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新卒を泣かせてしまい落ち込む佐々木を、喫煙所で待っていた田山さんが慰める第2話。だが今回は逆に、“タバコ臭い”という理不尽なクレームを受けた田山さんを、今度は佐々木が救う番。持ちつ持たれつの関係が温かい。そして喫煙所の“田山さん”と、佐々木が憧れる笑顔の店員“山田さん”が同一人物だと、佐々木だけが気づかないという超・鈍感ぶりも健在。彼を指す「にぶす木」という愛あるあだ名に、思わず頬がゆるむ一話だ。




新卒を泣かせた夜——田山さんの慰め
喫煙所の“田山さん”と、憧れの“山田さん”
第2話も舞台はスーパーSの裏の喫煙所。仕事で落ち込んだ佐々木が煙をくゆらせていると、いつものように田山が現れる。この田山、じつは佐々木が店で憧れている笑顔の店員“山田さん”と同一人物なのだが、佐々木はまるで気づいていない。しかも本人を前に「山田さんは本当に気配りのできる素敵な店員さんだ」と熱弁するのだから、田山にしてみればなんとも複雑だ。
この日の佐々木は、深いため息が止まらない。「元気ないけど大丈夫?」と山田(=田山)が気にかけていたと聞いても、憧れの人と目の前の相手が結びつかない。憧れの“山田さん”と、素の自分を出せる“田山さん”。その二役を一人でこなす田山の心中を思うと、佐々木の鈍感さがいっそう可笑しい。
「にぶす木」——鈍感な佐々木への愛あるあだ名
煙を顔に吹きかけられ、「鈍いくせに生意気」とからかわれる佐々木。田山が彼につけたあだ名が「にぶす木」だ。言うまでもなく“鈍い佐々木”をもじった呼び名で、彼の底なしの鈍感さをやさしく突く一言である。
互いのことを深くは知らなくても、どこか信じ合える二人の距離感。「にぶす木」というあだ名の裏に、佐々木への隠しきれない好意がにじんでいる。服をそっと羽織らせたり、袖を掴んだりする田山の仕草に、視聴者も思わずほっこりさせられる。
笑顔の練習と、新卒の謝罪
「山田さんみたいに笑いたい」——田山のお手本
佐々木が今日こんなに落ち込んでいるのは、新卒の社員を泣かせてしまったから。なんてことないミスを励ますつもりが、逆の意味で伝わってしまい、上司にも叱られたのだという。「山田さんみたいなスマイルで頑張れたらな」とこぼす佐々木に、田山はスーパー仕込みの“笑顔の練習”を実演してみせる。「目は三日月型に、表情筋を上げて、上の歯を出して」。
その可愛らしい笑顔に佐々木は思わず見惚れ、「素敵だね、田山さん」。じつはこれこそ“山田さん”の笑顔そのものなのだが、やはり佐々木は気づかない。照れた田山が「お手本を見せるほうが早いね」とごまかす一幕も、二人の距離が近づく微笑ましい場面だ。
「佐々木さんはいい人」新卒との仲直り
田山は落ち込む佐々木をこう励ましていた。「新卒ならそのうちバレちゃうよ、佐々木さんがいい人だってこと」。その言葉どおり、後日、泣いてしまった新卒のほうから佐々木に謝りに来る。「佐々木さんだけを悪者にしてすみません。いい人だって分かっていたのに」。
佐々木も「初めはミスがあって当たり前。分からないことは遠慮なく聞いて」と応じ、わだかまりは解けていく。理不尽に見えた出来事が、田山の言葉を経てちゃんと着地する構成が心地よい。
今度は佐々木が救う番——田山のクレーム
「タバコの匂いでがっかり」理不尽なクレーム
別の日、今度は田山のほうが沈んでいた。「普段は朗らかに接客しているのに、タバコの匂いがしてがっかりした」という理不尽なクレームを受けてしまったのだ。店長は「気にしなくていい」と言ってくれたが、それでも「アホらしくなっちゃって」と気落ちする田山。
現実のスーパーにもありそうな理不尽な一幕であり、この作品がただ甘いだけではなく、働く人の悲哀をきちんとすくい上げていることが伝わってくる。喫煙所の自販機が唯一の逃げ場、というささやかな設定も効いている。
「どっちもその人なのに」——佐々木の言葉と、貸したぬくもり
ここで、いつも慰められる側の佐々木が、初めて慰める側に回る。彼は静かに言う。「寂しいね。違う面を知った途端、素敵だと思っていたその人を信じられなくなるのは。どっちも、その人なのに」。
“喫煙する田山”と“笑顔の山田”という二つの顔を持つ田山自身に、この言葉はまっすぐ刺さったことだろう。1話では佐々木が山田(田山)に癒されるばかりだったが、2話では佐々木が田山を救い、まさに持ちつ持たれつの関係になった。薄着で震える相手に上着を貸し合い、「実はコーヒーが飲めない」という小さな共通点で笑い合う。狭い喫煙所に、確かなメルヘンが詰まっていた。
昼の喫煙所——二役を演じる田山と、鈍すぎる佐々木
「田山ちゃんから聞いてます」二人一役のすれ違い
取引先に怒られた帰り道、佐々木がスーパーSに立ち寄ると、昼の欠員シフトに入っていた“山田さん”(=田山)とばったり。ここで田山は、「山田」として、まるで“田山”が別人であるかのように振る舞う。「私、知ってますから。田山ちゃんから聞いてます」。佐々木が「お二人は仲良しなんですね」と言えば、「はい、とっても仲良しですよ」としれっと返す。
佐々木は“山田さん”に、クレームで落ち込んでいた“田山さん”を心配していると伝え、以前気にかけてもらった礼まで述べる。一人二役を完璧に演じ分ける田山と、最後まで同一人物だと気づかない佐々木のすれ違い漫才は、視聴者からも「超鈍感さがこの作品一番の面白さ」と大好評だった。
頭の花びらと、春の陽気
去り際、山田(田山)が佐々木に告げる。「花びら、ずっと頭についてましたよ。おっさんが頭に花びら……可愛かったから黙ってました」。「山田さんって結構お茶目なんだな」と笑う佐々木。二役を演じきった田山の、ほんの少しの茶目っ気が愛おしい締めだ。
なお、1話ではスーパーらしい店内BGMだったのが、2話では“ずっと真夜中でいいのに。”の「イチジク煙」が流れる演出に。喫煙所にどこかメルヘンな空気を添えるこの選曲も含め、原作の時系列を巧みに入れ替えたアニメ版の作りが好評だった。春の陽気とともに、二人の距離がまた少し縮まった第2話である。




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