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ファーストブルームでウィルに5つの派閥から祝福が殺到する第19話「もう下を向かないと彼は言った」。だが乗員クロイツが「剣は魔法使いではない」と異端審問を仕掛ける。追い詰められたウィルに手を差し伸べたのは、意外にもユリウスだった——打算と本心が交錯する特訓回を振り返る。




5つの派閥からの、祝福
ゾクトニアを両断する、ウィース
ファーストブルームで、ウィルは塔の番人ゾクトニアを盾ごと両断してみせる。テルミナリアで特異種を退けた力「ウィース」——吹雪と剣風をまとうその一撃に、居並ぶメイジたちも「本当に魔法なのか」と息を呑む。
敵の動きを完全に見切り、次々と番人を斬り伏せていくウィル。無色のまま挑んだ少年の圧倒的な戦いぶりが、塔中の視線を釘付けにする。
前代未聞、5派閥の色
その活躍を受け、ウィルに氷・炎・土・風・闇の5つの派閥から色の祝福が一斉にもたらされる。複数属性者でもないのに5派閥からの勧誘とは、前代未聞の椿事だ。
「おいしいとこどりめ」——周囲が羨むほどの快挙。無能者と呼ばれた少年が、ついに実力で塔に居場所を掴んだかに見えた。
クロイツの、異端審問
「彼は魔法使いではない」
だが、乗員のクロイツが待ったをかける。「彼の魔法は魔法と呼べる代物ではない。他者の魔法を流用しただけ。本質はメイジではなく、粗暴な戦士だ」——剣士ウィルを塔に迎えることへの、強い拒絶だった。
「ドワーフも同然の存在を塔が迎えれば、世界がいかなる断を下すか」。エルノールらも同調し、場はウィルを裁く空気に一変する。
倒せぬ魔物、ウォースウーズ
クロイツが証明を求めて放ったのは、ドワーフ鎮圧用の魔法生物ウォースウーズ。魔力を浴びれば砕けるが、その粘液の肉体は魔力を生み出すため、魔力を生み出せぬ者には絶対に倒せない。物理攻撃も完全に無効化される、剣士にとって天敵のような相手だ。
「これはオーディションではない。異分子を裁断する、異端審問だ」——放電で追い詰めるクロイツ。ウィルはコアを狙うも、それすら粘液状で捉えどころがない。
エルファリアの怒りと、ゼオの目
ぶち切れる、幼馴染
あからさまな“処刑”を前に、ついにエルファリアの堪忍袋の緒が切れる。「クロイツ、話が違います。私は今、ぶち切れようとしています」——普段は静かな彼女の静かな怒りに、場の空気が凍りつく。
キャリオットがなだめ、その場はセカンドブルームでの再挑戦へと持ち越される。テルミナリアの被害で人員補充を急ぐ各派閥のため、わずか1週間後に次の開祭が組まれたのだ。
這い上がる者を好む、雷
5派閥が祝福を与えた中、雷のゼオだけはウィルに何も授けなかった。「あれはあなた様の好みかと」と問われ、ゼオはこう返す。
「バーカ、まだ俺のことが分かってねえのか。どん底から這い上がってきた奴の方が面白いし、強えに決まってるだろうが」——ゼオがウィルに向ける、荒っぽくも確かな期待がにじむ一幕だ。
ユリウスの、打算と特訓
割って入った、氷の貴公子
エマたちが炎の派閥への同行にウィルを誘う中、「この落ちこぼれは私と特訓する」と割って入ったのがユリウスだった。「お前を仲間だと思っているんだ」という言葉に、ウィルは素直に礼を述べる。
だがその内心は打算だらけ。「エルファリア様の幼馴染を手助けしてポイントを稼ぎ、汚名返上する。このドワーフもどきを利用し尽くして氷の派閥に入ってやる」——他のキャラが皆ウィルに絆される中、ユリウスだけは頑なにキャラを崩さない“計画通り”ぶりが逆に清々しい。
魔力の定着という、活路
ユリウスの特訓は理にかなっていた。ウィルの弱点は、ウィースが他者の魔力に依存していること。そこで「魔力の定着」——借り物の魔力でも一生維持し続ければ、それは自分の魔法になる、という発想だ。
低級ガーディアンを破壊しないよう出力を抑えて立ち回る、ガーディアンを枷にした魔力制御特訓。セカンドブルームで戦うウーズ対策として、目的から逆算した無駄のない課題だった。
まとめ――もう下を向かない
借り物を、自分の魔法に
「お前は6年間、初歩の魔法一つ使えなかった。今さら既存の魔法を覚えるより、持っている力を使いこなす方がよっぽど建設的だ」——学年トップ3のユリウスの指導は的確で、ウィルは「0から1を生み出す」挑戦へと踏み出す。
打算から始まった師弟関係。それでもウィルは、差し伸べられた手を信じてまっすぐ前を向く。“もう下を向かない”——タイトルの言葉が、二人の特訓に静かに重なる。
魔女の教えへ
借り物の力を、いつか完全に自分のものへ。セカンドブルームまでの一週間、ウィルとユリウスの青春のような特訓が始まる。
次回・第20話のタイトルは「魔女の教え」。ウィルの前に、また新たな導き手が現れる——物語は次なる局面へと進んでいく。




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