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第2話は、静音が運転する車の中から始まる。タメ口を許可させ、だっこをせがむ雛子に、静音の運転は乱れっぱなし。貴皇学院への初登校、階段の踊り場での二人だけの昼食、天王寺美麗との初対面、そして帰りたがらない雛子を動かした「謎の品物」。夜には水着での入浴と、静音の恐ろしい脅し。最後にとんでもない爆弾が待っている。




貴皇学院への転入と昼休みの秘密
車中のタメ口許可と、乱れる静音の運転
第2話は、静音が運転する車の中から幕を開ける。後部座席には雛子と伊月。ところが雛子は、どうにも機嫌が悪い。伊月がタメ口をきいてくれないのが、気に入らないんだ。
そこで雛子は、わざわざ静音に許可を取りにいく。二人きりのとき、あるいはこの車内の3人だけなら、タメ口でもいいか——お嬢様の交渉が妙に可愛らしい。許可が下りるや否や、雛子は学校に行きたくないと愚痴をこぼし、あろうことか伊月にだっこをせがみ始める。
この光景に、静音の運転がわかりやすく乱れる。クールで有能なメイドの、数少ない動揺ポイントである。そして車を降りたあと、静音は伊月にそっと謎の品物を渡すんだ。お嬢様の聞き分けが悪いときに使うのだという。これが後々、絶大な効果を発揮することになる。
初登校、そして「庶民寄り」の味方たち
二人で登校。初めて目にした校舎の大きさに、伊月はただ圧倒される。「友成伊月です」と皆の前で自己紹介するも、返ってくる反応は驚くほど薄い。ただ、拒絶ではなく、どこか寛容な空気も同時に感じ取れるんだ。金持ちだからこそ、他人に無関心でいられるということなのかもしれない。
授業のレベルは、これまた容赦なく高い。そんな伊月に話しかけてきたのが、クラスメイトの大正克也と旭可憐だった。自分たちも庶民寄りだから、と味方をしてくれる二人。ありがたい——と思ったのも束の間、此花さんとはどういう関係なのか、と詰め寄られてしまう。
伊月は「親同士の交流で案内してもらった」と答え、どうにかその場を切り抜ける。お世話係であることは、当然ながら伏せなければならない。転入初日から、いきなりの綱渡りだ。
階段の踊り場と、天王寺美麗の登場
豪華弁当、食べさせ合い、そして膝枕
昼になると、雛子は人気のない、外の見える階段の踊り場にいた。ここが二人だけの場所だ。豪華な弁当を広げ、二人で食べる。しまいには食べさせ合いまで始まる始末で、学院で見せる完璧なお嬢様の姿はどこにもない。
会話の中でさらりと触れられるのが、前のお世話係がすぐに辞めてしまったという話。この役目がどれほど過酷なのかが、ここで静かに示される。そして雛子は、伊月の膝枕でそのまま昼寝を始めてしまうのだった。
昼休みのあと、静音との通話で判明したのが、大正克也と旭可憐の正体だ。庶民寄りだと言って味方してくれた二人は、なんと大手企業の子息だった。この学院では、それすら「庶民寄り」の範疇に入ってしまうらしい。
天王寺グループを知らない、という失望
続いて静音から、雛子が財布を落としたので回収してほしい、という依頼が入る。困り果てているところに声をかけてきたのが、豪奢な雰囲気をまとった一人の生徒だった。天王寺美麗と名乗る彼女である。
ところが伊月は、天王寺グループを知らない。その反応に、美麗は深く失望する。ならばと此花グループの名を出してみると、そちらは知っているという。これには美麗、激高しそうになる。プライドの高さがそのまま笑いに転化していくのが、この人の良さだよね。
結局、女子トイレに落ちていた財布は、美麗が取ってきてくれることになる。文句を言いながらも面倒を見てくれるあたり、根は悪くない。そして立ち去り際、伊月が彼女の染め髪を指摘すると、美麗は否定しながら足早に消えていくのだった。
池の駄々っ子と、最強の切り札ポテトチップス
帰りたがらない雛子と、謎の品物の正体
放課後、伊月は大正と旭に遊びに誘われるが、これは遠慮する。お世話係としての仕事があるからだ。
帰るために雛子を迎えに行くと、彼女は池の魚に餌をやっていた。そして、まったく帰りたがらない。完全に駄々っ子である。学院で見せる完璧なお嬢様の顔との落差が、ここでも容赦ない。
途方に暮れた伊月が思い出したのが、静音から渡された謎の品物だった。取り出してみると——ポテトチップス。どうやら雛子の大好物らしい。餌でつるようにして、なんとか帰路につかせることに成功する。
ネットでも「ポテチ最強過ぎて草」と話題になっていた。日本随一の財閥令嬢が、ポテトチップス一袋で動く。この身も蓋もなさが、たまらなく良いんだよな。
勉強、マナー、護身術——そして水着の風呂
帰宅した伊月を待っていたのは、静音による特訓だった。勉強、マナーレッスン、そして護身術。庶民の身分を隠したまま貴皇学院に潜り込むには、そのすべてが必要になる。
くたくたになっている伊月のもとへ、今度は雛子がやって来る。風呂に誘われるんだ。一緒に入る、という。とんでもない申し出だが、ここで着用されているのが水着である。
湯船の中で、雛子は伊月に髪を洗うようせがむ。そして、なぜ彼をお世話係に選んだのか、その理由を語り始めるんだ。作品の核心に触れる話が、風呂場で明かされるという構成なんだよね。
なお、この水着は静音の指示によるもの。そして風呂は、最初から最後まで静音の監視下にあった。抜かりがなさすぎる。
静音のED脅しと、2日目に泣きついてきた才女
変な気を起こさないための「薬」
そして風呂のあと、静音が伊月に突きつけたのがある薬だった。変な気を起こさないように、EDを引き起こす薬を飲め、と脅すんだ。
もちろん、その正体はただのビタミン剤である。からかっているようでいて、しかし本気で釘を刺してもいる。冗談と本気の配分が絶妙で、結局この人が一番怖い。
ネットでも「案の定しっかり監視されていた」「メイド様が怖い」と大いにウケていた。歴代のお世話係が次々と辞めていった理由も、なんとなく察せられるというものだ。
とはいえ、静音は伊月を追い出したいわけではない。勉強も護身術も、彼が雛子の隣に立ち続けられるようにするための訓練なんだ。厳しさの中身が、きちんと役割に紐づいている。
こうして、伊月のお世話係一日目は幕を閉じる。すでにへとへとである。
それでも、雛子が素顔でいられる場所を守れるのは、今のところ伊月ただ一人なんだ。
登校2日目、泣きついてきた都島成香
そして登校2日目。伊月がばったり出くわしてしまったのが、都島成香だった。かつて伊月が居候していた、都島家の令嬢である。
顔を知られている相手に、身分を偽った状態で会うのはまずい。伊月はどうにかやり過ごそうとする。
ところが成香は、久しぶりの再会に感極まって、人目もはばからず泣きついてきてしまう。スポーツ万能でありながら極度の恥ずかしがり屋という彼女が、である。伊月の隠し事は、いきなり最大の危機を迎えることになった。
天王寺美麗に続いて、都島成香。第2話は、伊月がこの学院で向き合うことになる「才女」たちを、一気に並べてみせた回でもあった。
完璧なお嬢様の秘密を守りながら、自分の素性も隠し通す。その綱渡りがどこまで持つのか、次回が気になって仕方ない終わり方だった。




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