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羽々里の思いつきで開催が決まった春の学園祭。目玉のアイドルグループが全員骨折で出演不可となり、恋太郎ファミリーが代役としてステージに立つことに。元トップアイドルクオリコーチの特訓、「7人だけでやるしかない」という非情な提案、観客ゼロからの大逆転ライブ、そして秒で終わる新章まで。作画1万5000枚と話題のアイドル回を振り返る。




春の学園祭と、まさかの代役
TKG48、全員骨折
「人生、楽しいことは多ければ多いほど」。羽々里の号令で春の学園祭の開催が決定する。「春の学園祭って、各シーズンでお送りするつもりか」「というか、今まだ春なのだ」とメタなツッコミが飛ぶ立ち上がりからいつもの調子だ。目玉として呼んでいたのは大人気グループTKG48。ところが、よりにもよって全員骨折で出演できなくなってしまう。
日がなく他のアイドルも呼べないからと、羽々里は出し物の穴をファミリーで埋めることを提案。「なんで私たちがアイドルなのよ」「脚本が雑なのよ」とぼやきつつも、「私の美貌で皆さんを魅了して差し上げますわ」と羽香里が乗れば、楠莉は「歌って踊るの楽しそうなのだ」。唐音も「別に興味なんかないけど、やってやるわよ」とツンデレ全開で、羽々里本人まで含めて総出演が決まった。ちなみにナディーの「ヨネズ来るですか」には、ヨネズのヨネは米国から取ったものではない、と冷静な訂正が入った。
恋太郎は「みんなならきっと…いや、絶対最高のステージになる」(それ本番当日のテンション)と宣言し、自分は全力サポートに回る。この時点ではまだ誰も、彼のサポートの本当の規模を知らない。
クオリコーチの特訓
レッスンを担うのは、羽々里が連れてきた元トップアイドルのコーチ。「アイドルにとって一番大切なものとは何だか知ってるかしら?」という問いに「努力!」と答えるファミリーへ、返ってきたのは「パフォーマンスのクオリティー」。高いクオリティーを武器にアイドル界をのし上がってきたという彼女、通称クオリコーチの口癖は「クオリクオリいくわよ」だ。
特訓では、少しやっただけで様になる「ハイスペッククオリティー」組や「体力クオリティー」組が評価される一方、苦手組には「お遊戯会クオリティー」と容赦ない判定が下る。やることなすこと和風になってしまうナディーは「日本舞踊クオリティー」で、「あなたは何なの、アメリカ人のくせに」と叱られて、むしろ照れるのが彼女らしい。
「何に置いてもクオリティー、何を捨ててもクオリティー」という信念は本物で、レッスン自体は的確なのが厄介なところ。タオルとドリンクを配って回る恋太郎のマネージャーぶりも板についていた。
「7人だけでやるしかない」
苦手組の自責と、非情な提案
それでも本番までに一度も通しが成功しない。「ごめんなさい、私が足を引っ張ってるせいで」「いいえ、私もですよ」と、苦手組は自分を責め始める。未完成のまま人前に出れば、できているあの子たちまで笑い者になる。だったら自分たちは参加しない方がいいのではないか、と。
同じ頃、クオリコーチは上達組を集めてこう告げていた。「ステージを成功させるには、7人だけでやるしかないわ。あなたたちのセンスなら十分観客を魅了するクオリティにできる。でもあの子たちがいると、その努力も才能も報われない」。実力差という現実を突きつける、正論の顔をした非情な提案だ。
どちらの側も「相手を笑い者にしたくない」が出発点なのが、この作品の優しいところ。問題はその優しさが、すれ違うと全員をステージから遠ざけてしまうことだった。
ファミリーの答えと、新コーチ
だが上達組は誰一人頷かない。楠莉は「みんな一緒のほうが絶対楽しいのだ」、羽香里は「努力や才能が報われるべきなのは、あの子たちも同じですわ」。唐音に至っては「みんなで頑張ってきたから、私たちもここまで頑張れたってやつなんじゃないの。なんて思ってないんだからね」と、照れ隠しごと本音をぶちまけた。しかもその一部始終を、当の苦手組が聞いていたからたまらない。「てめえ…」と赤面する唐音がごちそうだった。
怒ったクオリコーチは降板。困るファミリーに手を挙げたのは恋太郎だ。「もしよければ、俺にやらせてくれないかな。みんなのレッスン動画をDVDが焼き切れるまで見てたんだけど」(聞いたことねえんだよそんな事例)。ダンスが得意な組で全体をフォローし、苦手なみんなには歌のパートを厚く振る。全員が輝ける振り付けへのアレンジ案に、「私たちも、みんなでステージに立ちたい。もう絶対に諦めたりしない」と一同の心が決まった。
観客ゼロからの大逆転
裏で動いていた、クオリコーチ
迎えた本番。ところが客席は、謎の大いなる力で家族全員が来られなかったことを差し引いても、まさかの観客ゼロ。原因はすぐに判明する。会場の向こうで、あのTKG48がサインに握手にツーショット撮影までしてくれるイベントが始まっていたのだ。
仕掛け人はクオリコーチ。「悪いわね、全員骨折してるのに呼びつけちゃって」と、恩師の顔で教え子たちを動員し、「私のクオリティを否定した、世間知らずで愚かなあなたたちに教えてあげるわ。クオリティの低いステージなんて、誰も見向きもしないのよ」と宣戦布告する。骨折した手で書かれるサインは、ネットの反応で「クォリティこそ全てとは」とツッコまれていた。
「ステージを盛り上げるのは、俺たち観客の仕事でもある」
誰もいない客席の前で、恋太郎が動く。「ステージを盛り上げるのはアイドルだけの仕事じゃない。俺たち観客の仕事でもある」。タンクローリーに轢かれながら駆けつけたヒロ叔父さんと二人、今日まで作り込んできた応援人形を展開。人は人の群れにこそ集まるから、二人がプラス10体ずつ動かして声を出せば合計22人の集団になる、という力技だ。「このステージを大成功以外になんて、最高の思い出以外になんて、絶対にさせるもんか」。
そのバカでかい声援を頼りに、道に迷っていたかつてのライバルたちまで続々と到着。2曲目には人の群れが本物の観客を呼び、客席は満員に。ステージのみんなも、チラシにコーチに人形にと、恋太郎がどれだけこの日のために動いていたかに気付いていく。
様子を見に来たクオリコーチは、輝くファミリーを見て立ち尽くす。「どうしてあの子たちが、あんなに輝いて見えるの?」。クオリティーの人が最後に目撃したのが、数値化できない輝きだったという幕引きが実にきれいだ。
「アイドル伝説恋太郎ファミリー」まとめと考察
秒で終わった、新章アイドルロード編
ライブは大成功。するとファミリーの前に大手事務所のスカウトが現れる。「あなたたちならきっと…いえ、確実に世界を取るアイドルになれる!」。学校を続けてもいい、守るべきルールはたった一つ。画面には堂々と「イチャラブ学園生活編 完」「新章 アイドルロード編 突入」の文字が躍る。
そのルールとは、「恋をしないこと」。次の瞬間、「わたしたち、普通の女の子に戻ります!」と全員即答で辞退。アイドルロード編は史上最速で完結し、「次回より新章 イチャラブ学園生活編 突入」で幕を閉じた。彼女たちは恋してこそ輝く、という作品の芯を1分でやり切る、見事なオチだった。
作画1万5000枚のライブ回
ネットの反応は、制作バイブリーアニメーションスタジオが作画枚数1万5000枚を投じたと話題のライブシーン一色。「28話伝説やろ」「2D作画メインのダンスシーン回」と絶賛が並び、挿入歌の配信開始も合わせて祭り状態となった。実力差に悩む仲間を誰も切り捨てず、観客席から支える主人公という、100カノらしさの詰まった大団円だ。
雑に始まって熱く終わる、この振り幅こそ本作の真骨頂。学園生活編に戻った次回、今度はどんな思い出が積み上がるのか楽しみに待ちたい。




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