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街のすぐ近くに、何の兆候もなく突然「生えた」野良ダンジョン。緊急の調査依頼を受けた暴食の卓を待っていたのは、翼の生えた迷子の子猫だった。昔飼っていた猫にちなんで「ごまみそ」と名付けた瞬間、まさかのネームド化=テイム成立。さらにダンジョン初ごはんは、討伐したコカトリスの肉をコカトリス南蛮に仕立て、味の暴力ことタルタルソースで一同を骨抜きに。かわいさと美味しさの裏で、魔物が見かけ倒しという不穏な違和感が静かに積み上がっていく。




兆候なしで「生えた」野良ダンジョン
緊急依頼、前例なき出現の謎
朝ごはんの後、昨日の報告のためギルドへ向かおうとした矢先、暴食の卓に緊急の知らせが飛び込む。街のすぐ近くに野良ダンジョンが出現、それも魔素の歪みのない場所に「突然湧いて出た」というのだ。「そんな馬鹿な話があるか」と疑うヴィルに返ってきた答えは「実際、生えてきた」。
ダンジョンが急に発生すること自体は前例がないわけではない。ただし本来は、多くの人が亡くなった場所に穢れが溜まる、魔力や地脈の流れが乱れて空間が歪む、といった兆候があってからコアが生成されるもの。昨日まで何もなかった場所にいきなり現れるのはあり得ない、という世界観の説明が今回の肝だ。魔物が街へ流れ込む可能性も捨てきれず、騒ぎを避けるため箝口令が敷かれてギルド職員はてんてこまい。そこで実力を見込まれたのが暴食の卓だった。「先日のファイアベアといい、昨日のベビープループといい、本当に何か起こっているのかもしれないな」と、ヴィルは依頼を引き受ける。ここ数話の違和感が一本の線になり始める導入である。
楽しそうなシーラさんと、徒歩15分の現場
長期任務に備え、リンは食料の買い出しへ。付き合ってくれたギルド職員のシーラは服まで見立ててくれて、「えらい楽しそうだったな。ストレス溜まってるんだろうか」とリンが心配するほどのはしゃぎっぷりだった。てんてこまいのはずのギルドの人が一番楽しそうという構図に、視聴者からもツッコミが飛んでいた。荷物はモーちゃんに搬入済み、人目につかないギルドの中庭まで貸してもらう手回しの良さである。
現場は街から歩いて15分ほど。「こんなに街の近くだったんですね」という距離感が、そのままギルドの焦りの強さでもある。モーちゃんで突っ込んだ方が早いのでは、というエドの案は「踏破するならともかく、今回は情報収集も大事な仕事だ。一歩ずつ地道に進まないといけない」とヴィルが却下し、今回は徒歩で探索。前衛にヴィルとアリア、リンを挟んでエドとセノンという隊列だ。「戦力外で申し訳ないです」と縮こまるリンに、「ポーターのいるパーティーはこんなもんだ」「リンがいないとこの任務、途中放棄になっちゃう」「ご飯大事」と仲間たちが口々にフォローするのが温かい。
翼の生えた迷子、ごまみそ
花トカゲと、スキル画面の黄色い枠
最初の魔物は、植物に擬態する花トカゲ。火に弱いらしく、エドが「隔離して圧縮して燃やすだけ。ね、簡単でしょ」とあっさり処理して、リンは「なるほど分からん」と目を白黒させる。食べられるという話なので、ドロップした肉はもちろん確保だ。
その直後、一行の前に現れたのが翼の生えた一匹の子猫だった。思わず駆け寄りかけたリンは「容易に手を出すなリン」と止められるが、リンのスキル画面には敵意なしを思わせる黄色い枠が表示されていた。種族はウィングリンクス。子供のうちは大した魔物ではないらしく、親とはぐれた迷子か置き去りか。「お腹でも空いてるのかな」と、ヤマネコなら抵抗はないだろうと花トカゲの肉を分けてやる。警戒すべき相手のはずが、気づけば全員がすっかりほだされているのがおかしい。
名付けただけでテイム成立、規格外の飯番
「昔飼ってた猫にそっくりだな」とリンがつぶやく。真っ黒だったから「ごまみつ」。この子はもう少し薄い、ごま味噌くらいの色。そうして「ごまみそ」と呼びかけた瞬間、異変が起きる。リンには子猫の声が言葉として聞こえるのに、ヴィルたちには普通の鳴き声にしか聞こえない。セノンが確認すると、このウィングリンクス、いつの間にかネームドになっているという。
つまり、名付けただけでテイム成立。テイマーでもないのに、である。「本当に規格外ですね」と呆れられつつ、リンをテイマー、ごまみそを従魔としてギルドに登録する方針に。「さすがにこの状況を見て捨ててこいっていうほど鬼畜じゃないぞ」というヴィルの一言に、「猫かわいいからいいと思う」「子供のうちからだとめちゃくちゃ懐かれるって言うしね」と続く暴食の卓、実に優しい世界だ。視聴者の間では、上から転移のように現れた登場シーンや、餌付けが契約の対価になったのではという考察も飛び交っていた。
コカトリス戦と、ダンジョン初ごはん
罠を当てるサバイバルさん、毒持ちの大物
探索を進めると、リンが突然「あそこ、何か」と罠を言い当てる。「なんで分かるんだよ」と驚く一同に、「サバイバルさんが反応してくれたんです」。キャンプ由来のスキルがまさかの罠検知までカバーしてくるとは、ポーター兼飯番、地味に万能である。
そして現れた大物がコカトリス。「超有名毒持ちさん」の異名どおり毒のブレスが厄介な相手で、リンは「絶対窓を開けるな。ゴマちゃんといてね」とモーちゃんの中へ退避。対策さえ立てれば毒ブレスはある程度無効化できると言いつつ「慢心しちゃダメ」と気を引き締める面々が、窓の外で血湧き肉躍る戦いを繰り広げ、無事討伐。ドロップしたのは立派なお肉で、「あの不気味な魔物のお肉とは思えないです」とリンの目が輝く。
マヨネーズ先輩と「味の暴力」
ダンジョンでの初ごはんは、ちょっと奮発してチキン南蛮ならぬコカトリス南蛮に決定。ゆで卵をフォークの背で潰し、刻んだ玉ねぎとピクルスを加えたら、「あとはもうマヨネーズ先輩にお任せですよ」とタルタルソースを仕込んでいく。味見したヴィルの反応が今話のハイライトだ。「なんだこれは」「味の暴力…こんなうまいソースで、リンは悪魔か」。リンは胸を張って答える。「私は食の悪魔、食魔です」。サブタイトル「食の悪魔降臨! 汝はタルタルソース!」の回収である。
「食の悪魔降臨! 汝はタルタルソース!」まとめと考察
見かけ倒しの魔物たちと、癒やしの食卓
偵察から戻った面々の表情は晴れない。「周り見てきたけど、ここもきな臭いな」「魔物たちが見かけ倒しなんですよね。以前のファイアベアと似たような印象です」。コカトリスも通常より弱かったといい、何かが引っかかる。それでもリンは「考えてても嫌な方向に行くばっかりですよ。ご飯にしましょう」と食卓へ切り替える。この切り替えこそ飯番の真骨頂だろう。
完成したコカトリス南蛮に、テーブルは阿鼻叫喚の大好評。「なんというものを作ってしまったんですか」「ひどいひどいよ、こんなおいしいものを俺たちに食べさせるなんて」と絶賛の悲鳴が飛び、リンは「ビルさんにも言われましたが、私は悪魔ではなく食魔です」と再宣言。こってりソースを甘酢がさっぱり受け止め、野菜の食感がアクセントという食レポも隙がない。野菜が苦手なアリアがきちんと食べてみせると、ごまみその「野菜も食べるって言ってますよ」という通訳越しの褒め言葉が届き、「ずるい、俺が褒めたかったのに」とエドが拗ねる。不穏なダンジョンの底で一番平和な食卓が広がる、この落差がたまらない。
考察、「生えた」ダンジョンは誰の仕業か
今話で積み上がった違和感を並べてみると、不気味さがよく分かる。兆候なしで突然発生したダンジョン、通常より明らかに弱い魔物たち、そして直近のファイアベアやベビープループの異変。ヴィルの「本当に何か起こっているのかもしれない」という台詞どおり、単発のハプニングではなく連続した異変の一部として描かれているのがポイントだ。誰かが、あるいは何かが、ダンジョンを人為的に生やしたのだとしたら、その目的はまだ見えない。
そしてその謎の真ん中に、ふわりと舞い降りたごまみそがいる。転移のように現れた出自といい、名付けだけで成立したテイムといい、ただの迷子で終わる気配がない新入りだ。もっとも当面の本人(猫)は、リンの通訳付きでごはんを堪能するマスコットとして完璧な働き。癒やしと伏線を一匹で兼任するごまみそから、次回も目が離せない。

















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