この記事の作品:
サブタイトルは「胸を広げ、視線は前に」。入れ替わって4日、健康な体で農作業を満喫する玲琳のもとへ、莉莉の嫌がらせはことごとく恵みに変換されていく。だが金家の女官・雅容に短剣を握らされた莉莉は、ついに刃傷沙汰へ。それでも玲琳は「枝毛を切ってもらっておりました」と庇い、亡き母と同じ言葉で彼女の背筋を伸ばす。そして最後に見せた悪女の本領まで、涙と痛快が同居する第3話を振り返る。




健康最高、農作業の日々
筋肉、それこそは力
「入れ替わって早4日。ここでの生活は最高です」。食料も薬草も面白いほど生えてくる元食糧庫で、玲琳は連日農作業に没頭しても倒れない体に感動しきりだ。「この快感。筋肉、それこそは力」「腹筋も6つに割ってみたいけれど、さすがにあと3日では無理ですよね」。3日後の中元節の儀で謹慎が解かれ、慧月に会えるはずという算段も立てている。
一方の食卓は芋づくし。「いい加減、芋はもう」とうんざりする莉莉に「ご安心ください、味付けは変えますので」と返すズレっぷりは、ネットの反応でも「芋ばっかはちょっとw」と愛されていた。健康であることがこんなに嬉しい主人公は、なかなかいない。
嫌がらせが、ことごとく恵みに
「今度こそ泣かせてやる」。雛宮から抜け出したい莉莉は毎日嫌がらせを続けるが、玲琳には一切効かない。イガグリを投げれば「針山にぴったり。お裁縫ができます」、蜂の巣をぶつければ「素敵な恵みをありがとうございます。リーリーは、蜂蜜より塩派ですか?」。虫嫌いだったはずが「クモさんとムカデさんは一緒にどうぞ」と素手で扱い、採れた野菜は「育ち盛りなのですから、大きい方をどうぞ」と莉莉に分ける始末だ。
「人ってこんな急に変わるもんなのか」「今のこいつは、かわいいかも…いやいや」。日の出とともに起きて庭を整え、かいがいしく世話まで焼く主を前に、莉莉の心は揺れ始める。嫌がらせを受けてなお「リーリーにも事情があるのですよね」と受け止め、「あなたは素直で素敵な女官です」と本来の仕事に戻るよう勧める玲琳の包容力が、この回の土台になっている。
追い詰められる莉莉
「これは正当な復讐なんだ」
それでも莉莉は素直になれない。「散々私を蔑んできたくせに、今さら褒めるの」「こんな辺境で罪人の世話をさせられて、本来の女官の仕事ができない状況に巻き込んだのはあんただろう」。誠心誠意仕えれば地位と報酬を保証してくれるのかと問われ、「それは、私にはできないのですが」と正直に答える玲琳に、「だったら大口を叩くなってんだ」と背を向ける。「悪くない。これは正当な復讐なんだ」と言い聞かせながらも、「なんであんな顔すんだよ」と揺れる莉莉が痛々しい。
彼女の嫌がらせが、下級女官として生き延びるための立場ゆえだったことも見えてくる構成で、ネットの反応でも「莉莉の事情が分かって切ない」という声が多かった。
雅容の短剣
そこへ、莉莉を操ってきた金家の上級女官・雅容が現れる。嫌がらせを受けているはずの朱慧月が笑って過ごしていると聞き、「さてはお前、嘘をつきましたね」。そして次の指示として短剣を握らせた。「清佳様に差し出せる証拠があればそれでいい。好きなものを裂くがいいわ。衣でも、髪でも、心臓でも」。
雛女を傷つければ処刑されると抗う莉莉に、雅容は冷たく告げる。褒美を受け取った時から「お前の命はもう私の手の中にあるの」。従わなければ金家の簪を盗んだ罪で鷲官長に突き出すだけ。白練の自分と粗末な朱の異国人、どちらが信じられるか。「餌をもらえるのは仕事をした後でしょ、ネズミさん」。悪意の出どころが明確になる、背筋の冷える場面だ。
刃傷沙汰と、枝毛の言い訳
尭明と辰宇が抱いた違和感
場面は変わって尭明と辰宇。連日の玲琳への見舞いに付き合わされる異母弟の「死んだ魚のような目」をからかいつつ、尭明は玲琳を「あれで芯の強い黄家の女だ」と評する。誰もが皇太子に引き寄せられる中で「頬を染めなかった唯一の女だぞ」。一方で、乞巧節以来の玲琳の様子と、獣人の儀以来やけに穏やかな朱慧月の変化が、二人の間で話題になる。かつての慧月が、襲われかけたと嘘をついて宦官の首を刎ねさせようとした悪女だったという過去も明かされた。
そこへ「朱家の女官が短剣を手に雛宮へ向かった」との報告が入る。現場の鷲官が止めなかった理由は、被害に遭うのが朱慧月なら構わないと考えたから。尭明は「それは俺の咎だ。俺の態度がそうさせたのだろう」と自省しつつ駆けつける。入れ替わりの真実へじわじわ近づく二人の違和感は、ネットの反応でも「気付く2人」と注目されていた。
「枝毛を切ってもらっておりました」
雨の中、莉莉はついに刃を向けてしまう。「あんたが私の人生をめちゃくちゃにしたんだ」「私はもうおしまいなんだ」。だが切り取れたのは、玲琳の髪ひと房だけだった。駆けつけた辰宇が「後宮内の刃傷沙汰は厳禁だ」と双方に問うと、玲琳はしれっと答える。「枝毛を切ってもらっておりました」。
言い訳ではなく純粋な事実、実際に起こったのは枝毛が切り取られたことだけ、起こらなかったことを疑ったり非難したりしては「体力がもったいのうございます」。そのまま濡れた女官の着替えを優先して御前を辞す胆力に、辰宇たちは「やはり、朱慧月がおかしい」と確信を深めるのだった。報告書の押し付け合いに巻き込まれる文昂の「僕はそう思いません」もいい仕事をしている。
「胸を広げ、視線は前に」まとめと考察
亡き母と、同じ言葉
小屋に戻った玲琳は、震える莉莉に汚れた衣を脱がせ、鞭打ちかと身構える彼女へ、手持ちの上等な衣を仕立て直して贈ろうとする。「あなたは私の大切な女官ですもの。何の問題がありましょう」。そして健康の秘訣を説くのだ。手洗い、清潔な格好、そして笑顔。背を丸めてはいけない。「胸を広げ、深く息を吸い込み、視線は前に。うつむいて健康を損ねては、お母君に叱られてしまいます」。
その身一つで異国の地を生きた踊り子の母を「立派な方ですね」と讃える言葉は、莉莉の記憶の中の母の口癖と重なる。「リーリー、私の可愛い子。女はいつだって胸を張らなきゃ」。こらえきれず涙を流し、抱きとめられた莉莉は心に決める。簪を返しに行こう。「私はもう、この人を裏切ることも絶望させることもできない。たとえ、それで罪に問われることになっても」。ネットの反応も「ガチで泣ける」「亡き母を思わせる彼女に心を開けて安堵」と涙の報告が相次いだ。
そして、悪女の本領
和解の余韻のまま、玲琳は静かに切り出す。「さて、そろそろ本題と参りましょうか、リーリー」。誰かがあなたの笑顔を奪い、もうおしまいだとまで思わせた。「教えてください。私の大切な女官を追い詰めたのは、どこのどなたです?」。聖女のような包容力から一転、画面の温度が下がるこの豹変こそ、タイトルの言う「悪女」の本領だろう。
ネットの反応は「復讐を匂わせる終わり方で来週期待」「悪女の本領発揮!」と沸き、熱に苦しむ本物の玲琳の体(中身は慧月)を映すCパートには「御労しい」の声も。莉莉を追い詰めた雅容たちに、次回どんな報いが下るのか。楽しみに待ちたい。


















コメント