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決起まであと4ヶ月。京から戻った国司・清原が北信濃への大侵略を始め、迎え撃つ諏訪方には頼重直属の三大将…祢津・望月・海野が極秘の援軍として立つ。時行たち逃若党に任されたのは、戦場から戦場へ駆ける絶対に捕まらない伝令という適役だった。第15話「時行と三大将」を振り返る。




決起準備と、三大将お披露目
北条郎党、ひそかに100人超
冒頭、稽古場に響く凄まじい気迫。頼重いわく、彼らは皆北条郎党の生き残り…信濃へ落ち延びてくる度に密かにかくまい、その数は先日100人を超えたという。来る大戦では時行直属の兵となる面々だが、機密保持のため時行の生存は伏せたまま。「決起の瞬間に貴方様の口から正体を明かせば、彼らの士気はとてつもなく上がりましょうぞ」…時行も「いつも暇かってくらい絡んでくるのに、裏では着々と準備を進めてくれている」と頭が下がるばかりである。
「じゃじゃじゃじゃーん」と塩対応
続いて紹介されるのが、頼重直属の郎党にして諏訪神党の三大将…祢津・望月・海野だ。頼重は「今から三人に衝撃の発表を致しまする。じゃじゃじゃじゃーん!」と長寿丸=時行の正体を明かすが、返ってきたのは「そうですか」の塩対応。「反応薄っ! 皆の衆のビビった顔、楽しみにしてたのに」…いわく「我々はあくまで頼重様の直臣。頼重様が北条の御子を担がれるおつもりなら、その方針に従うまで」であり、「正体を明かす時までは今まで通り、稚児の長寿丸」と扱いも変えない。時行はそこに、北条ではなく頼重個人への忠誠と、長年の信頼の結束を見る。
清原の再来と、伝令という大役
残虐さを増した国司
一方、京へ逃げ帰っていた国司・清原が信濃へ戻ってくる。「どうじゃ、麻呂の弓も随分上達したであろう」と得意げに領民を射る姿は前回までの小物ぶりと地続きだが、質が違う。「領民らを拷問して吐かせたが、麻呂に逆らう者がまだまだ潜んでおる」「京で帝から討伐の綸旨をいただいてきた。今度こそ奴らを皆殺しぞよ!」…同盟相手の貞宗さえ「所詮は公家の手習い程度よ。なのに妙な自信を感じる。まさか自ら前線にでも立つつもりか?」と訝しむ変貌ぶりだ。
かくして1335年3月、清原と貞宗の連合軍は、北信濃の親北条勢力…北部の常岩宗家、中央部の保科・四宮、南部の犬甘知光への一斉攻撃を開始する。ナレーションが告げるとおり、北条時行の決起まであと4ヶ月…これが最大最後の前哨戦である。
絶対に捕まらない伝令
三大将は少数精鋭を率い、極秘の援軍として三つの戦場へ。では逃若党の役目はというと…「今回の任務は、伝令でございまする」。戦場から戦場を駆け回り、報告や指示を伝える役。戦場は複数で範囲は広大、だからこそ「絶対に捕まらない伝令が欲しいのです」…逃げの申し子にこれ以上ない適役である(ネットも「逃若党にはうってつけの任務」)。頼重は「各地の戦場をめぐり、我が懐刀の人となりも知ってくだされ」と、三大将との顔つなぎも兼ねさせる算段だ。
まず向かった南の砦では、時行の評判が先回りしていた。「諏訪大社に天下一品の稚児がいると。発情しながら戦場を裸で逃げ回る変態稚児だと」…「尾ひれ!」と抗議する時行に、仲間の「いや、言うほど尾ひれついてねえぞ」が容赦ない。
三大将の素顔
海野幸康、童貞修羅理論
南の戦場を支えるのは海野幸康。少人数なのにめっぽう強く、最強の貞宗軍を砦に寄せ付けず、陽動もあっさり見抜く。「渋くて沈着冷静」「巫女たちにもモテモテ」と兵たちの憧れを集める武人だが、その強さの源が凄まじい。「長寿丸殿、女を抱いたことはあるか?」「わしもない」…女への免疫は皆無、だがその煮えたぎる血を全て筋肉と闘争心に流し込むこと数十年。「鎌倉武士は30歳まで童貞を貫くと、修羅になるのだ」。
ここで突然挟まる実写の偽ドキュメンタリー…「日本空想スポーツ科学大学教授」がテストステロンとノルアドレナリンを大真面目に解説し、「投げた紙が落ちるまでに10人切った」と締める怪演出に、ネットは「急に実写パート始まって別番組になったのかと思った」と騒然となった。時行の受け止めは真摯だ。「僧のように煩悩を捨てて忘れるのではなく、ぐつぐつに煮えたぎらせたまま耐え続けている。さすがは頼重殿直属の郎党。桁違いの忠義のなせる技だ」。
祢津の鷹と、弧次郎の事情
中の戦場では、祢津の異能が光る。「国司軍右翼は地上からだと大群に見えるが、空から見れば横に薄く広げただけの虚仮威しだ」「警戒すべきは左翼。森の陰に隠れ、犀川の渡河を狙っている」…鷹の動きで戦場を読む、祢津家のお家芸である。そして意外な事実…弧次郎もまた祢津一族の子だった。「弧次郎、今日から戦場に出るときは顔を覆え。頼重様のため、我が祢津家のため」…「お家の事情が少し複雑みたいなの」と語られるにとどまるが、二人の間の妙な距離は気になるところ。頭巾姿の弧次郎に「似合ってるよ。そういう格好したくなる時期ってあるし」と的外れなフォローをする時行と、「ほっとけ!」の応酬が救いだ。
三つの戦場、一つ崩れれば総崩れ
戦況の構図は雫が整理してくれる。北=大勢力の市川軍を最弱の常岩と望月が受け持ち、中=清原の国司軍を祢津・保科らが、南=最強の貞宗軍を海野・犬甘が迎え撃つ。「1つの戦場で勝った側は他の戦場の助太刀に行ける。つまり1つ負ければ総崩れになる恐れがある」…海野の算段は「貞宗軍はここに十日は釘付けにできる。その間に北の市川軍と中の国司軍を撤退させられれば理想的だ」。
伝令の時行は水を得た魚である。「敵の見張りをかわしながら進むのが、もう楽しくて」に一同「我が君だけです」…逃げに役立つと気づいた馬術は夢中の練習でめきめき上達し、敵側にすら「生き抜く活力に満ちている。我らも見習うとするか」と良い影響を与える始末。望月の縁者と語られる亜也子は北の戦況を案じ、時行は一日走り通しの体で「北がどのくらい耐えられるか聞いてきます」と再出発。留守番の玄蕃の「帰りの目印に耳と鼻をいっぱい並べておくよ」「いいです」という物騒なやり取りも逃げ若らしい。
「時行と三大将」まとめと考察
北の戦場に、暗雲
だが常岩領に入った時行たちが見たものは、思わしくない光景だった。偵察の報告は「市川の兵はほぼ無傷です」…つまり北の戦場は大きく削られている。「無傷の市川軍が中の国司軍と合流すれば、中の戦場が一気に崩れる」「敗北が決まる!」…三本柱の一本が折れかけたところで次回へ、である。
決起4ヶ月前の人材見本市のような回だった。裏で兵を100人集めていた頼重に「さす頼」の声が上がり、クセの強い三大将では特に海野幸康が別格…史実で真田氏の祖につながる家系だけに、「六文銭・海野の戦上手は子孫の真田幸隆・昌幸・幸村に引き継がれる」と歴史ファンも沸いた。童貞修羅理論は「魔法使いじゃなくて修羅になるんだ!」「現代科学のお墨付き!?」と爆笑を、実写パートは賛否を呼び、逃走シーンのピクセルアート演出には参加スタッフの報告も届いている。
そして本題は、三大将の忠義の質だろう。北条のためではなく頼重のため…その距離感が、かえって時行に「長い時間信頼し合ってきた結束」を教える。伝令として各地を駆けながら人を知り、慕われていく時行は、確かに主君の顔つきになりつつある。まずは北の戦場…望月と常岩は持ちこたえられるのか。最大最後の前哨戦は、次回が正念場だ。




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