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豊川公演を成功させたひまわりサーカスだが、売上は借金取りに全額徴収され、金欠の日々は続く。団員は海の家でアルバイトに励むが、瑞佳と伊万里はそろってクビに。そこで瑞佳が浜辺での手品ショーを提案するが、伊万里は人前に立つことへの深いトラウマを抱えていた。第4話「豊川公演後の新たな試み」のあらすじと見どころ、ネットの反応をまとめます。




金欠のサーカス団、海の家でアルバイト
豊川公演の売上は借金取りへ、たどり着いた海
豊川公演を成功させたひまわりサーカスだったが、稼ぎが良すぎたせいで借金取りに売上を根こそぎ徴収され、相変わらずの金欠。次の公演地も告げられぬまま走り続けたバスが止まった先は、なんと海だった。「金がなくては公演で稼ぐこともできない。でも大丈夫、みんなにはその健康的な体があるじゃない」。団長マリアの号令で、団員たちは海の家でアルバイトに励むことになる。
公演の成功がそのまま借金の返済に消えていく世知辛さを、からりと明るく描くのがこの作品の持ち味。昭和三十年代の海辺と、水着に着替えた団員たちの健康的な賑わいが、のっけから楽しい。
瑞佳と伊万里、そろってクビ
ところが接客は前途多難。伊万里はドジで皿を割り、五十鈴に「早く持ってこい」と怒鳴られる。瑞佳は瑞佳で、焼きそばやかき氷を注文した客に「向こうの屋台の方が安くて美味しいですよ」と正直すぎる案内をして客を逃がし、挙句フナムシをゴキブリと勘違いして騒ぎ、二人そろってあっさりクビになってしまう。
気になるのは、五十鈴が伊万里にだけ当たりが強いこと。瑞佳が「なんで二人は仲が悪いんですか」と尋ねると、マリアは「あの二人、幼馴染で昔はすごく仲が良かったのよ」とだけ。悪くなった原因までは、まだ誰も詳しくは知らない。
破天荒な瑞佳のズレた接客がとにかくおかしいが、五十鈴と伊万里のぎくしゃくには何か事情がありそうで、笑いの奥に引っかかりを残す。この緩急の付け方がうまい。
手品ショーの提案と、伊万里の抱えたトラウマ
迷子をあやす手品から生まれた「浜辺で稼ぐ」作戦
クビになって途方に暮れる二人。そのとき伊万里は、母とはぐれて泣く迷子の子に、そっと手品を見せてあやす。種の分からないその鮮やかさを見た瑞佳は閃いた。ドラム缶風呂で額を突き合わせ、瑞佳が持ちかけたのは「浜辺で手品ショーをやってお金を稼ぐ」作戦だった。
困っている子どもを放っておけず、自然と手が動いてしまう伊万里の優しさが、そのまま次の一手につながる運び。瑞佳の思いつきはいつも唐突だが、伊万里の美点はちゃんと見ている。
父と手品、そして人前が怖い理由
だが伊万里は「無理無理」と尻込みする。ショーというより、本当は人前に出るのが怖いのだ。伊万里の父はかつて有名な奇術師で、大好きだった。だがある舞台で大きな失敗をして何人もの怪我人を出し、世間から激しく叩かれた。伊万里はマリアに引き取られ、手品は「父との唯一の絆」だからしがみついている。舞台はいつもマリアの補助で何とかなっているが、たくさんの目が怖い——思い出してしまうから。
五十鈴との溝も、その頃に生まれた。五十鈴は伊万里の父の奇術団に住み込みで働く大道芸一家で、二人は仲良くなった。だが事故で家族がばらばらになり、伊万里がマリアに引き取られるとき、五十鈴は「私、伊万里についていってやるよ」と言ってくれた。その言葉は嬉しかったのに、当時の伊万里には辛すぎて、五十鈴を突き放してひどいことを言ってしまう。「嫌われても当たり前だよね」。
大好きだった父の栄光と転落、そして差し出された優しさを受け取れなかった後悔。伊万里の抱えるものが丁寧に明かされ、コミカルな前半から一転して胸に迫る。手品が「絆」だからこそ怖い、という矛盾が切ない。
箱の爆発と、取り戻した自信
勝手に開いたショー、援軍は桜翔
翌日、瑞佳は練習をサボって伊万里を連れ出し、浜辺で勝手に手品ショーを始めてしまう。客は集まり始めるが、伊万里は「やっぱり一人じゃ自信ない」と怖気づく。そこへ瑞佳が呼んだ頼もしい援軍、空中ブランコの花形・桜翔が現れる。新聞にも載った花形の登場に、客席がどよめいた。
練習をすっぽかしてまで舞台を整えてしまう瑞佳の強引さには呆れるが、その場に必要なものを一瞬で用意する行動力は本物。渋々巻き込まれる桜翔の律儀さも微笑ましい。
五十鈴の檄と、脱出マジック成功
演目は、桜翔を大きな箱に閉じ込め、掛け声とともに箱が大爆発する脱出マジック。緊張で固まる伊万里に、駆けつけた五十鈴が檄を飛ばす。「落ち着け!お前の父さんの舞台を思い出せ!あの人はいつも観客の前で堂々としてただろ!」。乱暴だが不器用な励ましに背を押され、伊万里はショーをやり遂げる。
だが浜辺での無許可営業と大量の火薬の爆発で、一行は警察にこってり絞られ、マリアが始末書。大箱と火薬の請求書を瑞佳は「新演目の研究開発費」と言い張るが、半分と焼きそば代はちゃっかり瑞佳の借金に。それでも「演目が増えて自信がついた」と胸を張る瑞佳に、伊万里は「ありがとう、瑞佳ちゃん」と笑うのだった。
成功の余韻を始末書と借金増でしめる落とし方が、いかにもこの団らしい。無茶苦茶な荒療治でも、伊万里が一歩を踏み出せたのは確か。五十鈴の不器用な檄が、和解の伏線にもなっている。
「トラウマ克服と仲直りの一歩」まとめと考察
水着回に見えて、キャラを立てる成長回
サービスカット満載の“水着回”でありながら、その実は伊万里と五十鈴の関係を掘り下げる成長回だった。ネットでも「ただのサービス回に非ず」「キャラが少しずつ立ってきた」と、テンポの良さとキャラ描写を評価する声が目立つ。
一方で、皿を三度割るドジや、あっけない立ち直りに物足りなさを覚える声もあった。定番の筋立てを昭和の空気と勢いで押し切る作りは、好みが分かれるところかもしれない。
瑞佳という荒療治、五十鈴と伊万里の雪解け
伊万里のトラウマに正面から踏み込めたのは、空気を読まない瑞佳だからこそ。ラスト、伊万里が披露したのは五十鈴と初めて成功させた思い出の手品で、彼女なりの歩み寄りだった。「五十鈴とやりたくて考えたの」という言葉に、長い溝が溶け始める。
バスが毎回急ブレーキで止まる謎や、次回は双子の話らしいという予告も含め、ひまわりサーカスの旅はまだまだ賑やか。一話ごとに団員の素顔が見えてくる、この座組の温かさに期待したい。




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