ましくすり寄ってくる人間どもの目には、俺の権力しか映っていない」。婚約者・桜子の兄である桜河が語るには、花嫁は選べるものではなく、運命の花嫁と出会った瞬間、霊力が吸い寄せられる感覚や激しい動悸で「分かる」のだという。出会えれば心を囚われたように愛おしく感じ、その愛を生涯花嫁一人に捧げる。花嫁との子は生まれながらに強い霊力を持ち、一族は繁栄する。だが、それは奇跡的に出会えればの話で、ほとんどのあやかしは諦めて霊力の釣り合う相手を伴侶に選ぶ。
玲夜も、筆頭分家・鬼山家の令嬢で霊力の高い桜子と婚約していた。「政略結婚に嫌悪感はない。それが次期当主である俺の使命。そう思っていた──柚子に会うまでは」。
「柚子をあの腐った家から助け出すか」
秘書の高道がまとめた報告書で、柚子が虐げられてきた実態を把握した玲夜は、即断する。「まずは全ての分家に花嫁が見つかったと通達しよう。鬼山には桜子との婚約を白紙にする旨も伝えてくれ」。そして「どうやって柚子をあの腐った家から助け出すか。高道、柚子の祖父母とすぐ連絡を取れ」。仕事が早すぎる。
子鬼のソウとアオ、そして蘇ったワンピース
「もともとそのつもりで作ったからな」
翌朝、柚子に用意されていた着替えは、祖父がくれたワンピースと同じブランドのもの。そして朝食の席で、柚子は小さな来客に目を奪われる。「その子たちは?」「子鬼だ。気に入ったか。ならこいつらは柚子にやろう。もともとそのつもりで作ったからな」。玲夜のお手製だという護衛の子鬼たちは、柚子を守れるかのテストを経て「合格だ。お前たちはこれから柚子のそばにいろ」と正式採用された。
「18歳おめでとう、柚子」
さらに玲夜は、預かっていたあのワンピースを差し出す。急ぎで仕立て直させたそれは、破られる前の姿を取り戻していた。「大事なものだったのだろう。18歳おめでとう、柚子」。祖父母の想いごと救われた柚子に、玲夜は続ける。「玲夜と呼んでくれ。俺の花嫁にはそう呼ばれたい」「本当にありがとう、玲夜」。呼び名が変わる瞬間まで、丁寧に積み上げてくる。
「ドロドロに甘やかして」危うい独白と、養子縁組の提案
溺愛の裏にあるもの
ただし本作、ただの糖度全振りでは終わらない。玲夜の独白がなかなかに不穏なのだ。「なぜもっと早く見つけてやれなかったのか。家族から必要とされず、傷ついてきた柚子。だからこそ付け入る隙がある」「ドロドロに甘やかして、愛されていると自覚させれば、俺なしではいられなくなる」。SNSでも「ドロドロ発言キモすぎるww」と、愛のあるツッコミが飛んでいた。
祖父母との養子縁組
玲夜の提案は具体的だ。「あの家にいても辛いだけなら、祖父母と養子縁組するのはどうだ」。すでに祖父母には了承済みで、柚子が大怪我をさせられた経緯を知った二人は激怒し、あの親から離せるならと賛成してくれたという。縁組はするが柚子はここで暮らし、金銭的にも不自由はさせない。「お前は俺の花嫁。苦しんでいるのを放っておけるはずがないだろう。今は黙って俺を頼れ。それとも、俺が嫌か」。
それでも柚子は「私は嬉しいけど、すぐには決められません。ごめんなさい」と即答を避けた。何度も期待しては裏切られてきた柚子にとって、信じることはそれほど怖い。玲夜も「分かった。ゆっくりと考えてくれ」と急かさなかった。
川に消えた荷物 「なのに私、どこか期待してた」
花梨からの連絡
そんな中、柚子に「荷物いるでしょ。届けに行くけど」と花梨から連絡が入る。柚子は誰にも告げず屋敷を抜け出して応じてしまうのだが、待っていたのは「一生許さないわよ、私に手を挙げたこと」「お姉ちゃんが家出したって、誰も心配してないから。もう家にお姉ちゃんの居場所はないのよ」という言葉と、川に投げ込まれる柚子の荷物だった。
「そんなこと分かってる。なのに私、どこか期待してた。私なんか、愛してもらえるはずないのに」。この期待と絶望の繰り返しこそが、柚子の傷の深さだ。一方の花梨は「お姉ちゃん、ブランドの可愛い服着てた」と柚子の変化を目ざとくチェックし、瑶太も「あの女、気配が変わったような」と不穏な気付きを口にしている。
「早く家に入ろう。温めないと」
冷え切って屋敷に戻った柚子を、玲夜はそっと抱き寄せる。「どうしたんだ柚子、こんなに冷えて」「早く家に入ろう。温めないと」。その腕の中で柚子が呟く。「暖かい。私、ここにいてもいいのかな」。絶望の直後に差し出される居場所という、この作品の型が完成した回だった。
反響 子鬼人気と賛否
「子鬼の可愛さにノックアウト」
SNSの主役はなんといってもソウとアオ。「子鬼が可愛いから観続けようかね」という声まで飛び出す人気ぶりだ。一方で、恋愛展開の唐突さを「わたしの幸せな結婚」と比較して厳しめに評する声や、保護者への連絡くらいすべきという現実的なツッコミもあり、受け止めは分かれている。原作既読組からは「3話からハードな展開再始動かな」との予告めいた感想も。柚子の心の回復と、花梨・瑶太サイドの不穏な動き。二つの流れがどう交わるか、注視したい。




関連作品:


















コメント