『ふつつかな悪女』第7話「武器を授けることの意味」感想|礼はまだ渡されていない

『ふつつかな悪女』第7話「武器を授けることの意味」感想|礼はまだ渡されていない ファンタジー

冬雪が入れ替わりを見抜いた決め手は、性格ではなく火の家の者に引けるはずのない弓を引き続けたことだった。一方で玲琳は、長く自分を弱らせてきたものが病ではなく贈り物にかけられた呪いだと気づく。そして茶会で語られる二十年前には、乞巧節の刺繍を取り替えていた二人がいた。副題が指すまだ渡されていない武器まで、第7話「武器を授けることの意味」を読み解く。

アニ
今週も始まるわね!第7話「武器を授けることの意味」、前回とうとう冬雪さんが気づいただわね!
ラン
どこで見抜いたのかしら?一週間も一緒にいて分からなかったのに、急に確信したのが不思議なの!
キャロ
うんうん、その決め手が冒頭で語られますよ。今回は二十年前の回想もたっぷり入ります。
アニ
そうよね!副題も気になるし、しっかり見届けるわね!

冬雪が気づいた決め手は、引けるはずのない弓だった

第7話の副題は「武器を授けることの意味」である。まず前回の引きから、冬雪がどこで確信したのかが語られる。

違和感が「ふつふつと溢れ出しました」

どうして気づいたのかと問われた冬雪の答えは、ひとつの決定打があったわけではない、というものだった。恥ずかしながらつい先ほど、と前置きして、目覚めた瞬間に蓄積されていた違和感がふつふつと溢れ出したと言う。手当ての巻き方、微笑み方、困ったときの癖。日々の細部が一度に像を結んだ形である。

第1話の入れ替わりを見抜けなかった女官が、一週間かけてようやく追いついた。気づけなかった時間の長さが、そのまま観察の量に変わっているのがうまい。皇太子でも鷲官長でもなく、いちばん近くで世話をしてきた人間が最初にたどり着く順序も理にかなっている。

▼ ネットの反応

#ふつつかな悪女 7話もおもしろかったー!✨
本当はもっと各会話を楽しみたかったけど、仕方なかったんだよね…?
慧月様と冬雪の会話、莉莉と冬雪の会話もっともっとみたいシーンはありました!
「アンタも主人を見抜けなかったクセに!」のシーンは見せてほしかったかな

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火の家の者が、破魔の弓を引き続けた

なかでも決め手として挙げられるのが弓である。冬雪の言い分はこうだ。玲琳のためにと言って弓を引いたので、最初は何を企んでいるのかと思った。ところが火の気とは相性の悪いはずの破魔の弓を、引き続けてしまった

第6話の三刻を、外から見るとこう見えていたことになる。朱家の者にできるはずのないことをやり通した、という一点が身分の証明になったわけだ。中身が誰かを言い当てたのは、性格の観察ではなく五行の理屈だった。

病だと思っていたものが、呪いだった

もう一方の身体にいる玲琳の側にも、同じ夜の出来事から気づきが生まれる。こちらは弓が当たった結果からの逆算だった。

夢の中で襲ってきた無数の目玉

彼女が思い返すのは、夢の中で襲ってきた無数の目玉である。あれはおそらく病の姿だったが、破魔の弓で払えるのはおかしい。払えたということは、あれは病ではなく呪いだった。この筋道が通ったとき、長く体を弱らせてきたものの正体が入れ替わる。

公式のあらすじも、玲琳が自らへの贈り物に呪いがかけられていることに気づくと書いている。病弱だったのではなく、弱らされていた。第1話から積み上がってきた「病弱な雛女」という前提が、ここで一段ひっくり返る。

▼ ネットの反応

【#ふつつかな悪女ではございますが 第7話】
冬雪にバレた流れて莉莉にもバレたね
破魔の矢で砕かれた呪いは「呪い返し」って言って呪いをかけた人間に跳ね返るんだそうですよ
ダメージ受けてそうな姫君が…

そして絹秀も同じ呪いに?!

#ふつつかな悪女 #アニメ感想 #アニメ好きと繋がりたい

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「もう一人だけ」という絞り込み

続けて彼女が口にするのが、そのような呪いをかけられる者はもう一人だけだ、という絞り込みである。禁術を扱えるのは慧月だけではなかった、ということになる。名前は本編では出ないまま、この回はそこから二十年前の回想へ移っていく。

直後に、脚を引きずっている人物が短く映るのも意味深だった。呪いが砕かれた夜と、脚を痛めた朝が並んでいる。作品は因果を口で説明せず、順番で見せている

回復を祝う茶会は、批判のための茶会だった

舞台が雛宮に移ると、空気が一気に悪くなる。名目と中身が正反対の集まりである。

しおれた花で始まる見舞い

見舞いの品として花が差し出されるが、すぐに「少ししおれておりますわね」と言われる。黄色の花はあまりに繊細だから、というのが理屈だ。花を貶しているようで、言われているのは病弱な雛女のほうである。玲琳の回復を祝う茶会だと名乗りながら、目的は病弱さの批判だと本編内でも言い切られている。

▼ ネットの反応

7話観る。
これキャストが世代を意識してる感じ。そしてどういうわけか飛田さんまでいる。#レッツゴー怪奇組 に続いてよくわからない。モブではなくなるって事?
そして今更ながら「烏に単は似合わない」が発想の元にあるのでは、と気付いた。犯人像がなんというか
#ふつつかな悪女

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ドブネズミと呼びながら礼を言う

慧月の身体でその場にいる玲琳へ向けられる言葉が、いちばん露骨だった。ドブネズミのあなたがいたことで一つだけいいことになった、という言い方である。泥臭い相手がそばにいれば、浅ましさのほうが目立たないから、という理屈だ。

悪意を隠さないぶん、この場の力関係がよく分かる。五家の序列が、そのまま口の利き方に出ている。この描写があるからこそ、後半で皇后が語る「序列はひっくり返る」が効いてくる。

皇后になると思われていたのは、絹秀ではなかった

茶会の後半は、皇后・絹秀が自分の雛女時代を語る場面になる。ここが今回の本体だと思う。

「予想した者など誰一人いなかった」

絹秀の自己申告はこうだ。最年長の姫で、女のたしなみにはてんで興味がなく、組み手が唯一の気晴らしだった。自分たちが組めば当時の鷲官長ですら震えた、と笑う。そのうえで雛女時代、自分が皇后になると予想した者など誰一人いなかったと言い切る。

現在の彼女は、後宮のすべての女の頂点にいる。その人が、自分は本命ではなかったと当人の口から言う。しかも当時のもう一方には「最も輝いていた」「麗しく慈愛深く」という評が並ぶ。今の序列は、当時の序列とまるで違っていたことになる。

▼ ネットの反応

#ふつつかな悪女 7話

現女官の赤面
BBAの赤面
若かりしかやのん赤面

現女官&かやのん、WIN

かやのんが黒幕? 入れ替わってると知った上でヤろうとしたのか、知らずにやったのか。知らんわけがなかろうもんなので前者かね。だとしたら慧月のことはなんとも思ってない、大した悪女っぷりやで。

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序列が明らかだったから、平和だった

回想を締める言葉が、誰の目にも序列が明らかだったからこそ平和だったあの時代である。競う必要がないから自由でいられた、という理屈だ。

これは今の雛宮と正確に裏返しになっている。誰が上か決まっていないから、しおれた花で人を刺す茶会が開かれる。二十年前と現在を並べる意味が、ここではっきりする。

乞巧節の刺繍を取り替えていた二人が、雛女時代にもいた

回想でいちばん重いのは、じつは刺繍のくだりだと思う。この作品の題名が何を指しているのかに、まっすぐ触れている。

乞巧節に披露する刺繍

昼寝で儀式を休もうとしている絹秀に、雅媚が持ちかける。いくら聡明でも乞巧節で披露する刺繍がこれでは他の姫たちに侮られる、悔しくはないのか、と。そして自分の刺繍を差し出す。

乞巧節は、第1話で玲琳と慧月の身体が入れ替わった夜の行事である。その同じ行事の名の下で、二十年前にも作品を取り替えていた二人がいたことになる。身体ではなく刺繍だが、他人の出来をわが物として披露するという形は同じだ。しかも今回は、差し出した側に何の見返りもない

▼ ネットの反応

#ふつつかな悪女 7話
この二人やっぱりめちゃくちゃいいな〜

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絹秀が刺繍から読み取ったもの

受け取った絹秀の見立てが鋭い。刺繍には人柄が現れる。これは繊細に見えるが色使いは大胆で、何年も重ねて縫ってある。何度も針で堅い布を刺した執念と根性の持ち主ということだ、と読む。

言われた側が「ひどい言われよう」と返すと、絹秀は畳みかける。お前は一度決めたことは何としてもやり通す苛烈な女だ、そこが我らは気に入っている。褒め言葉として言っているのだが、二十年前の見立てが、いま起きていることの説明になってしまっているのが恐ろしい。友情の場面がそのまま人物評として残る書き方である。

当時の雅媚が口にした願いも、いま聞くと向きが逆さまだ。もし自分が皇后になれたなら、その右腕となる貴妃の座には絹秀にいてほしい、嘘がなく真っ直ぐなあなたは心が弱い私の支えになる、と言っている。結果として座っている椅子は、二人とも入れ替わった

副題「武器を授けることの意味」

今回の副題は、現在の出来事ではなく回想の一行から取られている。刺繍の礼をどうするか、という会話だ。

離れても、代わりに守り続ける

絹秀が挙げる礼の候補が、刀か、槍か、弓である。武器しか選択肢がないのは敵意の表れかと返されて、彼女は言う。馬鹿め、武器を授けることの意味が分からないのか。たとえすぐに駆けつけられぬほど離れてしまっても、その武器が自分の代わりにお前を守り続けるのだと。

これ以上の友情表現があるか、というのが絹秀の理屈だった。乱暴に見えて、いちばん先のことまで考えた贈り物である。そばにいられなくなる日を前提にしているのがこの台詞の芯だ。

▼ ネットの反応

#ふつつかな悪女 7話
1話で入れ替わりに気づけなかった冬雪、1週間かかったとはいえよくぞ!って感じだけど、虐げられてきた過去がある慧月を守る側になってほしいな。
どうやら黒幕がいるみたいだけど、現時点では誰が怪しいかすらわからない。
そして前回から金清佳様が良すぎる…気高い女性すき。

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「来年でも来世でも結構です」

そして雅媚の返しが、この回でいちばん引っかかる一行になる。では気が向いたらください、武器の礼などいつでも構いませんので、来年でも来世でも結構です

つまりその武器は、まだ渡されていない。副題が指しているのは、二十年前に約束されたまま宙に浮いている一本である。守り続けるはずのものが手元にないまま、二人は皇后と貴妃になった。受け取り損ねた友情が、この回の一番奥に置かれている

まとめ|序列はひっくり返る、と皇后が自分の経験から言う

回想が現在に戻ってきたとき、絹秀の説教が別の重さで響く。

夫を看病して、皇后になった

回想の終盤で、皇太子が伝染病に倒れる。薬も飲めない状態で、姫たちには禁足が命じられ、誰も近づかない。そこで絹秀が言うのが夫を最後まで守りきるのが妻の本分だ、そして夫のために命を捨てる覚悟ならあるだった。看病の末に皇太子は目を覚まし、帝位を継ぎ、姫たちはそれぞれ妃に任じられる。

だから現在の彼女の言葉には裏づけがある。皇宮の女たちの序列など、いつどうひっくり返るかも分からぬ儚いものだ、だから身分がどうあれ互いへの敬意が重要なのだ、と。しおれた花の嫌味を並べていた雛女たちに向けて、自分が下馬評をひっくり返した当人が言っている

▼ ネットの反応

#ふつつかな悪女 7話
呪いがかかっていた香炉…!作れるもう1人って…雅媚様…?!しかも22年前からの…?2代に渡り黄家に対して…?
女の怨み妬み…怖いですね…

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手が滑った茶器

その直後に、場が凍る。雅媚が、皇后の地位だけは不動だと言い、その理由として立派な王子を産んだのは陛下だけだと言い添えるのだ。絹秀の反応は「おっと、手が滑ってしまった」で、割れた音のあと、縁起が悪いから今日は散会にしようと切り上げる。

褒めた側は何を言われたのか分からず、「私の発言が何か」と問う。手を滑らせるという形でしか返さないところに、二人の距離の変わり方が出ている。序列の話をしていた場で、序列とは別の一点を突かれた形だ。

▼ ネットの反応

#ふつつかな悪女
慧月(玲琳)「さあ、7話も終わりましたし、お芋食べましょう!」
莉莉「凄い食欲・・・・(汗)」

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入れ替わりを知っても、変わらないもの

重い回想が続くなかで、救いになっているのが莉莉の側だった。冬雪に続いて彼女も入れ替わりを知ることになるが、知ったあとも二人の関係は変わらない。崇拝で接する女官と、言うべきことは言う女官と、玲琳のまわりには二種類の距離ができている。

整理すると、この回で動いたのは三つだ。中身が誰かを知る人間が増えたこと、病の正体が呪いだと分かったこと、そして呪いを作れるもう一人が示唆されたこと。そのうえで二十年前を見せられると、いま雛宮で交わされている嫌味の一つひとつが、二十年後にどう化けるか分からないものに見えてくる。受け取られなかった武器が、まだどこかに残っている

アニ
7話、見終わったわね!決め手が性格じゃなくて、引けるはずのない弓だったのが意外だっただわね!
ラン
病だと思ってたものが呪いだったのも衝撃なの!しかも作れる人がもう一人いるんだもの!
キャロ
うんうん、そして二十年前も乞巧節で刺繍を取り替えていました。題名がここに掛かっていますね。
アニ
そうよね!武器の礼、まだ渡されてないんだもの。あれがどこへ行くのか気になるだわね!

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