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ゲルベルガ様の保護とハイロード討伐へ動き出す第4話。作戦会議で明かされたのは、神鶏の血をハイロードが吸えば次元の扉が開いてしまうという最悪の設定だった。預け先は元勇者エリックの王宮。そこでロックを待っていたのは絵本『ラックの大冒険』と舞台劇にまでなった自分の伝説、そして旧友からの「人生の宝」という感謝だった。だが王宮には早くも魔の手が忍び寄り、留守番役セルリスの覚悟が試される。




シアの依頼と、ゴラン家の騒動
ハイロード討伐の依頼、そして神鶏はもう手の中に
冒頭はシアが事情を打ち明ける場面から。ヴァンパイアハイロードは魔人にも匹敵する実力の怪物で、彼女の父はヴァンパイアロード討伐で重傷を負い、いまだ全快していない。父の代理で出た族長会議では討伐に反対したものの、会議は強硬派が主流で「このままでは全滅もあり得る」。そこでロックの力を借りたい、というのが依頼の骨子だ。ただしそれより先に急ぐべきことがある。ヴァンパイアが血まなこで探している「とある鶏」を、奴らより先に保護しなければならない。
次元の扉を閉じ、ヴァンパイアの変化も防ぐ鶏。「やっぱりゲルベルガ様のことだよな」と、答えはとっくにロックの手の中にいた。対面したシアは「伝説は本当であったでありますね。お会いできて光栄であります、神鶏様」と感激しきり。探し物が一瞬で片付く豪快な展開に、思わず笑ってしまった。
ちなみにこのやり取り、扉の外からセルリスが盗み聞きしていてしっかりバレる。言い訳が思いつかず沈黙し、シアに謝って「口外しないでくれるなら大丈夫でありますよ」と許してもらう一幕も。冒頭からセルリスの残念かわいさが全開だ。
親子の和解と、早とちりの血筋
ギルドでゴランと合流したセルリスは、急に涙目で「ごめんなさい」と切り出す。ひどい態度を取っていた理由は、パパが隠し子を作ったと誤解し、ロックを弟だと早とちりしていたから。誤解が解けた親子の和解は微笑ましいのだが、直後にゴランが土下座の勢いで「うちの娘を頼む!」とロックにすがるのがおかしい。
「まさかあそこまで残念だったとは。いったい誰に似たのか」と嘆くゴランに、ロックは容赦なく切り込む。昔、お前の数々の早とちりに俺もエリックも振り回された、と。早とちりは完全にパパ譲りだったというオチだ。「このままでは先々悪い男に騙されるかもしれん」と心配する父に、ロックは「大丈夫、だって俺が見てるから。妄想は俺が止めてやるよ」と請け合う。視聴者の間でも「土下座父娘」と親子まとめて愛されていて、この作品の空気の良さが出ている場面だと思う。
神鶏の血の危険性と、王宮という預け先
ハイロードに血を吸われたら、次元の扉が開く
本題の作戦会議で、まずゲルベルガ様の力の限界が再確認される。効くのはヴァンパイアが変化する時だけで、守りながら戦うのは危険が大きい。さらにルッチラが「言い忘れてましたが」ととんでもない事実を明かす。神鶏様の血をハイロードが吸うと、呪いが一気に溜まって次元の扉が開いてしまうというのだ。しかも当のゲルベルガ様が「コケー!?」と驚く様子に、ロックは「本人も知らなかったみたいだな」と呆れ半分。呪いとは生命への冒涜によって生まれ、より神聖なものを汚すほど多くの呪いを集められる、という理屈まで添えられた。
つまりゲルベルガ様は切り札であると同時に、奪われたら即詰みの爆弾でもある。戦いに連れて行く選択肢は完全に消えた。そこでゴランが出した案が「ロック、エリックに頼らねえか?」。神の鶏なら王家に守ってもらえばいい。「何しろ、王が元勇者だからな」の一言にセルリスは「やっぱエリックって、国王様のこと!?」と仰天する。設定の重さとテンポの軽さを両立させる、この作品らしい会議だった。
徒弟2000人の福祉政策と、絵本『ラックの大冒険』
王宮に着いたロック一行を案内したのは、ずいぶん若い侍従だった。聞けばエリックは騎士見習い・侍従見習い・料理人見習いなど徒弟をざっと2000人も養っているという。貧乏貴族の次男三男や、魔神との戦いで戦死した騎士の子供を王宮で教育し、就職まで面倒を見る福祉政策。「教育は国を豊かにする」がエリック王のモットーだそうで、ロックも「立派な王のようだ」と感心する。
そしてエリックから紹介されたのが、娘のシャルロットとマリー。ロックが「おじさんはお父さんの友達のラックです」と名乗ると、シャルロットは「お会いできて光栄です、フランゼン大公閣下」と完璧な礼を返す。そしてマリーが抱えていたのは、どう見ても『ラックの大冒険』と書かれた絵本だった。「後でサインを入れてやってくれ」と当然のように言うエリックに、ロックは「絵本ってなんだ?」と固まる。
シアいわく「この国の子供たちは、みんなラックさんの物語を聞いて育ったんでありますよ」。石像建設の次の次にエリックが手がけた事業らしく、ラックは今やすべての子供の憧れのヒーロー。ロックの「それも洗脳じゃん」という悲鳴がたまらない。ゲルベルガ様まで絵本がお気に入りで「こけー!」と鳴くのだから、伝説の独り歩きはもう止まらない。タイトル回収がこんな形で来るとは。
英雄への感謝と、豪快すぎる討伐作戦
「俺の幸せをくれたのはお前なんだ」
娘たちが別室へ移った後、エリックは静かに本音を語る。急ぎの用件と分かっていながら、どうしても娘たちをラックに会わせておきたかった。10年前、お前が魔人軍を一人でせき止めてくれたおかげで、俺は二人の娘という人生の宝に恵まれた。「今俺の幸せはシャルロットとマリーと共にある。それを与えてくれたのはラック、お前なんだ」。ゴランも「セルリスの成長を見届けてこられたのはお前のおかげだ」と続き、この国、この大陸のすべての民がお前に感謝している、と想いを重ねる。
照れ隠しに「だからって絵本はやりすぎだろ」と返すロックへ、エリックは「そうか? 舞台劇にもなってるぞ。全公演満員だ」と追い打ち。ギャグで落としつつ、10年の空白の重みと友情をきちんと描く名場面だった。ルッチラとゲルベルガ様の保護も王宮で正式に引き受けてもらい、これで心置きなくハイロード討伐に向かえる。
「俺とシアで突っ込む」作戦と、魅了の脅威
では討伐の具体案は、と問われたロックの回答が豪快だ。「まず、俺とシアで獣人族のハンターを集める」「そして、俺とシアで突っ込む」。そんなもん作戦じゃねえぞと総ツッコミを受けるが、中身は一応ある。俺とシアでロードたちの群れを引き付け、手薄になったハイロードを獣人族部隊に叩いてもらう、というのだ。役目が逆だろうと言われても、多数のロードを相手にする方が大変だから、と譲らない。シアは「とどめまでは行かずとも、ロード相手なら獣人族部隊でも足止めはできるであります。逆にハイロードにとどめをさせるのはロックさんだけかと」と組み替えを進言し、犠牲が出るぞと案じるロックに「望むところです。ハイロードを逃すことを思えば百倍マシであります」と言い切った。
一方で、応援を増やせない理由も明かされる。ヴァンパイアの魅了には獣人族しか耐性がなく、人間を送れば仲間同士で殺し合いかねない。ゴランはギルドから、エリックは騎士や兵士から応援を出せないと悔しがる。しかも吸血で眷属化した人間は獣人族なら判別できるが、魅了された人間は見分けがつかない。この設定、直後の展開への完璧な前フリになっていた。
「10年たったら絵本にまでなっていた」まとめと考察
Fランクの自覚と、王宮に忍び寄る魔の手
王女たちと遊びながら、セルリスは一人で考え込んでいた。「優秀な冒険者に守ってもらう」なんて言っていたけれど、あれは私をその気にさせるための言葉。まだFランクで、勝手に弟子を名乗っているだけの私では足手まといにしかならない、と。浮かれがちな彼女がきちんと自分の実力を直視しているのが今話の隠れた見どころだ。
そこへ、公式あらすじの言う通り「すでにヴァンパイアの魔の手」が王宮の内側まで忍び寄る。部屋に迫る襲撃を前に、セルリスは迷いを振り切る。「勝てるかじゃない、やるんだ」「一歩たりとも入らせはしない」「大丈夫、王女たちも神鶏様も守り通してみせる」。父親譲りの戦闘力で小さなお姫様たちを守り抜いた姿に、視聴者からも称賛が集まった。駆けつけたロックは「やったな、セルリス。さすが俺の弟子だ」とたたえ、「俺に任せろ」とタイトルそのままの頼もしさで引き取ってみせた。
考察、伝説の重さと「見分けがつかない」恐怖
今話は一見ゆるい日常回に見えて、構造はかなり緻密だ。前半で「魅了された人間は見分けがつかない」「王都には結界があるからロードクラスは入れないはず」という二つの情報を置いた上で、その王宮の内側に魔の手を届かせる。安全なはずの場所ほど、内側から崩されるというヴァンパイアものの王道の怖さを、日常芝居の裏できっちり仕込んでいた。護衛が手薄に見えたのも、人間の護衛はむしろ危険という理屈の裏返しだろう。
そしてもう一つの軸が、伝説と生身のギャップだ。絵本になり舞台劇になった「英雄ラック」と、若返って冒険者をやり直す「ロック」。エリックの感謝はまっすぐ嬉しく、それでも本人は「よせって」と照れるしかない。この落差があるからこそ、セルリスやシアのような次の世代が自分の足で強くなろうとする姿が映える。守られた10年の上に、次の物語が始まっている。次回はいよいよハイロード討伐へ。「俺とシアで突っ込む」作戦がどう転ぶか、楽しみに待ちたい。
























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