『幼女戦記II』第8話「雷撃」感想|人間魚雷の発案者は自分

『幼女戦記II』第8話「雷撃」感想|人間魚雷の発案者は自分 バトル・アクション

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『幼女戦記II』第8話は、帝国が南方大陸からの撤退を決めるところから始まる。ところが同盟国のイルドアは厳正中立を盾に道を貸さず、同じ「中立」が連合王国にとっては満額回答になる。打開策として持ち出されるのが、有人誘導魚雷V2。しかもその発案者はターニャ自身だったことが回想で明かされる。副題どおりの雷撃戦と、勝った後に待っていた外交上の茶番までを描く回だ。

アニ
幼女戦記の第8話、ついに南方大陸から撤退が決まったのね!
ラン
同盟国のはずのイルドアが道を貸してくれないとか、厳しすぎるのね…なのね!
キャロ
そこへ久しぶりにドクトルが新兵器を持って出てくるんですね。
アニ
しかもその発案者がターニャさん本人でござる!これは因果だわね!

同じ「厳正中立」が、片方には拒絶で片方には贈り物になる

第7話でレルゲンは「西方の航空情勢は著しく悪化している」「東部どころか、南方大陸からの撤兵も検討されるほどだ」と伝えていた。第8話はその検討が決定に変わったところから始まる。

撤退の理由は、負けたからではない

ナレーションが状況を短く畳む。「泥沼化する東部戦線」「激化する西方航空戦」。そして「帝国は少しでも消耗を抑えんと、長引く自由共和国との戦いを切り上げ、南方大陸からの撤退を決定」

経路の選定にも理由がある。「他国に同盟関係を誇示するためにも、イルドア経由で派遣軍を帰国させる予定であった」。撤退そのものが外交上の宣伝材料として設計されている。だからこそ、その経路を断られた時の打撃が大きい。

断る側の言い分にも筋が通っている

イルドア側の会話がこの回でいちばん意地が悪い。「よろしいのですか」「我々は一応、他の国の友人なのですが」という確認に対して返るのが、「同盟国だからこそ講和の仲介も買って出たのだ」「それなのに連中と来たら、同盟国なら道を貸せとはな」だ。

第3話でイルドアは「平和という商品」を売り込み、その仲介は最高統帥府の拒否で潰れている。売った商品を突き返した相手が、今度は通り道だけ寄越せと言ってきているという順序になる。だから断り文句も冷たい。「講和して帰るなら、出口までご案内してさしあげよう」「だがね、我々を巻き込んでもらっても困るのだ」

決定は具体的だ。「帝国軍の通過は拒否」、寄港も24時間規則で縛る。中立国が中立を守っているだけなので、抗議のしようがない。

同じ知らせが、連合王国では「満額回答」になる

場面が変わると、同じ中立が正反対の意味を持つ。「満額回答ですな」「我が方の大使閣下が良い仕事を」「イルドアは厳正中立を確約しております」「最短の陸路経由は封鎖」。

そのうえで待ち構える。「帝国が海路で撤兵を強行すれば、海の支配者たる我々の眼前で」→「大海原の優雅なツアーですか」「歓迎会ですな」「彼らに振る舞う砲弾の代金ぐらいは」。

ナレーションが条件を確定させる。「連合王国海軍は列強随一」「帝国は甚大な戦力格差の中、友軍を守り抜かねばならなかった」中立とは、どちらにも味方しないことではなく、強い側に自動的に味方することだという形が、二つの場面を並べるだけで示されている。

▼ ネットの反応

幼女戦記Ⅱ第8話✨
情勢悪化を踏まえ、帝国は南方大陸からの撤退を決定する❗️
だが同盟国であるはずのイルドア王国は厳正中立を標榜し、撤退支援を拒否✋
帝国軍は、連合王国海軍が待ち構える内海を単独で突破しなければならなくなった

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任務概要は旅行代理店の真似事、そして久しぶりのドクトル

絶望的な条件が示された直後に来るのが、この作品らしい言い換えの応酬だ。

戦闘の話が、全部お迎えと歓迎会の言葉になる

作戦名はバルバロイ。任務概要は「旅行代理店の真似事だ」。中身は「連合王国艦隊を内海より退場させ、南方大陸派遣軍を、ロメール閣下たちをご帰国させる」ことである。

部下の受け答えもその調子に乗る。「南で戦っていた戦友らのお迎えですか」「ならば歓迎の花束が必要かと」「晩餐会用にビールとブルストの手配もよろしいですか」。返しが「歓迎ムードは結構だが、ロメール閣下は人気者すぎてな」「熱烈なファンが完全武装で追いすがってくるだろう」で、締めが「ならば鉛玉をプレゼントしてお別れ会を開かねばなりませんね」。

本音が出るのは同盟国の話をするときだけだ。「軍の通過が拒否された素晴らしい同盟国様だな」「風見鳥の目の前で連合王国のクソどもを地獄に叩き落とすぞ」敵より味方への皮肉のほうが濃いのがこの回の温度になっている。

V2は「つらい現実に向き合うための代物」

鍵を用意したのは技術省で、説明に出てくるのがドクトルだ。「無事で何よりだ」「貴官には神の御加護があったのだろう」から始まって、いきなり調子が全開になる。「今回の作戦の鍵は私が用意した」「見たまえ」「これだ」「V2」

説明が全部信仰の比喩で進むのがひどい。「思えばV1はまっすぐだった」「私の信仰のように曲がることなく、まっすぐ、ただまっすぐに飛んだ」「しかしV2は信仰者とともに自由に目的地へ向かえる」「言うなればつらい現実に向き合うための代物だな」

続きも同じ調子だ。「どの道を行こうと丘の上の理想へたどり着く」「まさに聖地への旅路を再現すべく、V2には最高の誘導性能をつけた」「信仰によって導かれ、諸君のように決して迷うことがないように」。聞かされている側の内心が「私に信仰心などかけらもないのだが」である。

安全性の保証が「主の御心次第」

使い方の説明が短い。「使い方はV1と同じだ」「諸君はこれを敵にぶつけるだけでいい」「ああ、直前の離脱も忘れないようにな」。そのうえで「たっぷりと積載された火薬が困難を吹き飛ばす様を間近で目にすることができる」と続く。

当然の質問が出る。「我々まで吹き飛ばさないという保証は」。答えが「うーん、こればかりは主の御心次第だな」「つまり安心していいだろう」だ。保証が信仰で代替されている

品質への不安にも自信で応じる。「これは海軍のマヌケどもが開発したウナギとは別物」。ここまでは、いつもどおり技術者が一人で盛り上がっているだけの場面に見える。問題はこの直後に来る。

▼ ネットの反応

幼女戦記Ⅱ 第8話

「人間魚雷になってください。」
はちょっと馬鹿が作った馬鹿みたいな兵器なんですけど、
それでも馬鹿みたいに戦果を上げちゃう
デグさんたちサイドにも問題があると思うんだ…
ドクトル…イカれた狂信者のマッドサイエンティストだけど作る兵器は間違いなく優秀なのが困る。

#幼女戦記

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言い出したのは自分だった、という一番後味の悪い回収

ドクトルが謝るところから空気が変わる。この回でいちばん効くのは、敵の砲弾ではなく過去の自分の発言だ。

「貴官と私の子供だな」

唐突な謝罪が入る。「ああ、すまない」「本当にすまない」「私としたことが傲慢に身を焦がしかけた」「我々の協力こそが、この奇跡を生み出したというのに」

そして種明かしが来る。「V2は貴官の提案と提言をきっかけに開発したのだ」「言うなれば信仰者同士の信仰による合作」「まさに貴官と私の子供だな」

回想の中で、確かに自分で言っている

回想が挟まる。「以前、私は現場将校の一人として技術者に招聘されていた」。そこでの議論はまともだった。「結局のところ主力艦の数を揃えぬことには、海上派遣はおろか、敵のそれに挑戦することもおぼつきません」「長期的には正解だとしても、今現在無策で戦えば、それは単なる浪費でしかありません」。

短期の代案も順に潰される。「水雷、特に航空雷撃は極めて有望かと」→「艦艇用魚雷ですら技術的にままならないのに、ましてや航空魚雷など」。「では運用の改善はいかがでしょうか」→「低速の潜水艦で主力艦を狙えるかね」。「素人の考えた一発逆転の必要はない」「秘密兵器で勝てるわけではないのだよ」

追い詰められた末に出たのが、この一言だ。「でしたらばいっそ、魚雷に魔導師でも乗せてはいかがですか」「魔導師に魚雷を敵艦まで誘導させ、直前で離脱」「確実に命中させるのです」「魔導師なら命中後の攻撃も可能です」

自分で使う気がないから言えた

戻ってきてからの独白が容赦ない。「そういえばそんなことを口にしたような気もするが」「誰だって自分で使う気がなければ、無責任にいいアイディアを現場に投げられるものだな」

この作品の主人公は、これまで一貫して合理性を武器にしてきた。第3話では陸戦条約の穴を突き、第5話では上官の計画を「無謀の一言に尽きる」と切り、第7話では最高統帥府に目指すべきゴールがないことを暴いた。その合理性が、今回は自分に返ってきている。しかも返ってきた形が、乗る人間ごと敵艦にぶつける兵器である。

責任の押しつけ先まで用意されている。「これも存在Xの嫌がらせか」「因果すぎる」。第7話の締めが「よくもこんな世界に放り込んでくれたな」「クソったれの存在Xめ」だったので、二話続けて同じ相手に責任が回っている。今回に限っては、発案者は本人だ

それでも切り替えは早い。「ああ、もういい」「もう分かった」「貴様がそのつもりなら、やるまでだ」

▼ ネットの反応

幼女戦記Ⅱ期8話 ついになんでも存在Xのせいにしだしたターニャさん

ということで幼女戦記の爆炎術式を再現してみた
魔法陣えぐすぎ…

#幼女戦記 #youjosenki

お借りしたモデルの作者様:@choen7458

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海の中の雷撃戦、祈る側と祈らない側

副題の「雷撃」がここで来る。ただし戦闘そのものより、その前後に置かれた台詞のほうが記憶に残る回だった。

12本しかない

潜水艦が捉えるのは「主力艦級が複数」「前衛に大型巡洋艦、メインは空母に戦艦」という編成だ。艦長は魚雷での攻撃を申し出るが、断られる。理由が「有視界距離が狭まるこの時間帯では」「そのための我々です」。

出撃前の確認が短い。「我が方のV2は12本のみ」「割り当ては慎重にいかねばならん」「空母と戦艦は絶対に仕留めろ」「手順を間違えるなよ」「魚雷の命中直前には離脱して浮上だ」。そして「指揮官先頭で私が行く」「ついてくれば済む話だ」「それ以上でもそれ以下でもない」

この一言があるので、以降の場面が「上官が部下を人間魚雷に乗せる話」ではなくなる。発案者が一番前を泳いでいる

「祈るだと」

部下が漏らすのは、この状況ではごく自然な一言だ。「祈るしかないですね」。ところが上官が食いつく。「祈るだと」「すまんが中尉」「まず人事を尽くしたまえ」「己の力、人の意志、それであるべきことをやり遂げるぞ」

直前まで、信仰で安全性を保証する技術者の話を聞かされていた。神に導かれる兵器に乗る直前に、神に頼るなと説教していることになる。前に置かれた場面が効いて、この訂正がただの信条表明では終わらなくなっている。

沈む側の絶叫と、それへの返し

迎え撃つ側は最初、完全に余裕だった。「夜逃げ中の帝国軍を撃滅し、南方大陸作戦を完遂か」「楽な仕事だな」「弱い者いじめにも程があるぜ」。それが「何だと?」に変わるまでが早い。

沈んでいく側から上がるのが「君は我らを見捨てたか!」「地獄に堕ちろ!」「クソタレの神め!」という絶叫だ。そこへ返るのが「祈る前に手を動かすことを覚えろ」「おめでたい連中め!」

続く独白が、この回でいちばん本人らしい。「これが近代人としての意地と誇りだ!」「神の思し召しなどクソくらえ」。溺れている相手に向かって、信仰の是非で勝ち誇っている。半分は八つ当たりだが、半分は本気の信条表明になっている。

締めが完全にいつもの調子に戻る。「憧れの印税生活のため、何としてでも生き残ってやる」。第7話でルーデルドルフに「無事に戦後を迎えたら、貴様の告白を絵本にして出してやろう」「タイトルはそうだな」「臆病者の英雄でどうだ」と約束されたときの返しが「ぜひご出版で印税を期待させてください」だった。戦場で思い出すのが印税の話である

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さぁ〜(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)TOKYOMXで〜幼女戦記Ⅱ 第8話 「雷撃」の〜始まりだ〜
#幼女戦記Ⅱ

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まとめ、勝った後に待っていたのは「12人の表敬訪問」という茶番

戦闘が終わっても話は終わらない。この回の後味は、勝利の直後に置かれた外交の場面で決まる。

規則の穴を、今度は自分たちが使う

戦果は明快だ。U-091の艦長が「お見事でした、中佐殿」「すでに連合王国の艦隊主力は撤退」「南方派遣軍は愉快な船旅に」と報告する。そこへ本国からの電文が届く。

読んだ反応が「なるほど」「24時間規則と中隊定数で逆手を取ると」「ここは一つ、観光旅行を楽しませてもらうとしよう」だ。冒頭でイルドアが帝国を締め出すのに使った規則を、今度は帝国が入り込むのに使っている。第3話の陸戦条約と同じ手口が、今回は外交の側で反復される

論語で歓迎し、面の皮が厚いと言い合う

イルドア側の会話が全部皮肉でできている。「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや」「ですな」「人知らずして恨みず、また楽しからずや」

立場の修正も露骨だ。「勝者には月桂冠ですか」「連合王国海軍はちと負けすぎた」「となれば我々も立ち振る舞いを微修正しますとも」「何せそれが許される中立国なのだから」。冒頭で帝国を断ったのと同じ口が、勝った側に寄り始めている。

帝国側の評価も一言で済む。「イルドアも全く面の皮が厚い」

受け入れるのは部隊ではなく、12人の表敬訪問

落としどころが徹底して形式的だ。「受け入れるのは部隊じゃない、単なる12人の表敬訪問」「イルドアがそう言い張ったところで、あれは魔導中隊だ」「いい踏み絵なわけで」

受ける側の本音が漏れる。「頭が痛い」「よりにもよってデグレチャフ中佐の部隊を受け入れか」「外交上、とてもつらい」。ところが同じ陣営の別の声は正反対で、「デグレチャフ中佐が待ち遠しい」「東部で大変お世話になりましてね」「表敬訪問してくれるとは嬉しい限り」と歓迎する。

理由が身も蓋もない。「あの劇物と縁を持っておいてよかった」「初対面ではとてもまともに対処できんからな」。第3話で最前線まで見学に来て、条約の穴を突く砲撃を目の当たりにした人物である。あの見学が、二年越しで人脈として計上されている

歓待の相談も茶番だ。「せっかくだ、檜舞台にしてやりたいのですが」「いやー、全くですな」「急なことで接遇の予算や場所に事欠き、申し訳ない」。要するにどちらも表に出したくない。

締めるのは帝国側のぼやきだ。「やれやれ、どこまでも茶番劇だな」「完全に裏口」「とはいえ潜水艦をこっそり受け入れるだけ」「騒がなければ」→「ここまで目立つのはさすがにどうなんだ」。第7話でルーデルドルフに「貴様アホか」と怒鳴られ、第5話では上官の計画を無謀と切って捨てた人物たちが、今回は誰も間違っていないのに全員が疲れている。

第8話は、勝った回である。派遣軍は帰り、艦隊は退場した。それでも残るのは、同盟国が道を貸さず、勝利の代償に外交上の面倒だけが増え、しかもその戦い方を発案したのは自分だったという後味だ。担当者を見ると、この回の絵コンテは宮﨑なぎさ、演出は矢口円で、どちらもシリーズ初登板。作画監督は前回の九人から二人に絞られている。脚本は第1話から通して猪原健太で、こちらは一度も分担されていない。

▼ ネットの反応

幼女戦記Ⅱ 8話視聴完了――
久々にドクトルの元気な姿も見れたし、アニメ版のロメール将軍閣下のお姿もようやく拝見できたし、素晴らしい回でございました。

レルゲン、カランドロ両大佐殿はおいたわしい限り……
#幼女戦記Ⅱ

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アニ
「祈るだと」って説教しながら神頼みの兵器に乗るの、ちぐはぐで最高だったわね!
キャロ
沈む相手に信仰の是非で勝ち誇るところ、半分は八つ当たりでしたね。
ラン
勝ったのに最後は12人の表敬訪問って呼ばれる茶番なのね…!
アニ
レルゲン大佐の胃がまた痛みそうでござる!次回も楽しみに待つわね!

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