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復活した黒戸剣成の指揮とロゼの作戦で、七煌星団はアインベルクを撃退できるほどに力をつけていた。勝利に沸く仲間をよそに、ロゼと兄アッシュはしばしの休息へ。だがその裏では、皇帝カリスの身に大きな異変が迫っていた。傭兵兄弟の素顔と、動き出す運命を描く第3話「紅霞 -Raspberry-」を振り返る。




七煌星団、アインベルク撃退
袋のネズミ作戦
第3話は、七煌星団とネオ・ブリタニアの戦闘から幕を開ける。復活した団長黒戸剣成の指揮と、ロゼが立てた「袋のネズミ作戦」が噛み合い、攻めてきたアインベルクのヒースロットを見事に撃退してみせる。
とはいえ倒したのは下位のアインベルク三人のみ。上位の刺客やネオ・ブリタニア軍は健在で、和平の特使団を死体袋で送り返すという狂人ノーランドの影も色濃い。旧陣営からの援助を得つつも、戦況はなお楽観を許さない。
いきなり歯応えのある集団戦から入るのが、いかにもコードギアスらしい。勝ってなお「上位は健在」と気を引き締める描写に、この戦いの底の深さと、ノーランドという黒幕の不気味さがにじむ。
ヒースの“処分”と、新たな戦力
敗れたヒースは、ノーランドの手で「自殺」として処理されてしまう。四人が欠けた穴埋めに追われるネオ・ブリタニア側の非情さが、静かに描かれる。
一方の七煌星団には、黒の騎士団から新型ナイトメア「セッカ」「ケイセツ」が届く。誰をエースパイロットに据えるか。部外者のロゼ(=サクヤ)に選定を委ねる場面など、組織の力関係もさりげなく覗く。
味方の戦力アップにワクワクしつつ、敵陣の「使えなくなった駒は消す」という冷徹さが対比になっていて怖い。ナイトメア周りのメカ描写も気合が入っていて、往年のファンほど嬉しくなる回だ。
休息の刻、素顔のサクヤ
傭兵の“弟”、その正体
束の間の休息に入ったロゼが身を寄せるのは、ナタリアが営む喫茶店。実はロゼの正体は、殺されたはずの領主の娘皇サクヤ本人。傭兵「ロゼ」は、世を欺くための仮の姿だ。
ナタリアはその秘密を知る、数少ない協力者。囚われた影武者サクラの居場所を探る一方、「あなたは気兼ねなく過ごせて、私は労働力を得る」と、サクヤを女の子らしい装いに着替えさせるのだった。
気を張った傭兵の顔から、年相応の少女の素顔へ。上田麗奈さんの声の切り替えが見事で、サクヤが背負うものの重さと、束の間の安らぎが、じんわり伝わってくる。
メイド少女を、助けた兄
店を手伝うメイド姿のサクヤは、街でブリタニア人に絡まれてしまう。そこへ現れて彼女を助けたのは、なんと兄のアッシュ。しかも彼は、その少女が弟のロゼだとまったく気づいていない。
動物の餌をまとめ買いに来たアッシュは、飼い猫を前にすっかり饒舌に。戦場では超人的な戦闘マシンでありながら、素顔は動物好きの優しい青年。そのギャップが、一気に開示される。
「戦闘以外に興味なさそう」だったアッシュの人間味に、視聴者もろとも沼へ落とされる名シーン。目の前のメイドが弟だと気づかないもどかしさも込みで、傭兵兄弟の関係に、ぐっと引き込まれた。
皇帝崩御、動き出す運命
影武者サクラと、白のクイーン
敵陣では、囚われのサクラのもとに、専属騎士として「白のクイーン」キャサリンが着任。「半分イレブンのお姫様なんて弱くて嫌い」と当たりは強いが、彼女はサクラを本物のサクヤだと信じ込んでいる。
サクラもまた、自分が影武者だと気づかれていないことを利用し、演技を続ける覚悟を固める。「このまま影武者を演じ切れば、本物のサーちゃんの安全につながるはず」と。二人のサクヤが、それぞれの場所で戦っている。
同じ顔の二人が、敵味方に分かれて互いを守ろうとする構図が切ない。上田麗奈さんの一人二役が、サクヤとサクラの覚悟の違いを声だけで描き分けていて、唸らされる。
カリス崩御、そして即位
そして物語は急転する。第100代皇帝カリスが崩御し、その後継として、囚われの身のサクラが、第101代皇帝「サクヤ・スメラギ・メイ・ブリタニア」として祭り上げられることになったのだ。
大切な人が、敵の頂点へ。さらに謎めいた少女(L.L.)が「力が欲しいか。王の力はお前を孤独にする」と囁きかける。かつてのギアスの記憶を呼び起こす言葉とともに、運命は大きく動き出す。
敵トップに祭り上げられるという“お馴染みの構図”へ雪崩れ込む展開に、否応なく盛り上がる。L.L.の登場と世界への干渉が想像以上に早く、次回からの加速を予感させる引きだ。
「傭兵兄弟の距離」まとめと考察
戦うだけじゃない、アッシュの人間味
第3話最大の収穫は、やはりアッシュの人間味が一気に開示されたことだろう。無口な戦闘マシンだと思われた彼が、動物相手には子供のように饒舌になる。その落差が、兄弟の物語に一気に体温を与えた。
だが忘れてはならないのは、そのアッシュがロゼ(=サクヤ)の父の仇だという事実。今は“兄”として傍に置きながら、いつか手にかける覚悟を秘めている。この甘くない関係が、優しい休息回の底に静かに横たわっている。
加速する物語と、旧作の面影
L.L.やかぐや、ルルーシュを思わせるカットなど、旧作ファンをくすぐる要素も次々と顔を出した。木村貴宏さんの手によるキャラクターたちが、時代を超えて生き生きと動く様は感慨深い。
サクラの即位で、盤面は大きく塗り替わった。傭兵兄弟はここからどう動き、二人のサクヤの運命はどこへ向かうのか。戦闘もドラマも濃密な第3話は、次への期待を存分に高めてくれた。




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