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第27話「国語教師はブロンドヘア」。金髪にカウボーイ服の新任国語教師ナディーは、自由を教えるためにアメリカから来たと名乗る。だが放課後に告白された恋太郎は、「アメリカ人は基本的に告白しない」という一点から正体を見抜いた。彼女の本名は大和家の長女・大和なでしこ、日本生まれ日本育ちの100%日本人。厳格な家に否定され続けた過去を打ち明けた彼女に、恋太郎は「なりたい自分にひたむきで素敵」と答える。後半はファミリー全員で「自由な自分の姿」を披露する大会になった。




新しい国語の先生を待つ教室
前任は宝くじが当たって退職
第27話は、担任不在の教室から始まる。「国語の先生、宝くじが当たって辞めちゃうなんてね」に対して「78%の人間が早期退職を望んでいるというデータがある」「でも結局お金が足りなくなって再就職するまでがワンセットらしいですけどね」と情報が積まれ、「何そのアンハッピーセット」で落ちる。この作品らしい入り方だ。
そこから始まる予想合戦がまず楽しい。「本が好きな人だと嬉しいな」「私は優しい人だと嬉しいです」「円滑に授業を行える常識人がいい」という願いに、「教師として当たり前だよ」「アニメの要素じゃないですかそれ」「このアニメの新キャラだぞ」と身も蓋もないツッコミが入る。「国語特化型」「漢字だけで喋る人とか?」「中国語だよそれ」「ちょんまげの可能性が37%」と、期待値はどんどん斜めに逸れていった。
現れたのは金髪、カウボーイ服、星条旗
そして登場したのが金髪にカウボーイ服、星条旗柄のスカーフをまとったナディー先生である。「英語ティーチャーっぽいから突っ込んだですね」に返ってきたのは「固定観念に縛られるよくないで」。「英語オンリー、誰決めたですか?」「ティーチャーは真面目な服、法律で決まってるですか?」と、質問が全部こちらに返ってくる。
名乗りはこうだ。「ジャパンピーポー、ベリーベリー不自由。人はもっと自由に生きていいので。皆さんに自由を教えるために、自由の国アメリカから来たので」。当然「いや国語を教えろよ」と刺されるが、本人は「ティーチャーにベリーベリー突っ込み。ユー、フリーダム、エクセレント!」と喜ぶ。「そんで英語クソ下手なのは何なの?」には「アイアムのネイティブ英語、ジャパンピーポー通じないで」「バカにしてんのか!」。
放課後2人オンリー授業と、恋太郎の推理
「アメリカではノーマルな距離です」
恋太郎が居残り補習に呼ばれた理由が、そもそも通っていない。「アイジョウボーイ、ユーアー、眉毛が授業妨害です」。「どういうことですか?」と聞いても「アイアム、日本語よくわかりません」で押し切られる。国語教師なのに、である。
補習が始まると距離が近い。「ち、近くないですか?」「問題ノープロブレム」「それ問題が重複してますよ」。「アメリカではノーマルな距離です」「だとしても、ここは日本なんですから」。ハグまで繰り出して「ハグくらいアメリカでは挨拶です」、さすがに「でも今のは挨拶違います」と返される。
そして本題に入る。「アイアム、アイジョウボーイのことラブになってしまったみたいです」。教師と生徒だと自分でも認めたうえで、「でも関係ありません。人は自由に生きていいのです。恋は自分のハートにパーフェクトフリーダムであるべきです。だからアイジョウボーイ、アイアムと付き合ってください」と告げた。
決め手は「アメリカ人は告白しない」
ここで恋太郎が切り出す。「ナディー先生、本当は日本人ですよね」。根拠は順に積み上げられていた。日本で国語教師になれるほど日本語に詳しいこと。では日本文化が大好きで熱心に学んできた人なのかと思えば、掲げている思考はアメリカ的であること。その上で英語は独特であること。
だが確信したのは、まさにいまの告白だという。「世界的に見ても交際開始の告白の文化があるのは日本や一部の国だけで、アメリカ人は基本的に告白しないんですよ」。返ってきたのは「そうだった。恋なんて初めてで、周りが見えなくなってつい」。自分から仕掛けた告白が、そのまま自分の正体を割る決め手になってしまった。
明かされた本名が大和家の長女、大和なでしこ24歳。「英語がダメすぎて英語の先生になれなかった、日本生まれ日本育ち100%日本由来のザ日本人です」。「なでしこでナディー」「はい、ナディアとかじゃなくて」という身も蓋もない由来まで白状する。どうやって学校の先生になったのかは「勢いで」、アメリカから来たという話も「昨日行って、5分滞在してから来ました」だった。
大和家と、恋太郎の答え
「あなたなんか大和家の恥、日本人の恥だわ」
回想で見えるのは、琴のお稽古を強いられる少女時代である。「どうしておこともろくに弾けないの。それでも由緒正しい大和家の長女ですか。日本人として恥ずかしい」。本人の言い分は「お着物が動きづらくて。それに私、おこと好きじゃありません」だった。
彼女の疑問はまっすぐだ。「どうして着たくないお着物を毎日着て、したくないお稽古を毎日毎日しなくてはいけないの」。返ってくる答えは「私が大和家の長女に生まれたから」「日本人だから」でしかない。扉を強く閉めれば「私には静かに閉めなさいっていうくせに」と、理屈の通らなさも積み重なっていく。
決裂は、金髪に染めた頭と好きな服で帰った日に訪れる。「ならその頭は、その服は。あなたなんか大和家の恥、日本人の恥だわ。二度とこの家の敷居をまたがないでちょうだい」。だから彼女はこう言う。「日本人のくせにこんな頭を、こんな格好していること。こんな恥ずかしい人間、恋人にしてもらえるわけ」。
「なりたい自分にひたむきで」
恋太郎の答えが、この回の芯である。「何が恥ずかしいんですか。なりたい自分にひたむきで、それを包み隠さず表現できる先生に。とても素敵ですよ」。そして「ぜひ俺とお付き合いしてください」と、告白の向きをそのまま返した。
秘密を暴いて終わりではなく、暴いたうえで丸ごと肯定して申し込む。ナディーにとって恋太郎が「一番偉大な人」になるのに、これ以上の説明はいらない。登場のふざけ方から入ってここに着地するので、ネットでもこの結ばれ方は割と感動的だという評が並んでいた。
自由な姿のお披露目大会
「みんな同じスクール服はもったいないです」
ファミリーに迎え入れる話がまとまると、ナディーはさっそく注文を出す。「せっかくのフリーダム集団なのに、皆同じスクール服もったいないです。アメリカへの愛を全身で表現するアイアムのように、もっと自由な皆さんの姿を見せてください」。そこへ「それじゃ、どんな服でも私が発注しちゃうわよ」と羽々里が乗る。「敵だった頃の顔してんじゃないですよ」「まだまともだった頃とも言える」という応酬つきだ。
ところがこの先生、審査が異様に厳しい。「その程度では自由呼べません。もっともっとハートにフリーダムです」「雇用主にも、目上でもフリーダムです」。全身全霊を込めた案も「ボツです」で一刀両断され、「なんて他人にも自分にも厳しい人なんだ」と評される始末である。「なんだか彼女というより、新しい先生が来たという感じですね」というぼやきも出た。
お披露目はカオスの一言だった。ルフィ、キャプテンアメリカ、サンリオ、巨人の星、欽ちゃんの仮装大賞、感情に伴って尻尾が動く機能付き、マカロンの妖精、警察官と、統一感が完全に行方不明になる。圧巻は羽々里の「その自由に何でもなれるのなら、みんなと一緒にまた高校生に戻れたら」で、「今の母さんは紛れもない僕たちと同じ高校生ですよ」と全肯定される一方、羽香里だけが「完全にそういう店だろうと思った」と冷めた内心を漏らしていた。
免許証を見せるということ
全員のお披露目が終わると、ナディーは泣いていた。「全員、見違えたです。もうみんな、スクール服で自分を隠していたあの頃とは違います」。「ナディー監督!」と呼ばれるほどのダメ出しも、ここに繋がっていたわけだ。「あんなに厳しくダメ出ししてくれなかったら気づけませんでした。自分が本当はこんな姿になりたがっていたなんて」。もっとも、外野からは「いや、お前らは十分自由に生きてんだろ」という正論も飛んでいる。
そのお返しに彼女が差し出したのが、大和なでしこ名義の昔の免許証だった。「え? ヤマトナデシコ? 日本人?」とざわつくのも当然で、それは絶対に明かしたくない大切な秘密だったはずである。「アンド、これがアイアムにとっての、皆さんとファミリーになりたい気持ちです」。
締めの一言まで含めて良かった。「ずっと怖くて誰にも明かせず来たです。アイアムがジャパンピーポーのシークレット。こんなデイがカモンなんて。それもこれもレンタロウボーイが、アイアムのシークレット見抜いて、恥ずかしくないと言ってくれたおかげです」。そして「なんだかショルダー軽くなって、さらにフリーダムな気分です」。隠すのをやめた分だけ本当に自由になった、という順番が最後にきちんと示される。




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