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「ミミが死なないのはね、もう死んでるからなんだよ」。前回ラストの衝撃を受け止める第4話は、フランの口から蘇生魔法と国家機密が明かされる回でした。母親が禁忌を破って蘇らせた娘は、時間が止まったまま、学校が資料館だった頃から戦い続けている。「じゃあ、代わりにあなたが戦場に出る?」という問いに言葉を失ったシーナが、それでも裏庭のデイジー畑でミミに贈ったもの。サブタイトル「共犯」の意味が重い30分です。




秘密の翌朝と、蘇生魔法の授業
「ミミはミミだよ」
冒頭は前回ラストの続きから。「ミミが死なないのはね、もう死んでるからなんだよ」という告白に固まるシーナへ、当の本人は「難しくてよく分かんないんだけど、大人がそう言ってた」とあっけらかんとしている。死んでも生き返るとか幽霊とか、以前から噂はあった。それでも動揺を隠せないシーナに、ミミは言い切る。「ミミはミミだよ!」。この一言が、今話全体の答えを先に出してしまっているのが上手い。
道端で見つけた白い花に、ミミが「あれ、何?」と目を留める場面もさりげなく挟まれる。シーナが「デイジーだね」と教えるこのやりとりが、終盤の裏庭の場面へ繋がる伏線になっている。
授業で語られた「最高禁止魔法」
翌日の授業のテーマは、よりによって蘇生魔法。指名されたセイランが暗唱する。「蘇生魔法は、使用者の命と引き換えに死者を生き返らせる、最高禁止魔法です」。続いて当てられたシーナは、なぜ禁止になったと思うかと問われ、絞り出すように答えた。「かわいそうだから。永遠に死ねないのは、かわいそうだから」。正解とは言えないがその側面もある、と受けた教師は、術者の命を代償にするため数百年前に禁止された、「命の交換は許されるべきものではない」と締めくくる。ミミのことを知った直後のシーナには、あまりに刺さる授業だ。
図書館で調べても「禁止された」としか書いていない。そこへ校内放送が響く。該当番号の生徒は至急保健室まで来るように。「血の気が引いた」「で、逃げよう、と一瞬本気で頭をよぎった」というシーナのモノローグが、緊張感の中に笑いを差し込んでくる。
フランが明かした国家機密
母親が禁忌を破って蘇らせた子
保健室のフランは、ミミをお菓子のお使いに出して二人きりを作り、単刀直入に切り出した。「シーナちゃん、聞いちゃったって言うからさ。ミミの秘密」。そして核心が明かされる。「ミミはね、蘇生魔法でよみがえらせた子。母親が禁忌を破ってね」。本来、蘇生者は厄介な過去の遺物でしかない。だがミミの桁違いの魔力は今の国に欠かせない戦力で、学校の七不思議として代々噂が受け継がれるほど、何年も前から戦わされ続けているのだという。
さらに重いのが続く一言だ。「蘇生者は時間が止まっちゃうの。姿は蘇生したときのままだし、身長だって伸びやしない」。ミミの幼い見た目は、幼いままで死んだ日から一秒も進んでいない証だった。あの無邪気さの意味が反転していく感覚に、背筋が冷える。
「じゃあ、代わりにあなたが戦場に出る?」
ミミはこれからも戦争に行くのか。「戦争が続く限りは、ずっとね」と返され、思わず「そんなの!」と声を上げたシーナに、フランは静かに問う。「じゃあ、代わりにシーナちゃんが戦場に出る? あなたも、ここにいる子たちも、みんながミミという最強兵器がいるから助かっている。これだけの犠牲で済んでいる。違う?」。反論できない。そこへ「お菓子なんてないって言われたんだけど! 保健医の嘘つき!」と頬を膨らませたミミが戻ってきて、空気が日常に戻るのがまた切ない。
去り際、フランは付け加える。「さっき話したことは、全部国家機密だから」。秘密を知り、黙って受け入れた瞬間から、シーナもこの仕組みの共犯者になる。サブタイトル「共犯」の意味がここで確定する構成だ。シーナの独白が痛い。「ミミがいるから、私たちはここで生きていける。それは事実なんだ」。そして、戦闘に参加したこともなく助けられてばかりの自分に、「ミミの生き方を否定なんてできない。それがどんなにいびつであっても」と。
大人たちの葛藤と、変わらない日常
会議室のため息と、オミ先生の涙
今話は大人側の描写も踏み込んでいた。会議では第5拠点に9名、第6拠点に5名という生徒の配置が淡々と決まっていく。「犠牲は何人出るでしょうね」というつぶやき。兵士より戦闘魔法を仕込んだ生徒の方が効果的だというデータと、国からの強い要請。「子供ですよ。いくら人手不足とはいえ、こんな最前線にまで」という抗議も、「結局ミミに頼りきりではないですか」「今は、それしか…」という結論の前に沈む。ミミを第6拠点へ、早期終結ならそのまま第5拠点へ。兵器の運用計画そのものである。
会議ではその貴重なミミを「半ば私物化している」とフランへの批判も飛んだ。当のフランは一服しながら「久々に怒られたわ」と涼しい顔。同僚から、蘇生者であることを一部の生徒にばらした件を咎められても「ミミが喋っちゃったんだから」とどこ吹く風だ。だが「あなたはどうせ、こうなるってわかってたんでしょ? 何が目的なんですか?」という問いには「私は保健医の仕事をしているだけよ」とはぐらかす。フランの真意は今話でも伏せられたままだ。
一方、クラスには昨夜の襲撃で犠牲者が出たことが告げられる。厳格なオミ先生は模擬戦の仮想敵を「硬すぎない?」とフランに言われても、動揺した生徒たちに緊張感を取り戻させるためだと譲らない。「好かれなくて結構です。もし私への好意が生き延びる助けになるなら、何だってしますよ。でも現実はそうじゃない」。そのオミが人知れず生徒の死に泣き崩れていた姿は、視聴者の涙腺を直撃していた。「嫌な役回りよね、先生って」というフランの一言がすべてを要約している。
セイランとアリの「もしも」の話
実はアリとセイランも、17クラスの先輩の目撃談からミミが蘇生者ではないかと察しつつある。その流れでアリが言うのだ。「昔の魔法ってロマンチックよね。自分の命を使って誰かを生き返らせるのよ。それだけ相手が大切な人ということでしょ」。対するセイランが口にした「もし蘇生魔法が使えたとして、いつか私が、アリの目の前で…」という仮定は、「やめましょ、こんなもしもの話」と遮られて宙に浮く。遠くで上がる爆発の音とあわせて、不吉な前振りにしか聞こえない。そして教室では返礼の日の話題。学校中を整理整頓して回る、いわばお片づけの日が来週に迫り、ミミは「めんどくさいね」と正直だ。
裏庭のデイジーと、初めて知る楽しさ
終盤、シーナがミミを連れて行ったのは、手入れもされていないただの裏庭。そこに広がる一面のデイジー畑にミミは歓声を上げる。「見るの初めてなんだ。学校にずっといたのに」。そして、さらりととんでもないことを言う。「まだここが資料館って呼ばれてた時からいたんだけど」。何年生きているのか数えてもいない。学校になる前は少しは外に出られたが、子供たちが来てからは戦場に行く時だけ。帰りに寄り道したら怒られた。退屈だった。
「今は、楽しい?」と尋ねるシーナに、ミミは笑う。「うん、お花見るの楽しい」「お絵描きできるし、みんなでご飯食べれるし、お揃いの制服着られるし。それに、ずっとシーナと一緒にいられるのが一番…」。シーナは、前の同室の子に教わったという手作りのプレゼントをミミに渡し、心の中で誓う。「長い間生きてきたのに、ミミは何も知らない。楽しいことも、嬉しいことも。少しでも楽しいって思ってほしい。せめてこうして、一緒にいる時だけでも」。3Dで描かれた花畑の美しさも相まって、今期屈指の名場面だった。
「共犯」まとめと考察
国家機密を分け合った日
第4話「共犯」は、前回の衝撃の答え合わせをしながら、シーナを「知ってしまった側」へ引きずり込む回だった。ミミの犠牲の上に成り立つ平和を、否定も告発もできずに受け入れる。その瞬間から、シーナも、そして大人たちも、この仕組みの共犯者である。フランがあえてミミを生徒たちと接触させ、秘密を知らせるよう仕向けたようにも見える動きは「何が目的なんですか?」の問いごと宙づりのままで、続きが気になって仕方がない。
ミミが学校の前身である資料館の頃からいる蘇生者で、成長も時間も止まっていると確定したことで、シーナが「お母さんみたいね」と言われる何気ない場面にも別の色がつく。母親の禁忌で蘇った子に、母のように寄り添う少女。セイランの「もしも」の話も含めて、この作品は幸せな画面ほど不穏な意味を仕込んでくる。残酷な世界の中で、二人の時間だけは優しくあってほしい。視聴者の祈りに全力で同意しつつ、次回を待ちたい。




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