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妹の花梨ばかりが愛される家で、召し使い同然に扱われてきた東雲柚子。恋人は妹に心変わりし、祖父母がくれた誕生日のワンピースは破られ、妖狐の炎で腕を焼かれ──絶望の夜、彼女の前に現れたのは鬼のあやかし・鬼龍院玲夜だった。「ずっと探していた。俺の花嫁」。涙なしでは見られない第1話を振り返る。




あやかしが地位を築いた現代日本と、「花嫁」という存在
頂点に立つのは鬼
冒頭の語りで、この世界の前提が示される。かつて世界大戦の絶望の中、人に紛れて影で生きてきたあやかしたちが世界を救い、日の下へ。戦後の復興に大きな力となった彼らは、現代では政治・経済・芸能とあらゆる分野で地位を確立している。そんなあやかしは、時に人間の中から「花嫁」を選ぶ。花嫁はあやかしにとって唯一無二の存在で、真綿で包むように大事に愛されるため、人間の女性は一度はあやかしの花嫁になることを夢見るという。
あやかしには位があり、最も強く美しいとされるのが鬼。鬼の花嫁に選ばれることは、女性にとって最高の名誉とされる。この設定が、そのまま東雲家の歪みの土台になっているのが本作の巧いところだ。
「好きな人ができたんだ」始まりは最悪の失恋
相手は、よりによって妹
物語は、柚子が恋人の大和に振られる場面から始まる。付き合ってまだ3ヶ月。「好きな人ができたんだ」の相手は、柚子の家に遊びに来た時に会った妹の花梨だという。柚子の本音が切ない。「大和に別れようって言われたことより、その理由が花梨ってことの方がショックなのかも」。
幼馴染の透子は「ちょっとあいつやってくる」と殴り込みかけ、猫又のあやかしで透子の花嫁相手・東吉(にゃん吉)に止められる。にゃん吉の見立ては冷静だ。「花梨を花嫁に選んだのは、うちの猫田とは比べ物にならないくらい格上の妖狐のあやかしだぞ。大和に入り込む余地なんかないのにな」。告白してきたのは大和の方だった、という事実がまた重い。
花梨を中心に回る東雲家
借金してでも妹を、の両親
柚子の生い立ちが追い打ちをかける。物心ついた時には、両親の関心は一つ年下の花梨に向いていた。花梨ならあやかしの花嫁になれると、親戚から借金までしてあやかしの学園へ入学させ、目論見通り花梨はかくりよ学園で妖狐の狐月瑶太に見初められる。資産家の狐月家から「花嫁の家」として多額の援助を受け、借金を返済した両親は贅沢な暮らしに。一方の柚子は、風邪で寝込んでも「花梨の参観日と重なるから行けないわ」と放置され、諦めることを覚えた。家に居場所がなく、高校に入ってすぐバイトを始めたほどだ。
夕食の場面が象徴的だった。「お姉ちゃん、このステーキ硬すぎ。焼き直して」「瑶太はレアが好きなのよ」とわがまま放題の花梨に、瑶太は「だったらステーキハウスに行かないか」と甘やかすだけ。母は柚子にだけ「瑶太君に失礼のないようにしなさいよ」と釘を刺す。「花梨は花嫁だから、大事な子だから。だったら私はなんなんだろう」という柚子の独白が刺さる。
唯一の味方、祖父母
そんな柚子を気にかけてくれるのは祖父母だけだ。慣れないスマホで若い子に人気の店を探し、朝早くから並んで買ってくれた誕生日プレゼントのワンピース。「18歳おめでとう、柚子。良い一年をね」。両親が柚子の誕生日を覚えてもいない中で、この温かさが唯一の救いになっている。
ところが父は、祖父母から「花梨だけでなく柚子のことをもっと気にかけろ」と電話で言われただけで逆上する。「ちゃんと育ててやってんのに」「花嫁の花梨はお前とは違うんだ。大切にして当然だろ」。母も「私たちはあやかしの花嫁の親なのよ。お父さんたちにもそろそろ格の違いを分かってもらわないと」と続く始末。両親の価値観は、もはや花嫁ビジネスのそれである。
ワンピース事件と、妖狐の炎
我慢の限界
決定的な事件が起こる。花梨が、祖父母がくれた大切なワンピースを奪い取り、「私に命令しないでよ。お姉ちゃんがさっさと渡さないから悪いんだからね」と破り捨てたのだ。ずっと我慢してきた柚子は、初めて花梨に手を挙げてしまう。だが駆けつけた両親の言葉は「大丈夫か花梨」「ワンピースぐらいなんだ。姉なんだから貸すくらいいいだろ」「花梨の顔に傷がついたらどうするつもり」。どこまでも柚子の味方はいない。
「たとえ姉であっても」
さらに瑶太が動く。「俺の花嫁を傷つける奴は許さない。たとえ姉であっても」。妖狐の使う炎が柚子の腕を焼く。「ダメだ、消えない」「熱い」。両親は瑶太を咎めるどころか「柚子にはきつく言っておくので」と平謝りだ。
「ここには、私の味方になってくれる人なんていないんだ」。それでも柚子が悔やむのは、腕の痛みではなく「花梨に手を挙げてしまった」ことと「おじいちゃんになんて謝ろう」。この健気さが、視聴者の涙腺を的確に破壊しにくる。
「ずっと探していた。俺の花嫁」
夜の街での出会い
家を飛び出した柚子の前に現れたのは、闇に溶けるような漆黒の髪と、血のように赤い瞳の男。「俺は玲夜。鬼龍院玲夜だ」「ずっと探していた。俺の花嫁」。鬼龍院といえば、柚子でも聞いたことがある、人間もあやかしも含め日本のトップに立つ鬼の家柄だ。
「送る。こんな時間に出歩くのは危ない」と気遣い、「帰りたくないのか。他にいたいところはないか」と踏み込んでくる玲夜。それでも柚子は信じられない。「私が花嫁? 花梨のように? 最強のあやかしの花嫁だなんて、そんな都合のいいこと」。
「あなたは、私を愛してくれる?」
孤独なあの家で、何度も願い、夢に見た。誰か私を愛してくれないかと。一人は悲しいと。だから柚子は、まっすぐに尋ねる。「あなたは、私を愛してくれる?」。玲夜の答えは迷いがなかった。「お前一人を愛そう。俺の花嫁」。
あやかしは花嫁を決して裏切らない。彼なら私の願いを、夢を、叶えてくれるかもしれない──。絶望の夜に差し込んだ一筋の光で、第1話は幕を閉じる。
「まとめて2話でギャフンや!」反響
ざまぁ待望論と賛否
SNSは、柚子の家族と瑶太への怒りで沸騰。「地獄に落ちろ」「2話でギャフンや」と、ざまぁ展開への待望論が噴出した。一方で「ザマァ系婚姻譚は好みではない」という辛口や、1話のダークさの反動を楽しむ声、「わたしの幸せな結婚」を思わせる雰囲気への言及など、受け止めは幅広い。
キャスト評と熱量
キャストへの評価も高い。玲夜役・梅原裕一郎の声の圧倒的な包容力、柚子役・早見沙織の健気さ、そして「性格悪い役やる石見舞菜香、新鮮で且つ上手」と花梨役への言及も。初回からグッズ購入に走るファンも現れるなど、女性向け枠として上々の滑り出しだ。




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