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長年連れ添ったガラケーがいよいよ昇天し、佐々木はついにスマホデビュー。ホーム画面にも戻れない男が頼ったのは「お願いします、田山先生」だった。フリック入力に新聞アプリ、文字の拡大…手ほどきの合間には「山田さんの番号あげようか」の悪魔のいたずらも炸裂。後半は煙草の銘柄占いが引き起こす正座の謝罪と、「クールだけど優しい」の不意打ち、そして半袖の山田さんと「うるさい、腕派」まで。第4話「スーパーの裏で学ぶひとり」を振り返る。




ガラケー昇天、スマホデビュー
「ジジくさい」と言われた矢先に
発端は同僚・鈴木のいじりだ。新聞紙を広げて老眼鏡の佐々木に「ジジくせぇなぁ」、新聞もスマホで読める時代だと乗り換えを勧めてくる。「これまだ壊れたりしてないし」と渋った、まさにその矢先である。「あれ、おかしいな。画面が真っ暗だ」。急いで修理を、と慌てる佐々木に、鈴木は容赦ない。「あんな化石、修理できるやつこの時代にいねぇよ。諦めてスマホ買いに行けよ」。
かくして長年の相棒は昇天し、スマホデビューと相成った。ところが手にした板は全くの未知。「なんだこの画面」「最初の画面にどうやったら戻るんだ」…完全に詰んだ佐々木は、スーパーの裏で頭を下げる。「スマホを教えてほしい。お願いします、田山先生」。「てか佐々木さんガラケーだったんだ。ぽいねぇ」と笑いつつ、「いいよ、教えてあげる」と快諾する田山であった。
田山先生の講習…フリックと、アカウントの洗礼
講習は「使いそうなやつだけサクッと」の方針だ。さすがにホーム画面には戻れると思うから飛ばすけど、の一言に「ごめん、それも教えてほしい」と返す生徒のレベルがすさまじい。フリック入力は「ボタンタッチして、打ちたい文字にスイってしてみて」→「スイ」→出てくる違う文字。あえなく別の入力方式へ変更となった。
「俺、スマホで新聞読んでみたいんだけれど」という夢には、アプリを入れるにはまずアカウントを作ってログインして、新聞アプリ側でもまたアカウントを…という現代の洗礼が立ちはだかる。見かねた田山の「私が入れる」で一件落着し、「すごいなあ田山さん」と尊敬の眼差し。使っていくうちに慣れるしかない、という身も蓋もない結論まで含めて、スマホ講習の実態をこれでもかと詰め込んだ描写が身につまされる。
文字の拡大と、悪魔のいたずら
「ああ、もうあげちゃった」
続いてのお願いは「スマホの文字、大きくできたりする?」。「なんでスマホダメダメなのに字大きくできるの知ってんの」という鋭いツッコミへの答えは「携帯でもできたから」…要するに年季の入った老眼である。設定するから貸して、とスマホを預かった田山は、ここで悪魔の提案を繰り出した。「そうだ佐々木さん、スマホデビュー祝いに山田さんの番号を教えてあげようか」。
慌てた佐々木は「いらないいらない結構です」「絶対ダメだ。個人情報になるから、ましてや山田さんのだなんて」と全力で拒否…自分の番号なのに。畳みかける「ああ、もうあげちゃった」で悲鳴を上げさせてから、「ま、嘘ですけど」。仕上げに文字を大きくして「はい、字読みやすいよ」と返す手際まで完璧だ。ネットでも、散々からかわれながらスマホを丸ごと預けてしまえる信頼関係を尊ぶ声が上がっていた。
煙草の銘柄占い、まさかの結果発表
一方、鈴木がまた余計な知恵をつけてくる。煙草の銘柄でそいつの性格が分かる「銘柄占い」、飲み会で若い子に受けるネタだという。ちなみに鈴木自身は「何事にも一途で浮気もしない尽くすタイプ」…「でも周りが見えず空気が読めないとも書いてあるよ」と余計なところに気づく佐々木へ「空気読めよ」と返す様式美である。
これをスーパーの裏で試したのが運の尽き。佐々木の結果は「人を見下している割に、性癖はマゾより」。こらえきれず噴き出した田山は、笑いすぎて煙草が吸えない。では田山さんは…と見れば「二面性があり、実は性欲が強い」。「こういうのって、だいたいオチに下ネタ持ってきがちだよね」「作った人の偏見強めっつーか」と一刀両断しつつ、ぽろっと漏れる「ま、一部当たってて笑っちゃったけど」が最高だ。「二面性」の本当の意味を知っているのは視聴者だけ。この作品ならではの皮肉が効いた名場面である。
正座の謝罪と、半袖の山田さん
「馬鹿な佐々木さん」…そして「クールだけど優しい」
結果発表の後、佐々木は煙草も眼鏡もどこへやら、その場で正座していた。「正座してどうしたの? タバコは? メガネは?」と戸惑う田山に、変な話題を振ったことを全力で詫びる。対する田山の返しが染みる。確かに私は下ネタ嫌いだけど、どうせ若い子が楽しんでくれるかなと思って話したんでしょ。「私のためによかれとやって謝って…馬鹿な佐々木さん。別に私怒ってないから」。
そして佐々木の、無自覚の反撃である。「二面性っていうのは当たってるかもしれないね。前から思ってたんだけど、うまく言えなくて。でもやっぱりそうだ。クールだけど優しい。田山さんってそういう子だよね」。あまりの不意打ちに、田山は吸いかけの煙草を忘れる有様。「怒ってないでしょ、笑ってるし」とはぐらかしつつ緩む口元がすべてを物語っていた。ネットでも「二面性があるって言われてドキドキ」する田山の反応がしっかり拾われている。
山田さんのレジと、営業先の顔
翌日、買い物に来た佐々木は「結局昨日は田山さんに不快な思いをさせて終わった。こんな奴が山田さんのレジに並んでいいのか」と落ち込み中。そこへ当の山田さんから「お客様、こちら先に空いてますのでどうぞ」と天の声がかかる。遠目の店長も「何か面白いことあったんだろうな」と面白がる始末で、レジの山田さんはよほど上機嫌だったらしい。
場面変わって営業先では、「佐々木さんが送ってくれた提案資料、ほんと助かりましたよ」「社長も大喜びしてましたわ」と株が高い。くたびれたおじさんに見えて、仕事はきっちりこなす男なのだ。クールビズ談義から「今日は直帰できそうです」の流れで、物語は夕方のスーパーへ向かう。
マイナスイオンと、すごい汗
夕方まで暑い日、アイスでも買って帰るかと寄ったスーパーで、佐々木は半袖の山田さんを目撃する。「今日は夕方から出てたのか。なんていい日なんだ」…そして「山田さん…アイスいらないな。帰ろう」と、何も買わずに撤退した。
当然、裏で田山の尋問が待っている。「昨日、山田さんいたのに買い物やめたでしょ。なんで」「またどっかから見てたの」「でかいおじさんが入り口でぼっ立ちしてたら目につくでしょ」。苦し紛れの言い訳が傑作だ。「今日は暑くてアイスを食べたかったんだけど、店にマイナスイオンが満ちてたから、十分涼めたんだ」。「なーんだ、山田さんの半袖で暑さ吹っ飛んじゃったとかじゃないんだ」の揺さぶりに「違う違う違う」と早口になり、追い詰められた末の白状が「半袖がとても似合う人だなと思っております」。「佐々木さん、すごい汗」。この追い込み漁のような会話劇、今週も冴え渡っている。
「スーパーの裏で学ぶひとり」まとめと考察
お腹冷えちゃわない? そして「うるさい、腕派」
幕引きはもう一段の照れ合いだ。上着姿の田山に「暑くないの?」と聞けば、「私、中薄着だし。佐々木さんには負けるよ」とちらり。うっかり目にしてしまった佐々木は「お腹見て本当ごめん」と謝りつつ、今度は「それ、お腹冷えちゃわない?」を連呼して心配モードに突入する。挙げ句「これよかったら。夜はまだ風が冷たいし」と差し出すおせっかいへ、田山の返答はただ一言…「うるさい、腕派」。
半袖の腕には見とれたくせに、お腹の心配しかしない男への、これ以上ない総括である。「「腕派」って一体…というところが鈍いんだろうな、俺は」と首をひねる佐々木と、「お腹より腕が好きってか、佐々木」とぼやく田山。ネットでも「腕派? 腹派? どこ派ですか?」と大喜利状態になっていた。
第4話「スーパーの裏で学ぶひとり」は、学んでいるのは佐々木ひとり…と見せかけて、田山の側も「クールだけど優しい」の不意打ちや老眼鏡へのときめき(ネット認定の眼鏡フェチ)で、確実に何かを学ばされている回だった。銘柄占いの「二面性」を巡るすれ違いは、山田さんと田山さんの秘密を知る視聴者への最高のご褒美だ。ゆっくり流れる時間を「めぞん一刻」に例える声にもうなずける、極上の癒し回である。




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