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新汰に誘われ、黒絵は憧れの東京デスティニーランドで初デート。だが恋心が高ぶると怪獣化してしまう彼女にとって、夢の国は危険と隣り合わせだ。密着アトラクションを避け続けるうち「避けられている」と誤解した新汰とすれ違い、ついに絶望した黒絵は怪獣化して城を壊そうとする。そこを救ったのは、まさかの「すごいコスプレだね」という新汰の天然な一言だった。




夢の国へ——初デートと、隠しきれない体質
学校の騒動と、真夏が用意したデート服
前回ラストで怪獣化した黒絵の影響か、第3話は巨大生物が銀十字高校の校舎を壊して豊洲運河へ消える場面から始まる。その騒動のさなか、南新汰は「怪獣と目が合った気がする」と黒絵に打ち明けるが、当の本人はもちろん平静を装うしかない。
そんな黒絵に、新汰から思いがけない誘いが届く。「今度の日曜、東京デスティニーランドに行かない?」。当たったペアチケットで、ちゃんと誘いたかったのだという。舞い上がる黒絵だが、デート服選びを手伝う友里真夏は、なぜか怪獣の着ぐるみまで用意してくる。「円盤生物みたいで」とからかいつつ、初デートにふさわしい可愛い服も、ちゃんと選んでくれるのだった。
万全の“怪獣化対策”と、気合いの入った新汰
問題は、黒絵が恋心や興奮で感情が高ぶると怪獣化してしまうこと。楽しいはずの夢の国は、彼女にとって大惨事と紙一重の危険地帯だ。そこで黒絵は、症状が出たときの避難場所を頭に叩き込み、アトラクションの待ち時間対策まで練り上げて当日に臨む。「勝利の予感しかない」と気合い十分だ。
待ち合わせに現れた新汰は、早起きして美容院へ行き、服も店員と二時間相談してきたという気合いの入りよう。「初めて見る赤石さんで緊張する。すげえ可愛い」と口にする新汰に、黒絵の鼓動は早くも危険水域。彼が本気で臨んでくれていることが、嬉しくも、彼女の体質にとっては手強い試練の始まりだった。
楽しいほど募る危機——すれ違うデート
密着アトラクションを避け続ける黒絵
ところが、この体質が終始デートの足を引っ張る。ドキドキすると変身してしまうため、黒絵は新汰が誘う“密着系”のアトラクションをことごとく避けてしまう。二人乗りより一人乗りを選び、距離が近づきそうになると身を引く。楽しませようとする新汰の誘いを断り続ける自分に、黒絵自身も「これじゃデートの意味がない」と焦りを募らせていく。
グッズ売り場では、新汰が「ボーイストーリーズのジョニー」という悪役キャラの人形を気に入る。「ブスだな、私そっくりじゃないか」と内心こぼす黒絵に、新汰は「赤石さんは可愛いよ、俺も付けるから買おう」と屈託がない。この“ジョニー”が、後の大逆転の伏線になっているのが心憎い。
ジェットコースターと、見守る真夏
最大の難所がジェットコースターだ。スリルと興奮で変身しそうになるのを、黒絵は全身全霊で抑え込む。隣で楽しそうに叫ぶ新汰は「赤石さんのあんな叫び声、初めて聞いた」と上機嫌だが、黒絵は冷や汗が止まらない。続く水上ライドでは足がベルトに絡まる密着ハプニングも起き、彼女の平常心はいよいよ限界に近づいていく。
そんな二人を、じつは真夏がこっそり見守っていた。「半端な気持ちなら後悔しちゃうよ、黒たんもミナミ君も。世界一危険な恋になっちゃうんだから」——怪獣を愛する彼女は、黒絵の秘密を察したうえで、この恋のゆくえを見定めようとしているようだった。
誤解と闇堕ち——「怪獣らしく生きてやる」
「避けられてる」——新汰の気遣いが招いたすれ違い
黒絵が誘いを断り続けたことは、新汰の目には別の意味に映っていた。「今日一日、なんとなく避けられてるなって気づいた。赤石さんは優しいから、断れなかったんだよな」。閉園間際、新汰は自分が無理をさせたと思い込み、「もう困らせたりしないから」とデートを切り上げようとする。
必死に「違うんだ」と伝えようとする黒絵。だが、感情が高ぶったのが致命的だった。制御を失い、体が変わり始めてしまう。優しさゆえの気遣いが、最悪のすれ違いを生んでしまった瞬間だった。
変身、そして城を壊そうとする黒絵
見られたくない姿を見られてしまった。絶望が黒絵を呑み込む。「終わった。やっぱり受け入れてもらえなかった。なんでこんな姿で生まれたんだろう」。たった一日でいいから普通の女の子になりたかった、という願いは砕け散る。
「普通の女子として生きることが許されないなら、怪獣らしく生きてやる」。すっかり怪獣と化した黒絵は、夢の国の象徴である城へと矛先を向け、「どこから壊そうかな」と破壊に向かおうとする。デートの甘さから一転、シリーズ屈指の“闇堕ち”シーンだ。
夢の国の魔法——「ジョニーのコスプレ」が救った恋
新汰の天然な絶賛と、通じ合う本心
そこへ追いついた新汰が放ったのは、予想を裏切る一言だった。「それマジでよくできてるよ。ジョニーのコスプレ」。彼は目の前の怪獣を、黒絵渾身のコスプレだと本気で信じ込み、「本物の怪獣かと思った。すげえ感動した」と絶賛する。今日一日の挙動不審も、この“コスプレ”の準備のためだったのか、と。
その天然すぎる受け止め方が、黒絵の絶望を溶かしていく。これぞ夢の国の魔法。人間の姿に戻った黒絵は、緊張のあまり自分のことしか考えられなかったと詫び、「でも私は今日を本当に楽しみにしていた。こんな姿になってしまうくらいに」と本心を打ち明ける。新汰の「すっげえ伝わった」の一言に、二人の心はようやく重なった。
花火の下の和解と、次への予感
すれ違い続けた一日の果てに、二人は同じ気持ちを確かめ合う。怪獣少女だって夢を見ていい——黒絵があれほど感情をあらわにしたことに、見守っていた真夏も思わず頬をゆるめ、そっと二人を見逃してあげるのだった。閉園までのわずかな時間を、今度こそ素直に楽しむ黒絵と新汰の姿が微笑ましい。
そして最後、着替えを終えた黒絵の前に見知らぬ人物が現れ、「久しぶりですね、赤石先輩?」と声をかける。この新たな来訪者は何者なのか。甘く危険な初デート回は、次への期待をふくらませて幕を閉じた。




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