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アリアンの希望で、アークたちはエルフの使者を装いランドバルト領へ。領主ペトロスとエルフの妻トレアサは種族の壁を越えたおしどり夫婦だが、その裏では妻の命を狙う暗殺未遂が続いていた。恋文の兵士も解毒薬の厨房番もシロで、残る大本命は監禁中の先代領主。そこでアークが「無駄にデカイ置物」に化けて潜入する奇策が炸裂し、さらに名探偵アリアンが毒見役ロベリスの“自作自演”を暴く。刑事ドラマ顔負けの謎解き回だ。




エルフの使者を装い、ランドバルト領へ
種族の壁を越えた領主夫妻と、疑いの目
第2話、アークとアリアンはエルフの里ララトイアからの使者を装ってランドバルト領を訪れる。目的は、エルフの女性と結婚したという領主の真意を確かめること。「エルフが無理やり結婚させられたのなら確認が必要」と警戒するアリアンに対し、迎えた二代目領主ペトロスと妻トレアサは、やましさなど微塵もない仲睦まじさだった。
食事の席でも、美味しそうに食べるトレアサを見て「愛する人のお腹を満たせる、こんな幸福があるだろうか」と惚気るペトロス。かつてエルフを迫害していたのは先代領主(ペトロスの父)であり、ペトロスはそれを改めさせようとして父を退かせ、そのとき助けたトレアサに一目惚れしたのだという。人とエルフという寿命の違いすら「私が歳をとっても彼女は美しいまま」と歓びに変えてしまう二人に、アークたちもひとまず安心する。
「妻の命を守ってほしい」——ペトロスの依頼
辞去しかけたアークたちを、ペトロスが引き止める。「お二人を相当な手練れとお見受けして」告げられたのは、「トレアサの命を守ってほしい」という切実な依頼だった。この数日、トレアサを亡き者にしようとする事件が立て続けに起きているという。一週間前にはベッドに毒蛇、二日後には食事に毒。毒は毒見役のおかげで難を逃れたが、その毒見役自身が倒れて療養中だというのだ。
同じエルフとして見過ごせないと、アリアンは依頼を引き受ける。犯人は寝室にも食事にも罠を仕掛けられる城中の者の可能性が高いが、城の使用人は先代の代からの者ばかりで、父を追い落としたペトロスとトレアサを恨む者は多い。それでも「彼らに罪はない。首を切れば家族が路頭に迷う」と、粛清を選ばないペトロス。「人は簡単には変われない。変わるには長く穏やかな時が必要」というトレアサの言葉に、二人の覚悟がにじむ。
容疑者たちの空振りと、浮かぶ最後の大本命
恋文の兵士、解毒薬の厨房番——シロだった二人
アリアンが夫妻の警護に、アークが不審人物の洗い出しに回る。まず城内を探る動きを見せた寝室の警備兵を捕らえ、証拠のメモを突きつけるアーク。だが記されていたのは「つぶらな瞳 薄紅色の肌 あなたはまるで小豚のよう」という恋文で、兵士は夫妻の結婚に触発され好きな子へ告白しようとしていただけだった。
続いて、思い詰めた顔で薬屋へ通う厨房の男を追う。毒草を摘む姿に「動かぬ証拠」と拘束しかけるが、男の目的は解毒薬づくり。「トレアサ様がまた毒を盛られても、素早く解毒できるように」という忠義の行動だった。怪しい者はあらかた探ったが、ことごとく空振りに終わる。
ポンタが見つけたオウムと、監禁中の先代領主
その帰り道、ポンタが妙な鳥——鼻歌を歌うオウムを見つける。中庭の鳥籠を見たトレアサいわく、先代領主が飼っていて、いつの間にか逃げてしまったオウムだという。何気ない一幕だが、これが後の伏線になる。
怪しい人物が全て白と分かった今、残る大本命は監禁中の先代領主その人。だが軟禁されて見張られている相手では、そう簡単に尻尾は出さない。頭を悩ませるアークに、アリアンが不敵に言い放つ。「私にいい考えがあるわ」。アークの「嫌な予感しかせぬ」という直感は、見事に的中することになる。
アリアンの奇策——置物の潜入と、身代わりの馬車
「無駄にデカイ置物」でアークが潜入
アリアンの作戦とは、アークを“置物”に化けさせ、先代領主の軟禁部屋へ運び込ませるという大胆なもの。「置き場所がないので」と無理やり運び込まれた巨大な置物に、先代は不審がりながらも、やがて本性を現して独り言を漏らし始める。「悪いのは息子ではない。すべての元凶はあのエルフだ」。盗み聞きしていたアークが、黒幕の証拠を掴んだ瞬間だった。
さらに先代は、手下にこう命じる。「あすは妻の命日じゃ。ペトロスとトレアサは必ず墓参りに出向く。そこを狙え」。バレかけて「バラバラにして窓から捨てる」「火をつけるか」と物騒に迫られる置物(アーク)のくだりは、緊迫感の中にもこの作品らしい笑いが効いている。かくして先代の企みは、あらかた筒抜けとなった。
墓参りの襲撃を、妻に変装したアリアンが返り討ち
翌日、墓参りへ向かうペトロスの馬車が盗賊に襲撃される。刺客たちは「狙いはエルフの嫁だ」と馬車に踏み込むが、そこにいたのはトレアサに変装したアリアンだった。「お前たちの計画など全て見通している」。待ち構えていたアークとアリアンが、襲撃者を鮮やかに返り討ちにする。
先代の仕掛けた罠は、こうして空振りに終わった。しかし、これで一件落着とはいかない。本物のトレアサは、療養中の毒見役ロベリスを見舞うため、たった一人で町の北の外れへ向かっていたのだ。
名探偵アリアン、毒の自作自演を暴く
一瞬で枯れる花——ロベリスの自作自演
アリアンの中で、点と点が線で繋がる。北の外れに群生する毒草。そこにある毒見役ロベリスの家。そして、その付近で目撃された先代領主のオウム。「毒を飲んで生き延びるなんて、そうあることじゃない」——最初から引っかかっていた違和感の正体は、これだった。毒殺未遂は、ロベリスの自作自演。自分への疑いをそらし、優しいトレアサが見舞いに来る“その時”こそを狙っていたのだ。
急行したアークとアリアンは、まさに毒入りの茶を口にしようとするトレアサのもとへ天井を破って飛び込む。アリアンがその茶を花瓶に注ぐと、花は一瞬で枯れ果てた。動かぬ証拠を前に、ロベリスは正体を現す。「人とエルフの結婚など私は認めない。エルフが人の上に立つなど、あってはならない」。すべては先代領主の意を汲んだ、種族への偏見ゆえの凶行だった。
断崖の救出と、次なる戦い(ダンカの報せ)
観念したロベリスは「生き恥をさらすくらいなら」と断崖から身を投げる。だがアークはとっさに彼女を救い、「そなたのような者にこそ、これからの時代を生きてほしい。そして、変わってほしいのだ」と告げる。敵すら見捨てず救うこの主人公らしさが、静かに光る場面だ。もはや先代領主に味方はなく、事件は解決へと向かう。
礼を述べるペトロスとトレアサは、アークたちの目の前でまたも仲睦まじく寄り添う。そんな和やかな余韻に、一羽のささやき鳥が舞い込んだ。鳥が伝えたのはダンカからの報せ——ローデン王国ホーヴァン領で、エルフ・獣人・人の拉致が行われている。至急向かってほしい、と。緩やかな謎解き回の最後に、ようやく物語は本編へと動き出す。次回への期待が高まる引きだった。




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