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リムルはテスタロッサ・ウルティマ・カレラの三悪魔に、それぞれ外交・検察・司法を託し、テンペストは法治国家としての一歩を踏み出す。学校ではシズが遺した子供たちが目を見張る成長を遂げ、日向はその姿をリムルにも見ておいてほしいと願う。だが平穏の裏で、ユウキ陣営はレオンへ子供たちの情報を流して暗躍し、さらに“七王の長”グランベルがユウキに接触、ルミナスの秘宝を餌にリムル打倒の共闘を持ちかける。静かに戦乱の芽が伸びる、第87話「不穏な気配」だ。




三権を託し、テンペストは法治国家へ
外交・検察・司法——三悪魔への役職委任
長らくリムルを悩ませてきた「法治国家の要となる人選」が、この回でついに決着する。ディアブロが連れてきた三人の悪魔に、リムルはそれぞれ重い役職を授けた。テスタロッサは外交武官として評議会に参加し西側諸国をまとめ、ウルティマは国内の悪を追う検察庁の検事総長、カレラは司法府・最高裁判所で公平に裁きを下す。三権を担う布陣だ。
まとめ役は三人と古い馴染みだというディアブロで、「命令には必ず従うように」と念を押す姿が印象的だった。こうしてテンペストは、法治国家としての確かな一歩を踏み出す。「俺も逮捕されないよう気をつけないとな」と気を引き締めるリムルの一言が、ほっとする幕引きになっている。
学校で育つ、シズの子供たち
新しい校舎の学校では、大人も子供も熱心に学んでいる。教師が足りない分は、クルセイダーズのフリッツやバッカスら、商人たちが手伝ってなんとか回している様子だ。人型に変化できるようになった仲間が通い始めたり、クマラが顔を見せたりと、平穏な日常の温度が丁寧に描かれた。
中でも目を引くのが、シズ(シズエ・イザワ)がかつて保護していた異世界の子供たち——ケンヤやアリスたちの、目覚ましい成長ぶりだ。番長格のケンヤ、委員長のアリスを中心に、その力はかつての聖騎士すら上回るほど。とりわけクロエの強さは別格だと語られる。
日向の願いと、忍び寄る影
“見ておいてほしい”——日向の真意
日向がリムルのもとを訪ねた本当の用件は、この子供たちのことだった。「あの子たちが変に歪んで育たないよう、あなたにも現状を把握しておいてほしい」——日向は、子供たちの成長をリムルにも見守ってほしいと願う。強くなりすぎた幼い力を、確かな大人たちが支えていく。そんな眼差しが、この街の芯にあることを感じさせる場面だ。
冒頭には、数百年前に魔王ルミナスが封印し隠したという“至高の存在”のプロローグも差し込まれた。「究極の最終兵器」とまで呼ばれたそれが、のちの不穏な動きへと静かに繋がっていく。
ルミナスの催促——ルベリオス音楽交流会へ
日向はもう一つ、主のルミナスからの伝言も携えていた。テンペストの楽団の演奏がすっかり気に入ったルミナスが、「音楽交流会はまだか」としきりに催促しているというのだ。不可侵条約と文化交流を約束しながら、まだ交流らしい交流がない、というわけである。
そこでリムルは、近いうちにルベリオスへ出向くことを決める。ケンヤたち子供の社会科見学も兼ねての訪問だ。ところがその行き先こそが、水面下で企てられる陰謀の“戦場”になろうとしていた。
暗躍するユウキ陣営
レオンへ流した、子供たちの情報
平和なテンペストの裏側で、着々と動いていたのがユウキ・カグラザカの一党だ。ラプラスやフットマン、西の拠点を引き継いだミーシャらが顔をそろえる。彼らは魔王レオンとの“特定機密商品”の取引をやめる一方、レオン側へ「シズが遺した子供たちがテンペストに残っている」と情報を流していた。
その狙いは、レオンの反応をうかがうこと。子供の一人“クロベ”の名を、レオンが「クロエではないのか」と聞き返すほど食いついた——その反応から、ユウキはレオンの目的がクロエだと読む。平穏の裏で、すべてがクロエという少女へと結びついていく。
狙いはクロエ——リムルにレオンをぶつける策
ユウキの思惑はさらにその先にある。クロエを使えば、リムルに魔王レオンをぶつけられる。そしてそれは、グランベルから請けた“仕事”にも利用できるというのだ。かつてマリアベルに操られリムルと戦わされた因縁も語られ、この男が一筋縄ではいかないことが改めて示される。
原作を知る視聴者からは「ネタバレ全開のOP」との声も上がり、レオンがクロエに執着する理由をめぐって考察が沸いた。仮面、精霊憑依と、もともと謎の多いクロエ。「因果は巡る」という言葉が、静かに不穏さを増していく。
“七王の長”グランベルの誘い
ルミナスの秘宝を餌にした、共闘の持ちかけ
そしてこの回最大の“不穏”が、ユウキのもとを訪れたグランベルだ。彼は自らを、ルミナス教の神=魔王ルミナスに仕える“七王の長”だと明かす。マリアベルを失った今、人類の未来を託せるのはユウキしかいない——そう言って、グランベルは共同戦線を持ちかける。
差し出された餌は、魔王ルミナスが隠し続けている“秘宝”。「ワシが先に動く、貴様は状況を見て後から動けばよい」と誘うグランベルに、ユウキも「冒険してみるのも悪くない」と乗る。冒頭で語られた封印の存在が、ここでくっきりと像を結び始める。
戦場はルベリオス——不穏な気配
グランベルの言う秘宝は、魔王ルミナスの居城にある。つまり戦場は、リムルたちが音楽交流会で向かうそのルベリオス。リムル暗殺すら囁かれる企てが、交流という穏やかな名目の裏で組み上がっていく。権力者たちの私利私欲が、世界を大きく揺らそうとしていた。
派手な前回から一転、この回は動きこそ静かだが、その分だけ盤面に駒が着々と並べられた“布石の回”だ。テンペストの新体制、育つ子供たち、そして忍び寄る陰謀。タイトルどおり「不穏な気配」を全編に漂わせ、次章への緊張を高めて幕を閉じた。




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