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第4話は、寮のみんなで三峰神社へ雲海を見にドライブ。境内の縁結びスポットで、ぼたんはいぶきの名前を書きたいと願い出る。さらに郡上先輩とのレトロゲーム、川越の足湯カフェと、秩父の名所をお酒とともに巡りながら、ぼたん・郡上・やえか——それぞれの想いの矢印がくっきりしてくる一話である。




三峰神社と、縁結びの紙
雲海を目指す、寮のドライブ
第4話は、寮のみんなで車に乗り込み、雲海を見に三峰神社へ向かうところから。車はあかねが友達から借りたもので、足まわりを固くいじった走り屋仕様。郡上が運転を代わろうとしてエンストする一幕もあり、賑やかなドライブが幕を開ける。
盆地の秩父は、いろんな場所で雲海が見られる名所。たどり着いた三峰神社には、なんと境内に酒屋さんまであり、あかねはさっそく日本酒を買い込む。海外の蒸留所とコラボしたウイスキーまで並ぶ、お酒好きにはたまらない神社だ。
旅先の一つ一つに必ずお酒がある、この作品らしい多幸感が全開の導入。名所巡りとお酒がひとつながりになった、ゆるやかな空気が心地よい。
伊吹さんの名前を、書いていいですか
境内で二人が見つけたのは、結ばれたい者同士の名前を書いて奉納する縁結びの紙。少しの沈黙のあと、ぼたんがそっと切り出す。「伊吹さんの名前、書いていいですか。それで、もしよければ書いてくれますか」——。
そのまま「この日本酒、一緒に飲もうよ」と誘うぼたん。折しも眼前には見事な雲海が広がり、二人だけの静かな時間を包み込んでいた。
大胆なようで、ちゃんと相手の返事を待つぼたんの言葉選びがいい。願いを押しつけず、そっと差し出す。その距離感が、この二人の関係をやさしく前に進めていた。
郡上先輩と、レトロゲームの夜
初代プレステで、二人協力プレイ
場面は変わって、郡上の部屋。実況動画を見て思わず買ってしまったレトロゲーム機(初代プレステ世代の一台)を、彼女は下手っぴで全然進められずにいた。そこでぼたんが「二人で遊べるって書いてありますよ」と協力プレイに付き合う。
お供はコンビニで買えるレモン味のチューハイ。飲み会で余ったお酒を持て余していた郡上は、「いぶきはこういうの飲まなそう」と苦笑い。ゲームとお酒で、ゆるっとした夜が更けていく。
下手なりに楽しむ郡上の生活感が愛らしい。完璧に見える先輩の、ちょっと抜けた一面が見られるのも、この回の楽しみだ。
ハイボールとチューハイの違い
「ハイボールとチューハイって何が違うんですか?」というぼたんの疑問に、郡上が講義を始める。ハイボールはウイスキーを炭酸で割ったカクテルの一種。けれど焼酎やウォッカの炭酸割りもハイボールで、焼酎ハイボールだからチューハイ——と。
「ここテストに出るぞ」と得意げな郡上に、ぼたんは「なんだかいぶきさんと似てますね」と一言。お酒の蘊蓄を語りたがる者同士、いぶきと郡上の共通点が、さりげなく浮かび上がる。
知識を披露したくなる気持ちは、お酒好きなら誰もが分かるところ。そんな“似た者”が二人いることが、後の切なさへの布石にもなっている。
郡上先輩の、ほろ苦い想い
昔、一度だけ見たいぶき
ゲームの合間、ふと郡上が漏らす。昔、一度だけ大学近くのバルで、いぶきがお酒を飲む姿を見たことがあると。「それを見て、なぜだか辛いなって思ったの」——。
いつも一人で飲むいぶき。その横顔を遠くから見つめていた郡上の胸には、うまく言葉にできない想いが、ずっと降り積もっていたのだ。
「辛い」という一言に込められた感情の重さが、静かに効いてくる。多くを語らないからこそ、郡上の想いの深さが伝わってくる場面だった。
いつも自分ばっかり、いぶきと
そんな郡上に、ぼたんは「九条先輩も、いつも自分ばっかりいぶきと飲んでるくせに」と、軽口のように、けれど核心を突く一言を返す。いぶきの隣にいたのは、ずっと郡上だったのだ。
ぼたんの登場で揺らぎはじめた、いぶきと郡上の距離。その微妙な三角の関係が、甘いだけではないこの物語に、ほろ苦い陰影を与えている。
誰も悪くないのに、切ない。恋の矢印がすれ違う様子を、責める色なく描くのがうまい。郡上の想いに、そっと寄り添いたくなる一幕だった。
川越、足湯カフェの一日
小江戸ビールと、大正モダニズム
別の日、一行は川越へ。菓子屋横丁や時の鐘といったシンボルを巡り、たどり着いたのは足湯を併設したカフェ。ぼたんの気遣いで、いぶきには川越生まれの小江戸ビールが運ばれてくる。
銅製のマグに注がれたビールに、いぶきは「大正モダニズムを感じる」とご満悦。足湯に浸かりながらの一杯で、梅雨のじめじめも吹き飛ぶような、贅沢な時間が流れる。
お揃いの、大切な色
この日、遊佐あかねの足元には夏限定のオレンジのペディキュア。よく見ると、やえかの足にも同じ色が塗られていた。あかねが気に入ったその色を、やえかが塗ってあげたのだという。
ぼたんが無邪気に指摘すると、やえかは少し慌てる。いぶき曰く、それはやえかにとって触れられたくない、大切な色だったのかもしれない。やえかとあかね、二人だけの機微が垣間見える。
まとめ——広がる縁と、それぞれの想い
秩父の名所を、お酒とともに
三峰神社の雲海、川越の足湯カフェ。第4話は、秩父の名所をお酒とともに巡る観光回としても見どころたっぷりだった。行く先々の土地のお酒を味わう楽しさが、画面いっぱいに詰まっている。
旅とお酒を通じて、寮の面々の距離がまた少し縮まる。何気ない一日の積み重ねこそが、この作品のいちばんの魅力だと改めて感じさせる。
交差する、好意の矢印
縁結びの紙に名前を書きたいと願うぼたん。いぶきを想い続ける郡上。そして、大切な色を分け合うやえかとあかね。それぞれの好意の矢印が、少しずつ交差しはじめる回だった。
縁を結ぶ神社を舞台にした、まさに縁結びの一話。甘さとほろ苦さが同居する群像が、次回への期待をふくらませていく。




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