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アリアンの姉イビンとの初対面は、まさかの奇襲から。妹の「お相手」を見定める姉と、結婚を控えた戦士の素顔が愉快な前半に対し、任務は不穏だ。デネル村のリーザの里…解放されたエルフを故郷へ帰す施設なのに、帰り着いた者が一人もいない。潜入した姉妹が見つけたのは、行方不明の里長リーザと幽霊の噂、そして死の汚れだった。第4話「呪いの里に聖女の霊が彷徨う」を振り返る。




姉イビン、まさかの奇襲でご挨拶
奇襲の理由は「お相手」の見定め
「こんにちは、アークです」の呑気な旅ナレーションで到着したアネット山脈。呼び出した当の姉は、挨拶代わりにアークへ斬りかかってきた。イビンいわく、両親から「アリンちゃんが人族の騎士に手伝ってもらってる」うえ「一緒に呪いを解く泉に行く」と聞いたから。「アリンちゃんのお相手は、私より強い人じゃないと認めない」…要するに、妹の相手の腕試しである。「それって絶対任務じゃないわよね」の追撃に、「助けてもらったお礼として泉のことを教えただけよ」と真っ赤になるアリアンがかわいい。
アークは太刀筋に見覚えがあると思えば「なるほど、グレニス殿と似ておったのだな」…母譲りの剣なのだ。しかもイビンは泉の件からアークの体の事情まで承知済みで、骸骨の中身に「ん? ど、どうも」と挨拶する間柄に。手合わせの判定は「まだあなたのお相手として認めるわけにはいかないわね」と保留である。
結婚を控えた姉と、完敗する妹
実はイビンは結婚を控えた身。アリアンがベールを贈ろうとホーンテッドウルフの尻尾を集めていた、というつながりも回収される。式は任務のために延期中で、「大丈夫なの、相手の人?」「私の好きにしてくれていいって」。新居にアリンちゃんの部屋を作る、寝室は別々にしとくから、の畳みかけに「いやよ新婚夫婦と一緒に住むなんて」と返す姉妹漫才が楽しい。
だが任務の話を前に、イビンは「見せてちょうだい」と妹に手合わせを求める。結果は完敗。動きを全て読まれ、先回りされ、魔法の詠唱すら潰されて「まだまだね」。アークの「姉上殿、お見事」がとどめである。今回の任務は「もしかすると大物が絡んでるかもしれない」…この厄介さが、姉の真剣さの理由でもある。
宮廷のユリアーナと、へこむアリアン
「暗殺は失敗した上に」…セクトの腹の内
場面は変わってローデン王国の宮廷へ。生還したユリアーナを、兄セクトが「もう会えないと思っていた」と迎える。ダカレスが持っていた母の形見の首飾りも返され、和やかな再会…に見えるのだが。ユリアーナはエルフ族の大長老ファンガスとの直談判でローデン王国との優先的な交易の約束を取り付けており、「素晴らしい」と讃えるセクトの内心はこうだ。「暗殺は失敗した上に、エルフとの交易特権までまとめてきたとは」。
妹殺しの絵図を裏で引いていたのはこの兄だった、という静かな開示である。側近が「交易の話が進めば民の支持はユリアーナ姫に。そうなれば王位は」と焦る横で、「焦ることはない。私もユリアーナも目指すものは同じ。すべてはローデン王国のために」と嘯く食えなさ。ネットでも「ユリアーナの方も継承争いに静かに参戦してるし、これからも目が離せない」と、この宮廷劇パートは好評だった。
「その頑張りを間近で見てきた、われが保証する」
一方、姉に完敗したアリアンはしっかりへこんでいた。物心ついた頃から姉は輝いていて、少しは近づけたと思っていたのに…。そこへアークの励ましが入る。「われと初めて会った時と比べても、間違いなくたくましくなっていると思うぞ」「何より、アリアン殿も多くの者を救ってきたではないか。その頑張りを間近で見てきた、われが保証する」。
「すっかり長い付き合いになったわね」「アリアン殿との旅、大いに楽しんでいるからな」…この気負いのない距離感が本作の柱だ。姉の視線の先で積み上がってきた二人の旅路が、さりげなく言葉になった良い場面である。
リーザの里へ潜入
デネル村と、帰り着いた者のいない施設
任務の舞台はアネット山脈のふもと、深い森のデネル村。かつては閉鎖的な村だったが、数年前に魔獣の襲撃で村長一族が全滅し、ただ一人生き残った娘リーザが跡を継いでから、天使のように優しいと評判の彼女のもとで開放的な村に変わったという。そのリーザが夫と私財で作ったのが、解放されたエルフや獣人を保護し、故郷へ帰す手助けをするリーザの里だ。
美談である。だが、イビンの調べでは実際に故郷へ帰り着いた者が一人もいない。旅の途中で襲撃されたのか、送り出した後のことは知らないと言われればそれまで…。かくしてアリアンとイビンは、保護されたエルフの姉妹を装って里へ潜入することになる。
明るすぎる里と、行方不明の聖女
出迎えた管理人のヤコフ(リーザの夫)は「ここに来ればもう安心です」と柔和で、ララトイアの里へ帰りたいと告げれば「順番をお待ちください」。ふかふかのベッドにお風呂まで揃い、保護されたエルフたちの表情も明るい。案内役のパメラには婚約者のバートがいて、奴隷だったお屋敷で出会い「自由になったら一緒になろう」と誓った仲だと、幸せそうに笑う。
だが肝心の里長について尋ねると、空気が変わる。「私たちも、お会いしたことはないんです」…リーザはずっと行方不明なのだという。エルフの味方が気に入らない者に連れ去られたという噂、無事を信じ続けるヤコフ。そして極めつけは、リーザの部屋の前で幽霊を見たという証言の数々だ。部屋を訪れた姉妹は、確かに何か妙な気配を感じ取る。
消えた婚約者たちと、死の汚れ
翌朝、そのパメラとバートが忽然と姿を消していた。夜の間にバートの故郷へ出発した、という説明だが、移動手段は「安全のために教えてもらえない」決まり。あまりに都合が良すぎる。夜の探索で人目を引いた姉妹は、切り札を呼ぶ…見える場所ならどこへでも跳べる短距離転移魔法ディメンションムーブで、アークとポンタの登場だ。
あらためて調べたリーザの部屋で、姉妹は同時に確信する。「やっぱり、幽霊なんかじゃなかった」…これは死の汚れ。エルフには見える、アンデッド特有の瘴気だという。しかも何かの術で力が弱められており、訓練を積んだ者でなければ気づけないほど微か。幽霊騒ぎの正体はアンデッド絡みで、それを隠そうとする者がいる。床下からは気配と、秘密の抜け道らしき通路。疑惑は確信に変わった。
「呪いの里に聖女の霊が彷徨う」まとめと考察
地下へ…サブタイトルが示す「聖女の霊」
ポンタが激しく反応する先、地下から漂う死の汚れ。「ともかく地下へ降りてみよう」…物語はここで次回へ持ち越しとなる。サブタイトル「呪いの里に聖女の霊が彷徨う」を素直に読むなら、彷徨う霊の主は天使と慕われた里長リーザということになりそうで、想像するだに不穏だ。行方不明の聖女、帰り着かないエルフたち、弱められた瘴気、そして「大物が絡んでるかもしれない」というイビンの前置き。役者は揃った。
ネットでは、明るい里の描写ゆえに「一見平和そうなリーザの里はなんだかきな臭い」という声のほか、「怪しい保護施設の潜入調査としては目立つ二人だけど、アークとポンタがいるから安心感ある」という受け止めも。一方で「最初から拘束して地下に向かえば済む話」と手順を突っ込む辛口もあり、潜入劇の是非は賛否が割れたようだ。
個人的な収穫は何よりイビンである。原作では絡みが少なかったという彼女がアニメ独自にがっつり登場し、「一番アニメ化で印象が変わったキャラ」と評されるのも納得の愉快さと強さだった。地下に眠るものと、呪いの正体。次回が待ち遠しい。




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