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英雄と称されたディアスが、領民もいない草原にたどり着くところから物語は始まる。広大な土地で途方に暮れる彼の前に現れたのは一角の少女アルナーだった。敵意を抱かずに誠実に接すると、彼女の角が青く輝き出したという。




英雄ディアス、辺境の地へ
救国の英雄とネッツロース
長い戦争で武勲を上げ、人々から救国の英雄と称えられたディアス。その彼が与えられたのは、広大な草原がどこまでも続く辺境の領地、ネッツロースだった。領民は一人もいない、文字通りの無人地帯。
周囲には岩山が見える程度で、一見して生活基盤が整っているとは言い難い場所だ。
ディアス自身も途方に暮れていた様子だが、それでも国王の命に従い、新たな領主としての生活を始める決意をする。そんな彼の前に現れたのが、一角を持つ少女アルナーだった。草原にぽつんと佇む彼女は、ディアスの運命を大きく変えることになる。
魂鑑定の光と鬼人族の村
敵か味方かと問うアルナーに対し、ディアスは誠実な態度で答えた。すると彼女の頭部にある角が青く輝き出す。これは鬼人族特有の能力、魂鑑定の光だという。
この光は、相手が幸福や恵みをもたらす者かどうかを判断する力を持つ。アルナーがディアスを恵みをもたらす者と見抜いたことで、村への招き入れが許可される。
村を率いるのは、族長のモール。実は鬼人族は草原の支配権を巡って王国と長年争い、50年前の敗戦以降、角の魔力による隠蔽魔法で村ごと姿を隠して暮らしてきた「王国の敵」だった。それでも「あんたは珍しいくらいの青だ」と、ユルト(組み立て式の家)や食料、家畜まで分けてくれる。条件はただ一つ、村のことは王様にも秘密にすることだ。
出会いの草原、戸惑う心
広大な大地と、そこにある「何もない」現実
国王から与えられた領地…想像していたよりもずっと、何もない場所だった。緑の草原がどこまでも続き、風が優しく吹き抜けていく。もちろん、それが悪いわけじゃないんだ。
ただ、本当に何もない。家も建物も、畑も道も、そして領民もいない。ディアスは戦斧を肩に担ぎながら、その広大な大地を見渡した。
英雄として迎えられた喜びも束の間、目の前に立ちはだかるのは、文字通りのゼロからのスタートだった。
草原一面の風景が広がっていて、どこから手を付けていいのか分からなくなるような気持ちになる。それでもディアスは、この地で何かを成し遂げたいという強い意志を感じていたんだ。少しでも領民が増えるように、何かしなければ…。
その時、遠くの方角から、小さな影が見えた。
蒼角の少女アルナーとの出会い
ディアスが注意深く見つめていると、影は次第に大きくなり、やがて一人の少女の姿を現した。亜人種である鬼人族のようだった。彼女の名前はアルナー。
草原で野宿していたディアスを見下ろして、「お前はバカなのか?」と警戒心たっぷりに問い詰めてくる。それでもディアスは、ひとつも嘘をつかずに答えていく。
「敵か味方か」と迫られたディアスの答えは、「私はあなたの味方だ! たとえどんな敵が相手でも、あなたを守ってみせよう!」。その瞬間、彼女の頭部にある角が淡い青色に輝き始めたんだ。
それは鬼人族特有の能力、魂鑑定の光だったらしい。アルナーはディアスの魂を読み取り、彼が幸福や恵みをもたらす者だと判断したのだ。その瞬間、戸惑いと期待がないまじりに、これから始まる生活への予感が胸に広がった。
この出会いが何かのきっかけになるみたいだし…。自分も早く領地を開拓したいな。
村での暮らし、善意の連鎖
アルナーに導かれて
アルナーに導かれ、村の中へと足を踏み入れると、穏やかな空気が肌を包んだ。人々は皆、ディアスを見るなり微笑みを浮かべ、温かく迎え入れてくれた。アルナーの角が青く輝いた時、彼らは「幸福や恵みをもたらす者」だと認めたのだという。
正直、まだ自分がそんな存在なのか信じられない気持ちもあったけれど、村人たちの視線は紛れもなく友好的だった。ディアスが村に足を踏み入れた瞬間から、何か良い変化が起こり始めたのかもしれない。
族長モールの前で、ディアスは半生を包み隠さず語る。10歳で両親を流行病で亡くし、孤児たちをまとめて必死に生き、15歳で志願兵になって20年戦い続けた。その間、魂鑑定の光は一度も濁らなかったという。
「親の遺言守ってその年まで生きてるような正直者の馬鹿者は初めて見たね」と、モールは呆れ半分に笑う。領民にはなってやれないが応援する、という距離感が心地いい。世話係として貸し出されたアルナーに、草原での暮らしを教わる日々も始まった。
本能のまま力任せに戦斧を振り回す
狩りを勧められる
鬼人族は領地の領民にはなってくれなかったが、共存関係のような最初の世話だけはしてもらえるようだ。鬼人族の男衆に簡易的な家を建ててもらい。羊?を少し分けてもらう。これだけで生活しろというのだ。
アルナーは少しの間ディアスの世話係を頼まれているだけで、アドバイス程度の事しかしてくれない。そのアルナーは黒牛でも狩ってこいこいと言う。獣よせの粉を使いそこに現れたのは無数の黒い牛。
途方に暮れていたところにちょうどいい。何も考えず戦斧を黒牛に打ち下ろす。仕留めた1頭をアルナーに見せると、今までの態度は嘘のような、急に親密な態度に驚いでしまう。
ここでは本当に狩りや力を誇示するとここそが、素晴らしい人間なのだという価値観を改めて実感した。
互いを尊重する日々
最初はぎこちなかったけれど、村人たちは根気強く付き合ってくれ、次第に要領も掴めてきた。何よりも面白いのは、鬼人族の価値観「男気」。働き者か、甲斐性があるか、全部ひっくるめた「男の価値」のことらしい。
マタタビの粉末を加減も知らず全部まいて、寄ってきた獣の群れを「本能のまま力任せに戦斧を振り回す」戦法で30頭以上仕留めたディアスは、一躍「男気のある男」と認められることに。毛皮や肉は村への立派な手土産になり、アルナーの機嫌まで良くなるのだから面白い。
アルナーはかいがいしく料理を作ったり世話してくれるようになった。
死闘そしてプロポーズの言葉
巨大な亀との邂逅
アルナー相談していっしょに狩りに行くことになった。見つけたのは亀だった。どうみても亀だ。アルナーはこれをアースドラゴンと呼んでいる。
亀は戦斧にひびが入るほどの硬さ。アルナーは亀の瘴気で弱っている。亀はアルナーに狙いを定める。この瞬間の隙に亀を打ち倒すことができた。
突然の告白に戸惑うばかり
その前に描かれるのが、探索魔法で大物を見つけたアルナーとの共同狩りだ。現れたのは巨大な亀のようなモンスター、アースドラゴン。「とりあえず一発殴ってみよう」と挑むディアスは、頑丈な甲羅に苦戦しながらも、彼女に危険が迫った瞬間「どんな敵が相手でも、私はあなたを守る!」と誓いを叫ぶんだよね。
一方、SNSが「1話で結婚アニメ!?」とざわついたのが、モールの縁談攻勢だ。「アルナーと結婚するなら、美人で働き者だから結納品はやや多めになるよ」「角ありと角なしでもちゃんと子供はできるさ」と畳みかけられ、「違う、全然違う」と大慌てするディアス。化粧をして狩りに同行するアルナーの変化も含めて、二人の距離は確実に縮まっているんだ。
村人たちの笑顔が原動力
モールさんたち鬼人族は、狩りの獲物とユルトや物資を交換してくれたりと、領地運営を何かと支えてくれる。この土地で共に生きていく決意を新たにしながら、自分なりにできることを一つずつ積み重ねていこうと心に誓ったんだ。




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